【区分所有マンションvs戸建て】どちらが「資産」になる?2026年名古屋の相場から考える

マイホームを検討する際、価格や間取りとあわせて「将来的に資産として残るかどうか」を気にかける方も多いのではないでしょうか。
なかでも悩みやすいのが、分譲マンションと戸建て、どちらを選ぶべきかという点です。
両者は所有の仕組みそのものが異なり、資産性の考え方も同じではありません。

この記事では、2026年の名古屋圏における地価や不動産価格指数といった公的データをもとに、マンションと戸建てそれぞれの資産性を左右する要因を整理します。
価格やデザインだけでなく、購入後の「資産としての持ちやすさ」まで見据えて住まい選びを進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

「資産になる」とは?権利構造と2026年の名古屋圏における相場

戸建てとマンションで異なる「所有」の仕組み

戸建てとマンションでは、購入者が実際に何を所有しているかが異なります。
戸建てを購入した場合、購入者は建物と土地の両方を所有することになり、将来的に老朽化などで建物を取り壊したとしても、土地という資産はそのまま残ります。

一方、マンションを購入した場合、購入者が所有するのは「区分所有権」と呼ばれる建物内の一室(専有部分)に対する権利です。
土地部分については区分所有者全員で共有する形となり、各戸の所有者はその共有持ち分(敷地利用権)を保有する仕組みです。
このように、戸建てが「建物+土地」を丸ごと所有するのに対し、マンションは「建物の一部+土地の共有持ち分」を所有するという違いがあり、この差が資産性を考えるうえで重要な意味を持ちます。

たとえば、建物は経年とともに価値が下がりやすい一方、土地は立地条件が良ければ価値が維持されやすいという特徴があります。
戸建ての場合は土地を単独で所有しているため、建物の価値が下がっても土地の価値がそのまま資産として残る仕組みです。

一方、マンションの場合は土地の価値が「持ち分」という形でしか反映されないため、建物(専有部分)の価値がどう推移するかが、資産性によりダイレクトに影響します。
この構造の違いを踏まえたうえで、2026年の名古屋圏における実際の価格動向をみていきましょう。

2026年|名古屋圏の地価と不動産価格指数からみる現状

2026年の名古屋エリアにおける相場を、公的データから確認します。
まず土地の価格動向を示す指標として、国土交通省が毎年公表する「地価公示」があります。

令和8年地価公示によると、名古屋圏の住宅地は5年連続で上昇したものの、上昇幅は前年より縮小しました。
愛知県内の住宅地の平均変動率は+1.8%(前年+2.3%)、名古屋市の住宅地平均は+3.1%(前年+3.6%)となっています。

次に、戸建てとマンションそれぞれの価格の動きを示す「不動産価格指数」を確認します。
この指数は、2010年の平均取引価格を100として、その後の価格水準を数値化したものです。
国土交通省が公表した令和7年7月分(季節調整値)によると、名古屋圏の指数は以下の通りです。

名古屋圏愛知県
住宅地111.0113.8
戸建住宅112.1114.9
マンション(区分所有)188.7195.8
出典:国土交通省「不動産価格指数(令和7年7月・令和7年第2四半期分)」

この数値から分かるのは、戸建住宅の指数が2010年比で1割前後の上昇にとどまっているのに対し、マンションの指数はおよそ9割前後も上昇しているという点です。
同じ「名古屋エリアの住宅」であっても、種別によって価格の伸び方には大きな差が生じています。
この差がどこから生まれるのか、次章以降でマンションと戸建てそれぞれの資産性を左右する要因をみていきます。

国土交通省「令和8年地価公示の概要

マンションの資産性を左右する「管理」というリスク

修繕積立金にみるマンション管理の現状

マンションは区分所有者全員で建物を維持管理していく仕組みであり、この管理の実態が、資産性に大きく影響を与えるポイントのひとつです。
国土交通省が令和6年6月に公表した「令和5年度マンション総合調査」によると、長期修繕計画で定めた積立額に対し、実際の積立額が不足していると回答した管理組合は36.6%にのぼりました。
1戸当たりの修繕積立金は月額平均13,054円で、前回調査より増加しているものの、必要な水準に追いついていない管理組合が一定数存在することが分かります。

修繕積立金が不足すると、外壁や屋根防水、給排水管といった大規模修繕を計画通りに実施できなくなるおそれがあります。
結果として修繕が先送りされたり、一時金という形で追加負担を求められたりするケースも想定されるでしょう。
そのため区分マンションの購入を検討する際は、価格や間取りだけでなく、修繕積立金の設定状況や積立実績も確認することが大切です。

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状

建物の高経年化と2026年施行の改正区分所有法

マンションの資産性を考えるうえでは、建物の高経年化と、居住者の高齢化を分けて捉える必要があります。
建物の高経年化は、外壁や給排水管といった構造・設備の劣化として現れます。
また居住者の高齢化は、区分所有者の年齢層が上がることであり、建物の劣化そのものとは別の問題です。

ただし実際のマンションでは、この2つが同時に進みやすいという特徴があります。
国土交通省の同調査によると、世帯主が70歳以上の割合は全体で25.9%となっており、前回の調査から3.7ポイント増加しました。
また昭和59年(1984年)以前に完成したマンションでは、この割合が55.9%に達しており、築年数が古いマンションほど居住者の高齢化も進んでいることが分かります。

居住者の高齢化が進むと、管理組合の役員を担う人が不足しやすくなり、結果として大規模修繕や建替えの是非を話し合う場そのものが機能しにくくなります。
「建物が古くなる」ことと「決められなくなる」ことが同時に進む点が、老朽化マンションの資産性を考えるうえで最大の論点です。

なおこうした課題を受け、令和7年に区分所有法等の改正法が成立し、2026年4月1日から施行されました。
所在不明の区分所有者を決議の母数から除外できる仕組みなど、老朽化・危険性のあるマンションの再生を進めやすくする制度が整備されています。

とはいえ、中古の区分マンションを検討する際は、築年数と合わせて管理組合の運営状況や大規模修繕・建替えの検討状況まで確認しておくことが大切です。
管理組合が定期的に総会を開き、修繕計画の見直しを行っているかどうかは、資産性を左右する材料のひとつになるでしょう。

出典:法務省「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について

戸建ての資産性を左右する「建物」と「土地」の分かれ方

戸建ての資産性を考えるうえでは、建物と土地それぞれの価値の動き方を分けて捉える必要があります。

建物の価値は経年で下がっていく

建物は、新築時をピークとして時間の経過とともに評価額が下がっていく資産です。
この考え方の目安のひとつに、国税庁が定める減価償却資産の耐用年数があります。
耐用年数とは、税務上の計算に用いる建物の使用可能期間の目安であり、たとえば木造住宅は22年、鉄筋コンクリート造は47年と定められています。

なおこれはあくまで税務上の基準であり、実際に住み続けられる年数とは異なる点に注意が必要です。
適切にメンテナンスを行うことで、耐用年数を超えて住み続けられる戸建ても数多く存在します。

とはいえ、中古市場での取引価格を考えるうえでは、建物部分の評価が経年とともに下がっていく傾向そのものは避けられません。
築年数が経つほど、戸建ての資産性における建物の割合は小さくなり、土地の価値が占める割合が相対的に大きくなっていきます。

土地の資産性はエリアの地価動向で決まる

建物は経年によって価値が下がる一方、土地は使用によってすり減るものではなく、立地条件次第で価値が維持されやすい資産です。
2026年の名古屋圏においては、住宅地の地価が5年連続で上昇しています。
名古屋市の住宅地平均は前年比+3.1%となっており、上昇幅は前年の+3.6%よりやや縮小したものの、上昇基調そのものは続いています。

ただし、この上昇は名古屋圏全体で一律に起きているわけではありません。
同じ地価公示のデータでも、駅近や再開発が進むエリアでは上昇率が10%を超える地点があり、また一方で下落した地点も一部に存在します。

つまり戸建ての資産性は、建物の経年劣化という共通の要因に加え、どのエリアの土地を選ぶかによって大きく左右されるということです。
購入を検討する際は、現在の価格だけでなく、そのエリアの地価が中長期的にどう推移してきたかも確認しておくことで、資産性をより正確に見極められるでしょう。

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表

結局どちらが「資産」になりやすいのか

ここまで、マンションは「管理」、戸建ては「建物と土地の分かれ方」が資産性を左右するという整理をしてきました。
マンションは修繕積立金や管理組合の運営状況といった「管理」の巧拙によって、同じ築年数でも資産性に差が生まれます。
戸建ては建物こそ経年で価値が下がっていくものの、土地を単独で所有しているため、立地条件が良ければ土地の価値がその下落を下支えします。

つまりマンションと戸建てでは、資産性が崩れやすいポイントそのものが異なるということです。
そのうえで、種別を問わず共通して資産性を左右する要因を整理すると、次の3点にまとめられます。

立地

マンション・戸建てのどちらであっても、地価が維持されやすいエリアかどうかが、長期的な資産性の土台になります。

駅からの距離や生活利便性だけでなく、人口動態が安定しているかどうかも、将来にわたって需要が続くかを見極める材料になるでしょう。

管理のしやすさ

マンションであれば修繕積立金の設定状況や管理組合の運営実績、戸建てであれば外壁・屋根・設備といった修繕をどれだけ計画的に行えるかが、建物の劣化スピードに影響します。

管理が行き届いた物件は、同じ築年数でも見た目や機能面での劣化が抑えられ、売却時の評価にも差が出やすくなります。

将来の出口

売却のしやすさや、次の所有者にとっての魅力(駅からの距離、間取りの汎用性、周辺の生活環境など)も、資産性を測るうえで欠かせない視点です。
購入時点では気づきにくいものの、将来の売却や賃貸に出す可能性も踏まえて物件を選ぶことで、資産性の見通しはより立てやすくなります。
種別で判断するのではなく、この3つの軸で個別の物件を見比べる視点が、資産性を見極めるうえで実践的だといえるでしょう。

区分所有マンションvs戸建てに関するよくある質問

Qマンションと戸建てはどちらの方が資産価値が下がりにくいですか?

一概にどちらが有利とは言えません。
マンションは管理組合の運営状況や修繕積立金の充足度によって、戸建ては立地や土地の価値によって資産性が左右されるため、そもそもの要因が異なります。
また同じ種別のなかでも、個別の物件によって資産性には差が生まれます。

Q中古マンションを購入する際、修繕積立金以外に確認すべき点はありますか?

管理組合が定期的に総会を開き、長期修繕計画の見直しを行っているかどうかも確認したいポイントです。
あわせて、居住者の年齢構成や空室の有無、大規模修繕や建替えの検討状況についても、可能な範囲で確認しておくと安心です。

Q戸建ての土地が将来値下がりすることはないのですか?

土地であっても、値下がりする可能性はあります。
2026年の名古屋圏でも、駅近や再開発エリアで地価が大きく上昇する一方、一部の地点では下落もみられます。

土地だからといって一律に価値が維持されるわけではなく、エリアごとの地価動向を確認することが欠かせません。

まとめ

  • マンションは「区分所有権+敷地利用権」、戸建ては「土地+建物の所有権」という権利構造の違いが、資産性の考え方の出発点になる
  • マンションの資産性は管理組合の運営状況や修繕積立金の充足度に、戸建ての資産性は土地の立地・地価動向に、それぞれ大きく左右される
  • 種別で優劣を決めるのではなく、立地・管理・将来の出口という3つの軸で個別の物件を見比べる視点が大切

区分所有マンション・戸建ての資産性は、「購入後にどう向き合うか」によって差が生まれます。
価格や間取りだけでなく、管理や立地といった長期的な視点も踏まえて、ご自身に合った選択肢を検討してみてください。

また戸建てという選択肢を具体的に検討する際は、エリアごとの相場や予算に応じた選び方も判断材料になります。
資産性を見据えた住まい選びでお悩みの方は、ぜひ東新住建までお気軽にご相談ください。

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