注文住宅の建て方

自分の家を建てることは、多くの人にとって生涯に一度あるかないかの一大イベントです。
しかし土地の購入から、施工会社の選択、間取りのプランニングをはじめ、さまざまな手続きもあり、人生のなかで最も大変なイベントとも言えます。そこでここでは注文住宅の建て方について解説していきます。

まずは情報収集

多くの方が注文住宅で家を建てるのは、初めての体験になります。
マンションと違いモデルルームがあるわけでは無いし、どのようにして建ててよいのか分からないのが実情です。そこで、まずは情報収取から始めましょう。

住宅情報雑誌などで情報収集をする

注文住宅を建てる際、最初の一歩として最も役に立つのが住宅情報誌です。住宅情報誌は多くの出版社から出版されており、本屋さんに行けば必ず多数の住宅雑誌、ムックが置いてあります。

各ハウスメーカーや工務店、設計事務所などでどんな家を建てることができるかが、ビジュアルで紹介されていますし、またハウツー本を購入し、注文住宅を建てることを追体験してみるのも重要です。

こうした雑誌や書籍を通して、どのような会社でどんな家を建てることができるのか、家を建てるにはどのような工程や手続きが必要なのかがイメージしてみましょう。

住宅展示場に行ってみる

近くの住宅展示場にはできるだけ足を運ぶようにしてください。住宅展示場にはその地域で営業展開している大手住宅メーカーが一堂に集まっているので、効率的に情報収集できますし、何よりも各ハウスメーカーがどのような家を建てているかの比較検討ができます。

各ハウスメーカーのモデルハウスには担当者が必ずついているので、いろいろと質問してみるのも重要です。ただ後日営業マンから連絡が来ることが多いので、こうしたことが面倒くさい場合は“必要があればこちらから連絡します”と言っておくことです。

住宅展示場に行った際は必ず各社のパンフレットをもらってくることも忘れないようにしてください。

【清須展示場(東新住建)】
【街かどモデルハウス小牧(東新住建)】
【街かどモデルハウス昭和区川名本町(東新住建)】
【ギャラリー春日井(東新住建)】
【ギャラリー北名古屋(東新住建)】
【ギャラリー稲沢(東新住建)】

ハウスメーカー・工務店のホームページなどで情報収集をする

ハウスメーカーや工務店のホームページを見て、どのような事例があるのかを確認することも重要です。

ホームページによっては家づくりの基礎知識や資金計画に関するページもあり、これから家を建てる際に有益な情報がたくさん掲載されています。

また気になった会社があれば、パンフレットなどの資料請求をすることもおすすめです。

見学会に参加する

住宅展示場はあくまでもショールーム的なものですが、実際に建築した家を見ることができ、どのような暮らしができるのかが実感できるのが住宅見学会です。

住宅見学会には構造見学会と完成見学会があります。構造見学会は建築中の家を見学することができ、その会社の家づくりの裏側を検証することができます。実際構造見学会で施工の粗さを見つけることも少なからずあります。

完成見学会では施主の意向に対し、ハウスメーカーや工務店がどのように対応してくれるかを見る最大のチャンスになるので、できるだけ多くの見学会に参加することをおすすめします。

ハウスメーカー、工務店、設計事務所の特徴を調べる

注文住宅はハウスメーカーや工務店、設計事務所に依頼して建てることになります。
それぞれの特徴や得意分野などを把握しておくことをおすすめします。

ハウスメーカーの特徴

注文住宅といえば多くの方がハウスメーカーをイメージされるかと思います。TVや新聞、雑誌の広告でよく見かける大手のハウスメーカーは規模が大きく、年間1万棟以上の注文住宅を手掛けている会社も数社あります。

ハウスメーカーはどの会社も比較的規模が大きく、建材や住設機器を大量に一括購入することで原価コストを抑え、工期の短縮や品質の安定化を図っているのが特徴です。

こうすることで建築コストを抑えていますが、一般的には仕様が規格化され、施主の意向が反映されにくいという側面もあります。また広告宣伝費が建築コストに含まれていることも知っておいたほうが良いでしょう。

住宅建築には木造やツーバイフォー、鉄骨造りなどの工法がありますが、一つの工法にこだわる会社や複数の工法を持つ会社、デザインにこだわる会社、ローコストにこだわる会社など、ハウスメーカーといえどもさまざまな会社がありますので、ハウスメーカーとひとくくりにせず、資料請求や営業マンからのヒヤリングでそれぞれの会社の特徴や出来ること、出来ないことを確認することが大切です。

工務店の特徴

工務店は住宅メーカーと違い小さな会社が多く、地場に密着しているのが特徴です。

施工のみを行う会社や設計から施工までを行う会社があります。規格品を扱う住宅メーカーとは違い、施主の要望するプランに対し柔軟に応じてくれるのは工務店が多く、こだわりの家を建てたい方にはおすすめです。

狭小敷地や段差のある土地など住宅メーカーによっては対応できない土地にも工務店なら対応してもらえる場合が多いです。

地場の気候風土にも精通しているので、その土地に適した家づくりの提案もしてもらえるというメリットもあります。建てた後の修理なども頼みやすく、広告宣伝費が無い分コストパフォーマンスもよいという特徴もあります。

ただハウスメーカーよりも工期が長くなる場合もあります。

設計事務所の特徴

狭小敷地や段差のある土地に住宅を建てる場合やデザイン性や個性に富んだ住宅を建てるなら設計事務所に依頼するのもおすすめです。
施主のこだわりに最大限の対応してくれ、またそれ以上の提案力も設計事務所なら持っています。

施工は設計事務所とタイアップした工務店が行うので、設計事務所が作成したプランの実現に問題なく対処してもらうことができます。
ただ住宅メーカーなどに比べ設計料が高かったり、工期が長かったりという特徴もあります。

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新しい家での暮らしをイメージしてみましょう

どんなエリアで、どんな家に住みたいのか、イメージをしてみることも家づくりには重要です。家族みんなで、どんな家に住みたいのか、どんな暮らしをしたいのかを話し合ってみましょう。

どんな家に住みたいか、イメージしましょう

まずはどんな家に住みたいのか、おおよそのイメージを固めましょう。キッチン、居間、子供部屋、書斎、2世帯など将来のことを考えながらどれだけの部屋が必要かをイメージしたり、「親戚や友人たちを招いてパーティーをしたい」「庭でバーベキューがしたい」「夜遅くまでピアノの練習がしたい」など、どのような暮らしがしたいのかをイメージしたりすると、新しい家のアウトラインが見えてきます。

どんな街に住みたいのか、イメージしましょう

新しい住まいは建物だけでなく、住む場所も大切です。どんな街に住みたいのかもご家族で共通認識を持つようにしましょう。その際、通勤通学時間や学校や幼稚園、保育園、医療施設の充実度、スーパーや商店街などの充実度など日常生活のことをしっかりと考えたうえで検討することが大切です。

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資金計画をたてる

家は生涯のなかでも最大の買い物です。これからの人生設計を大きく左右する重要なものになります。無理な資産計画を立て、家を建てた後に生活が成り立たなくなってしまうこともありえます。よって無理の無い資産計画を立てることが重要です。もし不安があればファイナンシャルプランナーに相談してみるのもおすすめです。

頭金について検討しましょう

まずは自分が今どれだけの資産を持っているかを正確に把握することです。そしてそこからどの程度の金額を頭金として利用できるかを検討しましょう。また親などからの資金援助が可能な方は、どの程度の資金援助があるかもしっかりと把握しておきましょう。

住宅ローンについて検討しましょう

住宅ローンは毎月どの程度のお金なら無理なく返済できるかが重要になります。今の賃貸住宅の家賃を参考に、家を建てた後の毎月の生活費や子どもにかかる費用、将来の医療費や介護費なども考慮しながら、毎月支払い可能な返済額と定年までの期間を考慮して借入金額を決めましょう。
銀行のホームページなどで簡単なシミュレーションができるので、一度試してみてください。

注文住宅に必要な費用の内訳とは

注文住宅を建てるのに必要な費用は「土地代+建物代」だけではありません。電気・ガス・外溝工事、地盤調査、上下水道工事なども費用に含まれます。また引っ越し代、家具代などさまざまな費用が掛かります。
資金計画の際は必ずこうしたことも頭に入れておきましょう。

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施工会社と土地を探し始める

大体の予算が決まり、住みたいエリアも決まったら施工会社と土地探しです。施工会社と土地探しは同時に行うことがおすすめです。

施工会社を探す

情報収取をしている際に気になったハウスメーカーや工務店、設計事務所など複数の施工会社に声を欠け、大体の予算や部屋の数など基本的なコンセプトを伝え、プランと見積もりを提案してもらいましょう。

また土地の候補地が見つかれば、契約前でも建築業者に事前に診てもらうことをおすすめします。その土地に基準法上の制限や地盤の問題などでイメージした家を建てられないこともありますし、施工会社からプロの視点でさまざまなアドバイスもいただけます。

施工会社のチェックポイント

施工会社を選ぶ際は見積もりだけではなく、設計プランや工法、建材、設備面も含めて比較検討します。決して見積もりだけで決めてしまわないことです。施主側の要望に対してどれだけ真摯に対応してくれるのか、施工会社からの提案力もチェックポイントの一つです。

また注文住宅は完成してからの修理などアフターフォロー含め、施工会社とは長期的なお付き合いになるため、営業マンや設計士の人柄はもちろん、会社の規模、信頼度、メンテナンス体制なども含めて、総合的に選ぶことが重要です。

土地を探す

住みたいエリアの不動産会社に予算や希望する土地の大きさなどを伝え、土地を探してもらいましょう。ただし気に入った土地はなかなか見つかりにくいので、一つのエリア、一つの不動産会社に限定せず、多くのオプションを持って探すことが有効です。

古家や建築条件が付いた土地は相場よりも安い場合がありますが、「古家付き土地」では建物の解体費用が必要になったり、場合によると再建築ができなかったりします。また「建築条件付き土地」は建築業者が指定され、一定期間内に建築工事をする必要があるなど注意も必要です。

敷地調査を行う

購入したい土地が見つかれば敷地調査と地盤調査をしましょう。
敷地の正確な面積や形状、土地の高低差、地盤の強弱、道路の位置、電気・ガス・通信・上下水道や土地にかかる法規制などを調べることで、その土地に希望した家が建てられるかどうかが分かります。

敷地調査も地盤調査もプラン作成に必要なので、候補に挙がっている施工会社にお願いすれば気軽に実施してくれたり、調査会社を紹介してくれたりします。

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本設計と本見積をもらう

施工会社と土地が決まれば、本格的な設計プランを作成し、本見積もりを確定していきます。
これまで施工会社から提案してもらっていた設計プランをもとに、家族全員と施工会社の担当者でじっくりと話し合い最終な設計プランを作成することをおすすめします。

間取りを考える際のチェックポイント

間取りを考える際は、ご家族の将来のことも考えてプランニングする必要があります。リビングやキッチン、子ども部屋、客間や書斎、収納などといった基本的なことから、暮らしやすい導線作りなども大切になります。

また高齢者になってからも暮らしやすいように、こだわり過ぎないことも重要です。新しい家での暮らしに何が必要で何が不必要かを取捨選択しながら、間取りを作成していきましょう。

建物や設備面のチェックポイント

間取りの作成と同時に外装・内装のデザインや設備面も決めていきます。
デザインに関しては奇抜にこだわり過ぎると周りの景観を損ねたり、予算をオーバーしてしまったりすることもあるので、こだわり過ぎないほうがいいでしょう。建物や設備面はキッチン周り、お風呂、トイレなど、どの程度のグレードのものを使用するかといったことから、耐震・免震構造、断熱性能や太陽光発電の設置など、多くのことを施工会社と一緒に決めていきます。
あまりこだわり過ぎると予算をオーバーしてしまいますが、将来のことを考えながら検討することをおすすめします。

2世帯住宅のチェックポイント

2世帯住宅は2つの世帯が同じ屋根のなかに暮らすだけに、じっくりと話し合って設計プランを作成する必要があります。
お姑さんに気を使い、お嫁さんの意見が反映されない家になってしまえば、将来的に幸せな生活ができなくなることも考えられます。

完全同居型、部分同居型、完全分離型のどのタイプにするかも含め、祖父母世帯と子供世帯がじっくり話し合って決めていく必要があります。

施工会社と工事請負契約を結ぶ

本見積と建築プランが確定したら、施工会社と「工事請負契約」を結びます。これは見積書通りの家を建てるとことを確認するもので、「工事請負契約書」「工事請負契約締結書」「見積書」「設計図書」の4種類の書類が交付されます。
書類内容はボリュームがあるので、早めに用意してもらい、契約交付前日までに必ず読んでおくことです。

また工事着工前には建築主(通常は施工会社)から行政や民間の指定確認機関に建築確認申請を行い、問題が無ければ工事が着工されます。

住宅ローンの申請を行う

購入する土地が決まり、設計プランが決まったら、住宅ローンの申請を行います。
注文住宅の住宅ローンは少し複雑になるので住宅ローンについては、事前に金融機関や施工会社に相談するといいでしょう。

住宅ローンを受ける際の注意点

住宅ローンは基本的に完成した住宅を担保に借り入れをするので、注文住宅では原則住宅が完成し、引き渡されたときに融資が実行されることになります。
また土地の支払いが先になるので、土地と建物を一緒にローンを組むことができないケースも考えられます。建築費用は通常、契約時、着工時、上棟時、完成時に分けて支払われることが多く、つなぎ融資での支払いが必要になる場合もあります。

ただし金融機関によっては建築確認が下りた時点で融資が行われるところもありますので、施工会社とも相談しながら、どの金融機関で住宅ローンを組むか、事前に決めておくことをおすすめします。

住宅ローンの種類

住宅ローンには固定金利型と変動金利型の2つのタイプがあります。
固定金利型はフラット35が代表的で、金利が借入時から返済終了まで変わらず、資金計画が立てやすく、金利が上昇しても影響を受けにくいというメリットもあります。変動金利型は時々の情勢によって金利が変動するものです。

低金利の時はメリットがありますが、金利が上昇した時はその影響を受けるというデメリットがあります。どちらのタイプを利用するにしても、無理の無い返済計画を立てることが重要です。

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施工から完成まで

工事請負契約と建築確認申請が無事終了し、住宅ローンの申請も終了すればいよいよ施工です。施工してからもすべきことはたくさんあります。

ご近所の方へのご挨拶

竣工前にご近所の方へご挨拶をし、しばらく工事でご迷惑をかけることをお詫びします。事前に挨拶があるのと無いのとでは、引っ越してきてからの近隣と関係も大きく違ってくるので、必ずご近所へご挨拶をするようにします。

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地鎮祭と上棟式を行う

竣工の前に工事の無事と建物の安全を祈るのが地鎮祭と上棟式です。地鎮祭は近くの神社の神主さんが土地の神様に祈りを捧げます。上棟式は大工の棟梁を中心に、棟木を取り付けた後に大工さんたちの安全を願って行われます。

地鎮祭の一般的な費用は神主さんへの初穂料が2万円から5万円、車代が5千円から1万円、ほかに施工業者が準備する祭壇などの費用が数万円かかります。上棟式の一般的な費用は、施工業者の責任者や棟梁、設計者などに5千円から1万円、各職人に3千円から5千円をご祝儀として渡します。

他にお神酒、米、塩などの神饌物や職人をもてなす酒やつまみなども用意します。詳しくは施工会社の方に相談するのがよいでしょう。

建築現場を訪問する

建築中の現場をできるだけ訪問することも施主の大切な役目です。自分の家の出来上がり具合を確認することで、家への愛着が湧くとともに職人さんとのコミュニケーションも図ることができ、建設中のプラン変更などにも臨機応変に対応してもらえることもあります。

完成検査を行う

建物が完成したら施工会社の担当者や工事管理者と建物のチャックをする完成検査を行います。床や壁にキズが無いか、ドアや襖などがスムーズに動くかなどのほか、図面通りに建築されているか、建築ミスが無いかなどを事細かにチェックしていき、不具合があれば修理してもらいます。また行政による建築基準法に基づいた検査も行われます。

こうした手続きが終了し、不具合が修理されれば家のカギや保証書を受け取り、家が引き渡されることになります。

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登記をする

家を新しく建てた場合は必ず不動産登記をします。必ずしなくてはいけない登記は建物表題登記で、取得してから1か月以内に登記しないと10万円以下の過料になるので注意が必要です。

また住宅ローンを組む場合は所有権保存登記と抵当権設定登記が必要になります。他に土地を購入した際は所有権移転登記が、家を建てる土地が宅地以外の場合は地目変更登録が必要になります。

これらは土地家屋調査士や司法書士に依頼することになりますが、まずは施工会社の担当者に相談することをおすすめします。

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まとめ

注文住宅を建てることは施主が一人ですべてのことを決定しなくてはいけないので、想像以上に大変な労力を必要とします。しかし実績のある施工会社に依頼すると、設計プランや手続きなどの面で多くの助言やサポートをしてもらえます。

注文住宅を建てる際は信頼のおける施工会社を見つけることが最も重要といえるでしょう。

また、注文住宅にかかる労力を減らしつつこだわりを実現したいという方には、注文住宅と分譲住宅のいいとこ取りスケルトンオーダーハウスをおすすめします。

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