注文住宅の設計時の要望科目と伝え方

注文住宅で家を設計してもらう際に重要なのが自分や家族の要望をいかに上手く相手に伝えるかです。
いかに相手がプロの設計士でも自分達の要望がわからなければ思い通りの住宅を設計することはできません。
そこで今回は注文住宅の設計時における要望を科目ごとに整理し、その上で設計士への効果的な伝え方についてお伝えしていきます。

注文住宅は自分の要望をいかに伝えられるかが重要


注文住宅で家を建てる際に満足のいく家にするには事前に情報収集をおこないつつ、自分や家族の要望をまとめ、さらにそのような要望を上手く設計士に伝えることが大切になってきます。

そのような要望を伝えられると、例えば、自分達のお気に入りの家具が入らない、でき上がった家のイメージが理想と大きく違っていたといった悲劇が起きるのを避けることができます。

自分達の要望を伝えるためには事前に情報収集を通して、好みの家づくりやデザインなどのイメージを持ち、さらに家族とともに理想とする暮らしについてよく話し合っておく必要があります。

理想の家を建てるにはハウジングメーカーやその設計士に丸投げするだけでは実現できません。
また、ほとんどの方にとって注文住宅で家を建てるチャンスは何度も訪れるものではありません。

むしろ注文住宅は始めてという方や多い方でも2回や3回止まりという場合がほとんどでしょう。
従って、家づくりのプロではない私達が理想の家を建てるには施主自らが時間をかけてよく研究し、ある程度まで理想とする暮らし方などを具体的に伝えられるように突き詰めておくことが重要です。

このような過程は時間もかかりますが、ある意味で家を建てる際に最も楽しいひとときでもあるといえるでしょう。

理想とする暮らしやそのような暮らしを実現したい場合、家の設計に盛り込んでほしい具体的な要望がもしわからなければ、朝起きてから夜寝るまでの行動や週末の過ごし方などについてよく家族と話し合い、それを担当の設計士や営業担当者に伝えましょう。

もし、そのような過程を経ても具体的な要望が見えてこない場合は現状の暮らしの中で家に関する不満は何かを考えてみるのも有効です。
新たに建てる家でそのような不満が解消されればそれは理想の暮らしに一歩近づくことになるからです。

家づくりのための情報収集の際にやっておくと良いのが、注文住宅の専門誌やインターネット上に掲載されている住宅デザインなどをこまめにチェックし、これはと思うデザインをスクラップしたり、画像として残しておいたりすることです。

そのような過程を通じて何となく自分や家族の好みのデザインや理想の住まいに対する方向性が見いだせるからです。
そしてそのようにして収集したスクラップや画像などは担当の設計士に見せ、自分達の思い描くデザインについて何となくでもいいので伝えていきます。
画像という具体的なイメージがわかれば、設計士も施主の思い描く家のデザインのたたき台が作りやすくなるでしょう。
また、同時に使用する外壁の色や素材のイメージについても方向性が見えてきます。

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【注文住宅設計時の要望科目①】間取り


間取りは施主の理想とする生活スタイルや暮らしに対する考え方が最も表れる科目と言えそうです。
そのために希望するリビングや寝室、風呂場の位置などを事前にある程度まで決めておき、それを書面に書いて渡しましょう。
そのような施主の事前の要望がまとまっていれば設計士もイメージが描きやすくなります。
事前に要望を固めておき、それを具体的に伝えることはより満足できる注文住宅を実現する上で必須です。

間取りは予算だけでなく、土地の形状や建ぺい率、容積率などとも関係してきますので、時として全てが希望通りにはいかない場合もあります。
そのような場合に備え、何通りかの要望を考えるとともに、それらの要望の中から絶対に外せないという優先順位があると設計士も図面上で上手くまとめやすくなります。

例えば、車やバイクいじりが趣味の施主の場合は雨や風が吹いても作業に支障がなく、自慢の車やバイクを好きなだけ眺めることができるビルトインガレージは外せない条件になる場合もあるかもしれません。

またキッチンはものが腐りやすい南側は避け、北向きにしたいという奥様の要望なども考えられます。
家づくりに風水を重視する方の場合、欠けのある家の設計は避け、玄関の位置もある程度の希望があるものです。
このような具体的な要望があれば設計の骨格はそのような要望の実現に向けられ、間取りだけでなく、予算配分も自ずと決まってくるものです。

【注文住宅設計時の要望科目②】動線


家の中の動線も欠かせない要望科目となります。
家のデザインにばかり気を取られ、動線を無視すれば使いにくい家となるばかりか、せっかく注文住宅で家を建てても生活をする上でストレスになりかねません。
間取りと同様にどんな生活をしたいのかについて家族とよく話し合い、設計士に具体的に伝えていきます。
持っている家具がある場合にはその寸法や使い方についてもはっきりと伝え、間取りを設計する際にそれらを反映してもらい、使いやすい空間作りにしてもらいましょう。

例えばダイニングテーブルやチェアの寸法が設計士にも伝われば、チェアを引いたり、その横を人が通ったりしても支障がないような空間作りを考えてもらえますし、当然のことながら間取りのデザインにも反映されていきます。
このようなことを間取りの設計が完了してから伝えると、せっかくのデザインが振り出しに戻る事態も考えられます。
こうなれば設計士だけでなく、自分達も最初から再検討しなければなりませんので、労力と時間のムダになりかねません。

【注文住宅設計時の要望科目③】外観・内観のデザイン

注文住宅で家を建てる場合に間取りや動線などと同様に重要なのが外観と内観のデザインをどのようにするかです。
特に外観についてはその家の顔とも呼べるファサード、つまり道路側からその家を見た場合の正面のデザインは住んでいる方の印象をも表すほど重要と言えます。
外観も内観も好みのデザインというのは施主のそれまでの育ってきた環境から生活スタイルまでもが反映されます。
特に外観については建てる家の周囲と環境の調和も求められますので、都心と郊外、田園地帯など立地や周辺の環境によっても外観のデザインは異なってくると言えそうです。

また、内観については上述の間取りとも切り離せない関係にあります。
従って好みのデザインを思い描く際には内観と間取りをセットで考えられれば理想的です。

希望するデザインが「拡がりが感じられるデザイン」なのか、あるいは「落ち着いた雰囲気が感じられるデザイン」かによっても、使われる床材や壁材の種類や色合いなどに影響を与えます。

しかし、住宅設計のプロではない私達がそこまで全てを考えるのは難しい場合もあるでしょう。
わからなければ理想のデザインを伝え、プロに任せることも大切です。

でき上がってきたデザインを見せてもらいながら思い描くイメージと異なるようなら少しずつ修正してもらい、最終的な落としどころを考えてもらうといいでしょう。

もし、好みの外観や内観のデザインがわからないという場合や決められないという場合には先ほどお伝えしたように注文住宅の専門誌やインターネットで情報収集しておきます。

そのようにして集めた雑誌のスクラップや画像を用意して、設計士に見せることで希望のデザインのイメージを共有することができます。
家の外観や内観についてはもちろん予算や立地の条件などによって必ずしも希望通りになる訳ではありません。

特に建ぺい率や北斜線などの制約を受けやすい外観のデザインについては要望が通りにくいこともありそうです。
しかし、自分の希望するイメージを設計士に共有してもらえれば、立地面でそのような制約を受けながらもいいアイデアを出してくれるかもしれません。

何も伝えなければできないことですので、事前の情報収集や自分達の理想のイメージを持ち、それを設計士に伝えることは家づくりにおいてとても大切なステップとなることがおわかりいただけることでしょう。

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【注文住宅設計時の要望科目④】照明位置


家の照明やその位置については注文住宅を建てる際に部屋の雰囲気や内観のデザインの見せ方にも関係しており、実は重要な科目です。

部屋の種類によって照明の位置や照明器具の種類も異なるので事前によく相談して決めておきたいところです。
寝室は基本的にリラックスするための部屋ですので、明るさよりは雰囲気を重視して落ち着いた色味の照明器具を用います。

白色よりはオレンジなどの暖色系を使い、場合によっては直接照明よりも間接照明を使います。
また、調光機能がある照明を使えば、就寝前にくつろいでいる時はある程度の明るくして就寝時に暗くしたり、照明をオフにしたりすることができて便利です。

ダイニングは料理がおいしく見えるように比較的明るい白色系の照明を用い、部屋中に万遍なく光が届くような照明の位置とします。
リビングルームは比較的スペースがありますし、家族の団らんの場ですので複数の照明器具を用いたりします。

メインとなる大きな照明で明るさを保つ一方、夜間の団らんの際にはメインの照明の光を少し暗くして、部屋の隅に配置したダウンライトなどを間接照明として利用するとリラックスムードを醸し出すことができるでしょう。

子供部屋については勉強することも多く、健康的で明るいイメージを実現するためにも明るさを第一に考えた照明の配置を考えてもらいます。

照明の数や雰囲気作りについて、予算との兼ね合いもありますので理想とする部屋のイメージとともに設計士とよく相談します。
ハウジングメーカーの中には家の設計士とは別に専門の照明デザイナーが担当してくれる場合があります。
自分達の理想とする部屋の雰囲気を伝えるとともに、もしこれは譲れないという要望があればはっきりと伝えることが大切です。

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まとめ

注文住宅で成功するためには情報収集など事前の準備や家族との話し合いを通じて理想とするイメージを描き、それを要望科目として具体的にまとめて設計士に上手く伝えることが重要です。

むしろそれらのステップを楽しみながらハウジングメーカーの担当者や設計士とともに家づくりに積極的に参加する姿勢が、満足できる家づくりを成功させるコツとも言えそうです。