不動産投資を進めていく中で購入候補物件が出てきた際、地元業者へのヒアリングは実施すべきです。なぜなら、購入する判断として有力な情報を教えてくれることも少なくないためです。今回は地元業者のヒアリングのポイントを解説していきます。
地元業者様へのヒアリングとは?
物件を買う前、その土地のことについて、地元の不動産屋さんに話を聞くことです。
・レントロールの想定家賃が高いことが分かった
・学区の評判がそれほど良くなく、子持ち世帯からは敬遠されている地域だった
・周辺には単身用の空室が溢れていた
これらのことが後でから発覚すると、経済的にダメージを受けてしまいます。そのためにももっとも詳しいであろう地元の業者に相談をもちかけるのです。
物件を探しているフリをしてもいいのですが、「この近くの物件を買うので、賃貸需要が知りたい」と聞くと大抵は色々と教えてくれるので正直に言ったほうがいいです。将来的にその物件を買った場合、管理や客付けをお願いすることになるかもしれません。大切な関係になるので、多少イライラする事があっても丁寧に接しましょう。資料などは不要ですが、名刺はだしたほうがベターです。
地元業者側としても将来大家になる可能性がある人に対して、むげな態度をとることは稀です。上手くやれば管理契約をとれるためです。遠慮することなく質問をすることが重要です。
地元業者には2種類ある
賃貸の集客が強い会社(主に客付け)
その周辺で物件を借りたいと思っているお客様を、実際に物件にご案内して仲介手数料をもらっている会社です。手数料半額や無料をうたっていることもあります。全国チェーンのフランチャイズになっていることが多く、一般的に社員は若く、元気で、ネットには強い傾向にあります。
不動産の物件管理に強い会社(おもに元付け)
地元の地主から物件を預かって、管理をしている会社です。おもに入居後に入居者の対応(家賃の入金管理や物件の不具合)を仕事としています。基本的に高齢で愛想が悪いことが多いようです。賃貸の仲介ができないわけではないが、基本的に自社の管理物件しか紹介しません。ネットなどに疎いですが、地元事情には詳しいです。
元付けと契約すると契約までがスムーズだったり、仲介手数料分の値引きができたりするメリットがあります。一方、客付けと契約すると取引が公正に行われやすくなります。
客付・元付についてはこちら→リンク
客付けと元付けのどちらの業者と契約することになっても悪くはありません。どちらも強みがありますので、両方と上手につきあいたいものです。
電話がいいか?現地がいいか?
現地に直接出向き、ヒアリングをするほうがもちろん良いです。いろいろな情報が聞けます。世間話をたくさんするのがポイントです。相手の緊張がほぐれたときに思わぬ貴重な情報がでてくることもあります。
しかし、物件を購入する際、誰よりも早く買付を入れないと買えないことも多々あります。直接出向く時間がない場合は、電話である程度聞くことも可能です。電話で聞く際、ポイントを絞っておきましょう。どちらの場合でも、土日は避けたほうが良いです。案内するお客様が優先になるので。不動産会社の仕事の邪魔にならないよう配慮したいものです。
聞くべき内容
家賃相場
広さ別、築年別に家賃は異なりますので、検討している物件の競合物件について聞くべきです。敷金礼金などもそのエリアでの相場を確認します。
求められる設備
ウォシュレット、追い焚き、インターホン付きドアホンなど喜ばれるのか、それらはないと競合に負けてしまうのかなどチェックしましょう。
地域の特徴
学校、会社、工場などのそれぞれの立地や、どういう人が住んでいるか、どこで働いている人が多いのか、日当たり、坂道などで気にするほど影響がエリアなのかどうかも確認です。エリアによっては道一本渡るだけで値段が大きく変わるとところもあります。
広告料
広告費の水準はどの程度必要なのかも忘れずに聞いておきます。
駐車場は必要かどうか
駐車場が必要なエリアであれば一戸当たり何台分のスペースを確保する必要があるかも確認です。
空室を埋めようと考えた場合、どれぐらいの設備や条件を揃えれば入居が決まるのかという点を中心にヒアリングを行うことになります。
・以前、家事が起きたことで大変な騒ぎになった
・低層階は湿気があり、カビだらけになりやすい
・前オーナー時代は満室状態だったが、現在は室内の老朽化が進んでいて募集してもこない
不動産会社にヒアリングをすると、物件情報を見ていた時には気づけなかった特徴を知ることができることもあります。
これらの要素を加味しながら購入するかどうかの判断をしていきます。
成功するためには必要
地元業者へのヒアリングは物件購入前に行う、大変重要なプロセスです。最初はお客さんではないのに大丈夫かな?怒られないかな?と思うかもしれませんが、大抵の場合、怒られるということはありません。逆に暇な時間帯なのに怒られたり、ひどい対応をされた場合「この地域には意地悪な不動産屋さんがいる」という情報を得ることができます。それはあなただけが持っている特別な情報になるかもしれません。
自分の足と目で稼いだ情報は必ずあなたに何かをもたらしてくれます。
勇気を出して、一歩踏み出してみてください。