地盤の強さ
建物の躯体構造をいくら強くしても、地盤が弱くては安全な住まいにはなりません。砕石パイル工法は地震における地盤の液状化を防ぎ、丈夫な地盤を実現します。実際に東日本大震災に於いてもその強さが証明され、高い評価を得ました。
砕石パイル工法
水はけの良い砕石を地盤に埋めて、
液状化や揺れから家を守る技術
水はけのよい砕石を地面に空けた縦穴に詰めてパイルを形成する「砕石パイル工法」は、大地震による被害で最も多い地盤の液状化に威力を発揮します。パイル形成時の加圧作業により軟弱な土壌もしっかりと踏み固められ、何十本もの摩擦抵抗の高い丈夫な砕石柱が建物の基礎を支えます。さらに新開発の「ピストンバルブ」装置搭載により、今までの砕石杭工事より必要な機材を大幅に削減。工事全体の省エネルギー化を実現しました。また自然石の砕石パイルは再建築の際にも撤去不要で、将来的に環境汚染問題を起こしません。改良された土地は現状のまま100%リサイクルが可能。地震の揺れに強い安全な地盤は半永久的に保たれます。
現場作業風景
当社では、2000年当初から地盤補強の際に「砕石パイル工法」の前身である砕石・水・空気といった自然素材のみを使う「安心造工法」を採用していました。
地盤改良工法の種類と特徴
地盤改良とは家を建てる前に地盤調査を行い、建物が不等沈下しないよう地盤を強化する工事のことです。表層改良工法はセメント系固化材と現地の土を混合し版状の個結体を造る工法です。軟弱層が浅い場合に適しています。鋼管杭工法は軟弱層が深い場合、支持地盤まで一般構造用炭素鋼鋼管を打ち込み建物の荷重を支える支持杭工法です。柱状改良工法は軟弱地盤に柱状の改良体(現場作成セメント杭・砂杭・砕石杭等)を均等に埋め込み、その摩擦で支持力を得る工法です。 「砕石パイル工法」は柱状改良工法の最新技術で、東新住建は積極的に採用しています。
ドレーン効果
液状化を防止するドレーン効果(排水効果)
砕石パイルはそれ自体が水を通すため、水圧を逃がす効果(ドレーン効果)があります。何十本ものパイルの排水効果は絶大で、さらに砕石パイルを造る段階で、その周辺地盤も強く締め固められ液状化の起りにくい状態になっています。
液状化
地震時の液状化と地盤沈下
地盤の一部が地震の揺れを受けて液体のようになる現象を液状化といいます。通常、地盤の土は土粒子が繋がることで支持力を発揮しています。土粒子間には隙間があり、地下水位より深い場所では隙間は水で満たされています。地震が発生すると地盤が変形し土粒子の隙間が狭くなり水圧が高まることで、繋がっていた土粒子が外れ水に浮いたような状態になります。水は地盤の弱い部分を通って地表に噴出。水が排出された分だけ土粒子の隙間が小さくなり地盤が沈下します。
液状化発生メカニズム(略図)
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地震前
砂などの緩く積もった地盤で、砂の粒子がお互いにくっついて骨格を作り、その間に水がある状態。骨格の強度は弱く崩れやすい。 -
地震時(液状化発生)
地震の揺れで、砂の粒子は下層では密になり、上層では液体状になり、家が傾き始める。地表では噴砂が起こることもあります。 -
地震後
噴砂等により、地盤の体積が収縮し、砂粒子が沈下することで、上部の建物が傾いたり、沈んだり(不同沈下)します。
荷重伝達のメカニズム
砕石パイル工法と支持杭工法
高層マンション等の支持杭は杭直下に荷重を受ける為支持層が必要になります。
当工法をわかりやすくご説明しますと、本来の地盤自体もある程度の強さはあります。その地盤の強さに建物の荷重を負担させつつ足りない強さを砕石パイルで補って複合的に支持させる工法です。砕石パイルは支持杭ではありませんので、建物荷重は砕石パイル周囲に分散されパイル下端部に集中しないので支持層に到達していなくても建物を支持できます。
下に行くにつれて荷重が分散して小さくなるため、砕石パイルが堅固な支持層に到達していなくても建物を支持出来ます。
建物荷重がほぼそのまま杭先端に伝達されるため、杭の先端が支持層に到達する必要があります。