【維持費チェック】戸建て住宅にかかる維持費とその種類

家を建てても維持費もかかる

戸建て住宅の建設には費用や手間もかかる一方で、マンションなどとは違ってプライバシーも保ちやすく、デザインや間取り、庭などの自由度も高いのが魅力的なポイントです。

しかし「マンションに住むより自分の家を持った方が経済的でいいのでは?」と思っている方、実は戸建て住宅にはそれなりに「費用」もかかることを忘れてはいけません。
では戸建て住宅だとどのような費用が発生するのでしょうか?

主要な維持費の種類

建築費

建設費についてですが、建設費は一括払いではなくローンにする方も多いので、これからも長く出費が必要な部分です。
新居での生活が始まってからも、いわば家賃感覚でお金を払っていく必要がある方も多いと思います。

税金

戸建て住宅で必要になるのは税金です。税金はそれぞれの自治体などによって毎年払わなければいけません。
税金には土地にかけられるもの、建物にかけられるものなどに分かれます。

修繕費

修繕費も忘れてはいけません。戸建て住宅を建てる時にはすでにその家がいつか劣化することを見越しておく必要があります。
例えば素材を選ぶ際にも、劣化しやすい素材を選ばないようにしたり、修繕がいつか必要になった際にも対応できる範囲の建築を心がけたりという対策ができます。

保険

火災保険や地震保険への加入も必要です。戸建て住宅には火災や地震の損害などのトラブルもつきものです。
もしそうなったときに、自分たちの蓄えだけではどうしても損失を補えない場合があります。
火災保険や地震保険は自分たちの住宅や家財などを守るためにも加入をおすすめしますが、それだけではなく他人に迷惑をかけたときなどにも対応できるように準備をしておくことが大切です。

光熱費

光熱費は生活していく上で大切になる電気やガス、水道などのライフラインにはお金がかかります。
戸建て住宅の場合にはさらにその費用が大きくなる場合があるので注意が必要です。

このように戸建て住宅には様々な維持費がかかります。次からはその細かい内容について見ていきましょう。

税金の種類

戸建て住宅を持っている世帯が払わなくてはいけない税金には2種類あります。

固定資産税

固定資産税は、市町村ごとにある固定資産台帳に記入されている固定資産ごとに課税される制度です。
土地だけではなく、建物などの償却資産を持っている方が納税の対象者となります。

固定資産税は土地や建物ごとの大きさや価値によって税額が決まるので、一定ではありません。
固定資産税額の目安となるのは、課税標準額×1.4%です。しかし対象となる固定資産が土地か建築かによって、計算方法が変わります。

例えば土地の場合、住宅用地では200平方メートルまでは6分の1、それ以上では家屋の床面積の10倍の面積までは3分の1に減額される措置もあります。
また建築の場合には、新築住宅の3年度分、認定長期優良住宅の5年度分の減額措置が行われることがあります。

しかしこれらの固定資産税の計算方法や減額制度などは、自治体の財政状況や税額規定などによっても異なります。
詳しくは自治体に問い合わせてみるのが一番いいでしょう。

都市計画税

都市計画税も固定資産税と同様に、市町村ごとにある固定資産台帳に載っている固定資産が対象となります。
土地と建物に課せられますが、対象となる地域は都市計画法で決められた市街地域です。

都市計画税は、都市開発のために行う計画事業や土地の区画管理事業のために徴収される税金です。
ご自分が住んでいる街がよりよくなるために使われる税金と言えます。

計算方法は固定資産税よりもシンプルで、だいたい課税標準額×0.3%が最高税率と決められています。
しかし土地の場合、住宅用地では200平方メートルまで6分の1、そしてそれ以上は家屋の床面積の10倍の面積までであれば3分の2に減額される措置もあります。
都市計画税の場合には、土地と建物以外の償却資産には課税されないのがポイントです。

固定資産税や都市計画税の総額は、固定資産や自治体によって税額が変化します。
一般的に平均として言われるのは大体1年間に10〜15万円です。

関連記事

修繕費は一年にどのくらいかかる?


戸建て住宅の維持費で欠かせないのは修繕費です。
家は毎日使うものですし、どんなに丈夫に作られていたとしてもどうしても劣化してしまいます。

緊急性のないものから、水漏れや配管の不具合など緊急性が高いものまでありますが、どのような場合であれ定期的にメンテナンスして大きな問題が起こる前に未然に防ぐことができたら良いでしょう。

修繕が必要な箇所と相場

まずは外側でいうと、屋根や壁の塗替えや柱の腐食、また庭がある住宅では木の植替えなども費用として見ておく必要があるでしょう。
内側でいうと壁紙や床の張替え、配管などの整備、キッチンやバス・トイレなどの水回りの不具合などが挙げられます。

これらの修繕費用は種類によっても異なりますが、例えば屋根塗装は1回50万円ほど、外壁塗装1回100万円ほど、配管の交換で20万円ほどなど、決して軽い出費だけではないことは心得ておく必要があります。
よって大体の目安としては、緊急性のない修繕費用として10年ごとに100〜200万円は見ておいた方がいいということになります。

修繕費用に対する準備方法

緊急性がある場合、すぐにでも修繕費用が必要になることもあります。
そういうときのために戸建て住宅を持ったら毎月1万円ずつでも、いつか必要になったときの修繕費用として積み立てておく方法があります。
もしくは毎月の積み立てが難しい場合、ボーナスごとに家のメンテナンスを行って、大きな修繕が必要なくなるように予防を徹底するという方法もあります。

どちらにせよ、しっかりとした戸建て住宅を建ててもいつかは劣化してしまうことは避けられません。
その場合、余裕を持ってトラブルに対応するために蓄えが必要となるのです。
そしてその修繕費用は決して安いわけではないので、ぜひ毎月の備えなどで準備をしておきましょう。

保険の相場

戸建て住宅に何か重大なことがおこった時に、なかなか自分たちの蓄えだけでは対処しきれないこともあります。
そのために必要なのは保険です。戸建て住宅を持っている方は、保険に入っておくことをおすすめします。

保険会社によっても様々な保険の種類がありますが、主なものとして「火災保険」、「家財保険」、「地震保険」などがあります。
これらの戸建て住宅の保険金はマンションやアパートの保険金よりも高く設定されていることが多いようです。
年間で2〜3万円は見ておいた方がいいでしょう。

関連記事

火災保険

まず火災保険は、火災や落雷、風災、雪災などで建物や家財に損害が起こったときに損害保険金を払ってもらえるという保険です。
火災はどんなに注意していても避けられないことがありますよね。
例えばちょっとしたタバコの消し忘れだったり、コンロの火が付けっぱなしだったり、また放火される可能性もないとは言えないのです。
そのような予見できない火災にも備えられるというのが火災保険です。

家財保険

火災保険では、保険の対象が「建物」「家財」の2種類に大きく分けられます。
家財保険は、火災などが発生して家財がダメージを受けたときに、損害額に応じて家財を買い換える損害保険金を出してくれる保険です。
建物に対して保険をかけていても家財に火災保険をかけていないと、家財が損害を受けたとき買い換えるのに結構費用がかかります。
そのような急な出費がある場合に備えて保険をかけておく必要があるのです。

地震保険

地震保険は、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災や損壊などの損害に対して損害保険金を払ってもらえる保険です。
日本は地震が多い国で、今後も大きな地震の可能性が指摘されています。そのような状況の中、急激に加入者を増やし続けているのが地震保険なのです。
戸建て住宅は一般的にマンションなどよりも損害が大きくなりやすく、地震による倒壊や津波の被害、また地震による火災の発生など様々な損害を受けやすくなります。
そのため火災保険とセットで地震保険に加入しておいて、予期しない地震に備えることが大切です。

光熱費

戸建て住宅にかかる光熱費には、電気代やガス代、水道代などが含まれます。戸建て住宅にかかる光熱費は、マンションやアパートでかかる光熱費に比べても1.5倍ほど大きくなりやすいことが分かっています。
また、光熱費は住宅の形態や取り入れているエコシステム、築年数などによっても変わってきます。

電気代

電気代は一番高くなりやすく、最近は主要な電力会社の値上げがあってからさらに苦しく感じている方も多いかもしれません。
総務省統計局が2015年に発表したデータによると、3人世帯で電気代12,000円弱が平均のようでした。

しかし、それと同時に電力自由化も進み、新たな電力供給会社が低価格のサービスを開始しはじめたことで料金体系にもバラエティが出てきました。
携帯電話の格安シムのように、電力も使う量や時間帯などによって様々なプランが誕生しているので、今後もより柔軟で最適化された料金体系を享受できるでしょう。

またオール電化などの住宅システムを導入している場合には、電気代が2倍くらいになりますが、その分「ガス代などの費用をなくすことができて経済的」だと謳っているサービスも存在します。

ガス代

ガス代は住宅に搭載しているシステムによっても使用量が変わりますが、床暖房などをガスで持っている方などは料金に注意が必要です。
特に冬場になるとガスの使用量が増えて光熱費が高くなることがあります。
ガス代の平均は、3人世帯の家でも6000円前後が相場でしょう。

水道代

水道代はそこまで急激に高くなることはありませんが、特に家が大きい場合や家族が多い場合には費用が上がりすぎないように注意が必要です。
水道代の平均を見てみると、大体3人世帯で2ヶ月2000円前後というところが多いようです。

まとめ

戸建て住宅を建てる際には、最初の建設費用だけで出費が終わるというわけではありません。実際に建てて住み始めてからが、様々な費用がかかるスタートなのです。
しかし、いずれの出費も今後安心して生活していく上で必要な費用となります。最初の段階で計画を立てたり、毎月の積立をしたりして、今後の出費に備えておきましょう。

関連記事

不動産投資をお考えの方へー

手間のかからない不動産投資。いま、人気です。