【梅雨入り前に湿気対策!】劣化しやすい箇所ごとの湿気から家を守る方法とは

梅雨の時期には室内に湿気が溜まりやすく、その影響で住宅の一部が劣化してしまうこともあります。
修理が必要になるほか、設備によっては湿気により寿命が短くなってしまったりすることも多いです。
長く快適に住むには梅雨入り前から対策を講じておかなければなりません。
では、どの箇所が梅雨による湿気の影響を受けやすいのか、どのような方法で家を守ればいいのかを詳しく解説していきます。

梅雨の時期に家に湿気が溜まる理由と体への害

梅雨の時期になると、家に湿気が溜まりやすくなります。
湿気の溜まるメカニズムや、家に湿気が溜まった際の健康への影響などについても説明します。

日光が入らない環境になっている

室内に湿気が溜まっていても日光が当たると、湿気が取り除かれます。
そのため、普段の時期であれば一時的に湿気が溜まってじめじめすることはあっても、長期間にわたって続くことはあまりありません。
雨天時には湿度が高くなりがちですが、翌日に晴れれば窓から差し込む日光の影響で、室内の余分な湿気の多くはなくなるでしょう。
しかし、梅雨の時期になると何日も連続で雨が降り、その間はずっと日光が室内に入ってきません。
溜まった湿気は取り除かれることなく、ずっと室内に留まってしまいます。

風通しが悪い

窓を開けて換気をすると、室内の空気が外に出ていき、外の空気が室内に入ってきます。
そのため、室内に湿気が溜まっていても、ある程度は解消できますが、窓を開けても風通しが悪いと空気が循環しません。

そのため、湿気がなかなか外に出ていかずに室内に留まってしまうことが多いです。
雨だけ降っていて風が吹いていないことの多い梅雨の時期の場合、このような状況に陥りやすいです。

カビが生えてしまうことで健康にも害がある

湿気の多い場所はカビが生えやすい環境です。
特に、布でできたものや木製のものは湿気を良く吸うため、湿気の多い環境に長期間にわたって置かれるとカビが生えてしまうことが多いです。

また、ぬいぐるみを部屋に置いている場合は注意しましょう。
ぬいぐるみを置いている壁の内側などにカビが生えてしまうケースもあるためです。
湿気が多い環境だとカビはどんどん増えていくため、カビが生えている場合には早めに取り除かなければなりません。

また、カビをそのまま放置していると、健康にも悪影響を与えてしまいます。
カビは害のある胞子を放っており、壁の内側などにカビが生えている場合は気が付かないうちにカビの胞子を吸っていることになります。

その影響でアレルギー症状を誘発して酷い場合には喘息や肺炎に繋がる可能性もあるので要注意です。

【湿気によって劣化する箇所と対策①】床

フローリングと湿気の関係

フローリングは木でできているため、湿気を良く吸います。
湿気を吸うと伸縮が起こるためきしんでしまうことも多いです。
少し湿気を吸ったくらいであれば乾くことで元に戻るため、大きな問題はありません。

しかし、過度に湿気を吸収するほか、湿気に晒された状態が長く続くことでフローリングが少しずつ腐食していきます。
フローリングが浮くようになっていたり、柔らかくなっていたりする場合には要注意です。

特に、梅雨の時期には床に湿気が溜まりやすいため、小まめに換気をして、湿気が溜まらないようにしておきましょう。
空気の通り道を作ると、湿気が出ていきやすくなるのでフローリングを湿気から守れます。
湿気取りや木炭を置いたり、除湿機を使用したりするのも良い対策法です。

クッションフロア系素材と湿気の関係

クッションフロア系素材を使用している場合、湿気の影響で接着剤が剥がれてしまうこともあります。
そうなると浮き出てしまうだけでなく、ベタベタしてしまうこともあるでしょう。
踏むと沈み込むことが多いですが、酷くなると床が抜けてしまう可能性もあります。
浮き出ている状態が確認された場合には、放置せず早めに補修しておくのが望ましいです。

【湿気によって劣化する箇所と対策②】床下

床下が木材でできている住宅の場合には、梅雨の時期に湿気対策が必要です。
目立たない箇所ですが、カビやシロアリなどの被害が出る可能性があります。

床下に湿気が溜まることでカビが生えやすくなる

カビは湿気の多い場所を好むため、床下に湿気が溜まった状態が続くとカビが生えてしまうことがあります。
床下を目視で確認するのは難しいですが、室内にいて床や畳、押入れなどの下の方からカビの臭いがするときは注意が必要です。

カビが生えるほどの湿度の場合、床下に使用されている木材が水分をかなり吸い込んでいる可能性があります。
床下の木材が水分を含むことで強度が弱くなってしまい、木材が腐食してしまうこともあるのです。
腐食した木材は強度が大きく損なわれるため、家全体の耐久度にも影響を及ぼします。

シロアリの原因にもなる可能性

カビと同様に湿気の多い場所を好み住宅に被害を与える要因が「シロアリ」です。
シロアリは湿気を多く含んだ木材を餌にしているため、木材でできた床下は梅雨の時期にシロアリの被害を受けてしまうことがあります。
特に築年数の長い住宅の場合、被害を受けやすいため注意しましょう。

【湿気によって劣化する箇所と対策③】コンクリート

コンクリートは湿気の影響を受けないイメージを抱いている人もいるかもしれません。
しかし、コンクリートの内部に湿気や水分が入り込むケースがあります。
では、どのようにして湿気や水分がコンクリートに入り込むのか、どんな影響を与えるのか紹介します。

コンクリートに湿気が入り込むメカニズム

コンクリートは一見すると水分も空気も通さないように見えますが、コンクリートの内部には毛細管がいくつもあります。
毛細管はコンクリートの表面部分と繋がっているものも多いため、毛細管を通じて水分や空気などがコンクリートの内部へ入り込むのです。
梅雨の時期には湿気を多く含んだ空気が毛細管から入り込んでしまいます。
入り込んだ湿気はコンクリート内部に留まってしまうことも多いです。
大気中に含まれている物質なら、水蒸気以外にも毛細管を通じてコンクリート内部に入り込む可能性があります。

湿気がコンクリートに与えるダメージと劣化ポイント

コンクリートの内部に入り込んだ湿気は、温度変化により結露になることがあります。
結露になると液体化してしまうため、風通しが良い状態になっても、再び水蒸気にならない限り外には出ていきません。
液体の水のまま長時間コンクリートの内部に留まると、コンクリートから水酸化カルシウムが、溶け出してしまうことも多いです。

エフロという、水酸化カルシウムを含んだ水がコンクリートの表面に出てきてしまう現象があります。
エフロが起こるとコンクリート内部の水酸化カルシウムが減るため、コンクリートの強度も弱くなってしまいます。
また、コンクリート内部に鉄筋が入っている場合には、内部に水分が入り込むことで錆びてしまうこともあるでしょう。

簡単にできる住宅の湿気対策

家の中全ての扉を開ける

湿気が溜まらないようにするためには空気の循環を良くすることが大切です。
空気の循環が良くなれば、湿気が入ってきてもすぐに他の場所に出ていきます。
そのためには、家中の扉を全て開きましょう。
窓やドアはもちろんのこと、シンク下の扉なども開けると効果的です。

クローゼットに眠る衣類を乾かす

梅雨の時期には、外出時に着用した衣服に湿気が溜まっていることが多いです。
湿気を多く含む衣服をそのままクローゼットにしまうと、クローゼットの中に湿気が籠もってしまいます。
そのため、衣類などをクローゼットにしまう前に、一度風に当てて乾かすのが望ましいです。
現在クローゼットの中にしまっている衣服も一度乾かしてみるといいでしょう。

押入れなどの収納を開ける

押入れなどの収納スペースは、ものを出し入れする時以外は扉を閉めているでしょう。
そのため空気の循環が悪く、湿気が留まりやすいです。
押入れの戸を開け放ってみると、湿った空気が出ていきます。

除湿アイテムを活用する

除湿アイテムを積極的に活用しましょう。
例えば炭は狭い空間での使用に向いている除湿アイテムです。
炭の表面には非常に小さな穴が無数に空いており、その穴が湿気を吸い取ります。
嫌な臭いなども除去できるでしょう。
押入れやクローゼット、トイレなどに最適です。
リビングや寝室などではエアコンの除湿機能も上手に活用しましょう。
下駄箱など狭い場所には除湿シートや防カビ剤がおすすめです。
また、部屋全体の湿気を取りたい場合には除湿機も効果的です。

湿気を溜めないようにリフォームすることもひとつの手

湿気による影響で既に家が劣化している場合、リフォームを検討してみるのも一つの手段です。
湿気が溜まりにくい住宅にリフォームすれば、快適に住めるでしょう。

床下の湿気対策リフォーム

床下の湿気対策リフォームは湿気防止シートの設置や床下換気扇の設置、床下調湿剤の設置などが挙げられます。
湿気防止シートは床下全体に対して湿気を防ぐ効果があり、湿気対策を行う上で有用です。

床下換気扇は床下の空気と外気を循環させます。
自然の風が当たりにくい部分でも、湿気が溜まりにくくなるでしょう。
床下調湿剤は主に木炭やゼオライトなどです。
湿度が高くなると、湿気を吸い込んでちょうどいい湿度に保てます。
周りの空気が乾燥すれば湿気を放出するため、半永久的に使用できることが大きなメリットです。

窓の湿気対策リフォーム

窓枠周辺は冬になると結露で濡れることが多いです。
その影響でカビが生えてしまっている家も少なくありません。
窓枠周辺が既にカビだらけで黒くなっているのであれば、リフォームをして綺麗な状態にするのが望ましいでしょう。
二重窓にリフォームすれば、冬場の結露も大部分防止できます。

浴室の湿気対策リフォーム

浴室は天井部分にカビが生えやすいです。
天井は床や壁と違って掃除しにくいため、カビが長期間にわたって放置してしまうこともあるでしょう。
そうすると、カビの胞子浴室全体にばらまかれます。

これを避けるため、浴室の天井はパネルやフィルムなどに張替えてリフォームするのがおすすめです。
パネルやフィルムはカビが生えにくく、凹凸もないため掃除もしやすくなるでしょう。
張替えではなく上張りする方法もあります。
予算に余裕があれば壁や床も一緒にリフォームするとさらに効果的です。

壁の湿気対策リフォーム

壁も湿気が多い状態に長期間置かれるとカビ臭くなってしまうことがあります。
カビの臭いが取れないほか、見た目で分かるくらいカビが生えている場合には、壁のリフォームを検討してみましょう。
カビ対策としては、エコカラットなどの多孔質の天然素材が効果的です。
湿度が高くなると湿気を吸い込み、常に快適な湿度を保てます。
ビニールクロスの上から塗るだけでリフォームできるので、あまり大掛かりにならずに済むこともおすすめです。

まとめ

湿気を長期間放置してしまうと、住宅が劣化しカビやシロアリなどが繁殖する原因になってしまいます。
住宅自体の強度も損なわれて、最悪の場合には倒壊してしまうこともあるため、軽視できません。
さらにカビが繁殖している家で生活していると、アレルギーなどを引き起こしてしまうこともあり、健康にも悪影響を及ぼします。
住宅の劣化を防ぐためにも健康のためにも、湿気対策を十分に行った上で梅雨を迎えましょう。

不動産投資をお考えの方へー

手間のかからない不動産投資。いま、人気です。