定期借地権に関わる借地借家法とは

定期借地権に関しては、借地借家法という法律で地主の権利や借主の権利について定められています。
今回は、旧借地法との違いを交え、借地借家法で規定されている借地権についてご紹介します。

借地借家法成立の背景と旧借地法との違い

地主と賃借人が締結する賃貸借契約は、私人間の契約であるので民法の規定が適用されます。
民法は、私人間の契約や取引について規定する法律で地主も賃借人も基本的に平等です。

しかし、地主の立場が賃借人に対して強く、平等に扱うと賃借人が不利益を被るおそれが強かったことから旧借地法が制定されました。

旧借地法では、民法の規定を補う形で賃借人の権利を守る内容の規定が中心になっています。
しかし、時代の流れとともに今度は賃借人の権利が強すぎて不都合が生じるようになったことをきっかけに制定されたのが借地借家法です。

旧借地法では、更新が原則とされている内容であるため、賃借人に契約を解除する意思がなければ自動的に更新されます。
そのため、地主はいつまで経っても土地を取り戻すことができない仕組みでした。

借地借家法で定める定期借地権の場合、更新を原則としていません。
借地期間が満了したら、地主は賃借人に対して土地を更地にして明け渡すように要求できます。

借地借家法規定の借地権の種類

借地借家法に規定されている借地権は、普通借地権と4種類の定期借地権があります。
普通借地権は更新して半永久的に借り続けることを想定している権利です。
存続期間は30年で1回目の更新で20年、2回目以降は10年ずつ延長されます。

定期借地権は一般定期借地権と事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権の4種類があります。
一般定期借地権は、主に住宅を所有する目的で土地を借りる場合に用います。
存続期間は50年以上の期間を契約で取り決めるので更新はありません。
期間満了後は更地にして返還する必要があります。
事業用定期借地権は、店舗などを所有する目的で土地を借りる場合に用いる権利です。
存続期間は10年以上50年未満の期間を契約で定めます。
更新はなく、存続期間満了後は更地にして返還しなければなりません。
建物譲渡特約付借地権は、存続期間満了後に地主が建物を買い取ることを前提とした借地権です。
存続期間は30年以上の期間を契約で決めます。

一時使用目的の借地権は、仮設事務所やプレハブの建物を建てて、短期間だけ使用する目的で用います。

まとめ

旧借地法では、半永久的に土地を借りられましたが、借地借家法では長期間借りられるものの、いずれ返還することを想定しています。

借地借家法では、明け渡しに関する規定も盛り込まれているため、賃借人の権利だけでなく地主の権利も守られる内容に改正されました。

地主の方も賃借人も、借地借家法について理解しておくことでトラブルを防げます。
そのため、存続期間や満了後の扱いについてよく理解しておきましょう。

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