今流行りのVR内見・内覧って何?

時代のトレンドとなっているVRですが、不動産業界もその波を受けてVR内見を積極的に取り入れる会社が増えてきました。
基本である内見についてとVRとは何か、VR内見のメリットやデメリットは、実際の内見との違いなどについて説明します。

内見・内覧の意義

内見・内覧はなぜ行うのでしょう

内見とは住まいの内部見学のことです。
賃貸住宅でしたら実際に何件かの部屋を内見します。
そこから最終的に借りる部屋を決めます。

住宅購入の場合の内見は、マイホーム引き渡し前の1~2週間前に行います。
できあがったマイホームに何か不備はないか、きちんと施主のイメージ通りに完成しているかどうかを調べる最終チェックです。

どちらの場合でも、大切な住まいを決めるための必要事項です。
実際に物件を見に行って部屋の寸法を測る、設備の不具合などを確認する内見は重要です。

内見・内覧を行わないとこんなトラブルに巻き込まれるおそれが

物件や現地を見ない。
つまり、内見しないで入居すると思わぬトラブルに見舞われることがあります。
トラブルのケースをご紹介します。

フローリングの床に傷があった

フローリングの床に傷があったが、引越しでついたものではない。
よく見ておけば良かったと後悔するケース。

隣人の夜中の騒音トラブル

入居後深夜に隣人が出す音がうるさくてよく眠ることができない。

南向きの間取りなのに日当たりが悪かった

南向きだから日当たりは良好だろうと思っていたら、高層マンションが日をさえぎり昼間でも薄暗い。そのため、洗濯物が乾かないなんてことも……

押し入れやクローゼットの開け閉めが悪い

押し入れの開け閉めがきつく、しかもカビ臭い。

駐車場はあるのに実際には駐車できなかった

駐車場ありと説明を聞いたが、とめられるスペースがなくて結局近所の駐車場を借りることに。

コンセントが足りない

持っている家電製品は多くないのにコンセント数が足りなくて困る。

エアコンの利きが良くない

備え付けのエアコンだが使い出してから冷えが悪いことに気づくケース。

エントランスなど共用部分が汚い

マンションなど集合住宅の場合、管理が良くないと玄関の集合ポストにDMなどがあふれている。
ほかにありがちなケースは、蛍光灯が切れたままになっている。

最寄り駅から徒歩10分、でも急な坂道

建物は高台にあるので、行きは下り坂だが、帰りの上り坂がかなりつらいと感じる。

「内見はしたいが時間がない」そんな人のために開発されたのがVR内見

VR内見は現地まで行かずにVRで物件の内見ができる最先端のサービスです。

VRとは

仮想なのに現実のように体感?

まずはVRについて簡単におさらいします。
VRとはVirtual Reality(バーチャルリアリティ)の略称で、日本語では仮想現実や人工現実感などと訳されています。
CG(コンピューターグラフィックス)を駆使してつくられた仮想世界が本当はその場にいないのに、そこにいるかのような疑似体験できるテクノロジーのことです。

時空や時制、本物と虚構を超えた世界が広がります。
例えばゲームの世界の主人公になったり、自分の部屋にいながら本格的な宇宙旅行気分が楽しめたりします。

VRゴーグルを頭部にセットして、360°の映像を体感するスタイルはゲーム好きの人でなくても、もはやおなじみのスタイルです。

VRが利用されているのはゲームだけではない

VRは映画やアニメーション、ゲームなどのイメージが強いと思われがちです。
ところが、医療や教育、広告、旅行・観光、不動産、自動車などここ数年さまざまな領域で活用されるようになりました。
今回のテーマであるVR内見も、VR技術の発展により生まれたものの一つです。
詳しくは「VR技術が使われるシーン」でご説明します。

VR技術が使われるシーン


VR技術がすでに利用されているシーンや、これからの利用が期待されているシーンをまとめてみました。
VRが新しいサービスを提供してくれます。

ゲーム

VRと言えばゲームです。
家庭用ゲーム機もVR対応となり、VR対応のゲームソフトも今後充実していけば、普及も一気に進むと期待されています。

映画

VR動画が話題を呼んでいます。
360°映像が楽しめる本格的なVRシアターの登場も間近です。

エンターテインメント

代表的なものがエンターテインメント施設にあるVRアトラクションです。
ホラーアトラクションやバトルアトラクションなどがあり、その臨場感は若者に人気となっています。

医療・介護

医療現場では、手術をVRで行い、医大生や若い医師のトレーニングに活用されています。
介護の現場では、介護士が失禁体験などをVRで体感し、ヘルパーの基礎力を養っています。

教育

教育現場でも、授業にVRを用いることで理解度が深まります。
例えば科学の授業で深海の世界をVRで体験したり、英語の授業でアメリカ人とVRで会話をしたり、より高度な授業を行うことができます。

オープンキャンパスをVR化すれば、国内や海外からでも自宅にいながら大学の施設やキャンパスの雰囲気を体感でき、志望校選びに役立ちます。

広告

見るから体感へ。
VR体験は従来のCMにはなかった強いインパクトでアピールするので、広告に採用する企業が増加しています。

旅行・観光

国内、国外の行きたい観光地を、旅行代理店や自宅でVR体験することにより、有効な下見や下調べを行うことができます。
疑似体験は紙のパンフレットよりもインパクトが強く、効果的です。

ショッピング

VRでネットショッピングも変わります。
自宅にいながらお店の中にいる感覚で楽しく買い物することができます。
地方に住んでいる人が、わざわざ都市へ出かけずに買い物ができるのは便利です。

インテリア

購入した家具が部屋の印象にそぐわない。
そんなことを解消しようと、VRの部屋に家具などが置けるサービスが研究されています。
デザインや色など部屋にあった家具が選べます。

自動車

自動車業界ではすでにVRを自動車の開発に導入しています。
CADなどで作成した新車の3DデータをVR空間で再現し、モックアップの時間と手間を省き開発の迅速化に貢献しています。

VR内見・内覧とは

VR内見・内覧って何?

VR内見とはVRを利用して現地まで行かずに物件の内見ができる最新サービスです。
内見は、入居後トラブルにあわないよう事前に物件を見ておくことは必要不可欠です。
物件を購入する場合も同様です。
モデルルームを何ヶ所も回ることなく、VR内見でチェックすることができます。
大事な住まい選びなので候補を数件選んでから最終的に住む物件をじっくり決めたい。
でも仕事が忙しくて見に行く時間がなかなか取れないし何件も回るのは大変だ。
VR内見はいつでも簡単にすばやく内見が行えるので、そんな悩みを解消します。

VR内見・内覧はVR元年と言われる2016年にスタート

この画期的なVR内見が登場したのは2016年です。
この年、家庭用ゲーム機やアミューズメント施設にVRが導入され、VRがより身近に体験できるようになりました。
VR元年と呼ばれる理由はそのためです。
この年以降、各社でさまざまな個性的なVR内見システムが開発され、発売されました。
現在、多くの不動産会社で活用されています。

VR内見・内覧はどの見るの?どう撮影しているの?

VR内見のシステムは、最初に3DのVR動画が撮影できる360°カメラで物件を撮影します。
それをWebサイトにアップし、お客さまはスマートフォンとVRゴーグルなどで疑似内見します。
店舗はもちろん家庭でも物件が内見できるのがポイントです。
一般的に物件サイトのVR動画は、不動産会社の担当者がお客さまの見たい知りたい物件のシーンを360°カメラで撮影しています。

VR内見と実際の内見の違い

VR内見と実際の内見とではどのような違いがあるのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを取り上げます。
そしてVR内見と実際の内見の上手な活用法もお教えします。

VR内見のメリットとデメリット

メリット

〇物件を見に行かなくても良い
〇全国どこでも海外からでも多数の物件を内見できる
〇建築途中、リフォーム中の物件も仮想体験できる
〇不動産会社の店舗で内見ができる
〇自宅で好きな時間に内見が可能
〇入居中の物件も遠慮なく内見できる

デメリット

〇ある程度までは内見できるがまだ100%ではない
〇VR内見で気分が悪くなる、VR酔いする場合がある
〇物件の内部はわかるが、外観、現地や周辺環境まではわからない

実際の内見のメリットとデメリット

メリット

〇自身の眼でチェックするので物件の良し悪しが明確になる
〇内部だけではなく、建物全体と周辺環境までわかる
〇納得がいくまで設備や内装などすみずみまでチェックできる
〇安心して入居できる

デメリット

〇物件を見に行くのに時間がかかる
〇複数の内見は煩わしい
〇入居中の物件は内見できない
〇不動産会社と内見のスケジュール調整が面倒

これからはVR内見と実際の内見の併用でバッチリ!

複数の物件をVR内見して気に入ったものを選ぶ

今後VR技術が進化すれば、VR内見のみで物件を決めることも可能になるかもしれません。
現状では、物件の第一次候補の選定にVR内見を使います。
また、前もってある程度の物件をVR内見してから気に入ったものを選びます。
これにより、時間と手間を省くことが可能です。
不動産会社の営業マンとやりとりをして補足情報を入手しましょう。

実際の内見で最終的に物件を決める

最終的に数案を選んで実際の内見に行きます。
VR動画ではわからなかった佇まい、広さなどがつかめます。
最寄り駅からの通勤時間なども自身で確かめられます。
VR内見で物件のニュアンスを認識しているので、実際に内見したが結局無駄足になったというロスも限りなくゼロに近づきます。

まとめ

さまざまな分野でVRが活用されています。
映画、アニメーション、ゲームなどのエンターテインメント業界のみならず、ビジネス分野でも使われています。
急速に普及するVR内見に代表されるように、不動産・住宅業界はVRとの親和性がきわめて高いようです。
仮想空間で原寸の住まいを体験することができるVR内見を、お客さまのためにいっそう積極的に導入していくものと思われます。
VR住宅展示場もちらほらお目見えしていますが、本格的なVR住宅展示場の登場もまもなくだと期待されています。

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