第2章: 不動産投資の準備 2. クレジットスコアとローンの基礎知識

不動産投資には、自己資金だけではなく、金融機関からの借入れ(ローン)が必要になることが多いです。その際、クレジットスコアとローンの基礎知識は必須となります。

1. クレジットスコアについて

クレジットスコアは、個人の信用情報を数値化したもので、金融機関がローンの審査を行う際の重要な判断材料となります。支払い履歴、借入れ総額、クレジットヒストリーの長さ、新規クレジット、クレジットの種類などがスコアに影響を及ぼします。高いクレジットスコアを維持することで、より良い融資条件を得ることが可能となります。

一般的に下記のようなことが審査されます。

  • 年収
    過去3年分の源泉徴収票や確定申告書を提出
  • 資産額
    金融資産=現預金、株式など
    不動産=住宅
  • 負債額
    住宅ローン
    カードローン
  • 職業
    会社員=勤続年数が長いほど良い
    経営者=会社の決算書3年分も求められることが多い
  • 家族
    身内に資産家がいると有利

2. ローンの基礎知識

ローンは、金融機関から借りるお金のことで、不動産投資においては、物件購入資金を調達するために利用されます。ローンは、返済期間、金利、返済方法などの条件が定められています。

3. ローンの種類

不動産投資に利用できるローンには、住宅ローン、投資用不動産ローン、事業者ローン、不動産担保ローンなどがあります。それぞれのローンは、利用目的や借入れ可能額、金利などの条件が異なるため、自身の投資計画に最適なローンを選ぶことが重要です。

銀行はそれぞれの商品毎に審査方法を変更しています。住宅ローンは個人が自分で住むために使うことが前提となっており、投資用には使えません。投資用不動産ローン(いわゆるアパートローン)は不動産投資をする場合に最もよく使われるもので、不動産物件の収益性、資産性を重視して貸し出しが決められます。事業者ローン、不動産担保ローンは事業法人が借りることが前提となっているものです。優良な決算を出している法人をお持ちの場合は、これらのローンを活用することを検討できます。

4. ローンの申込みと審査

ローンを申し込む際には、金融機関から審査を受ける必要があります。審査では、収入や職業、クレジットスコアなどの信用情報を基に、返済能力があるかどうかを評価されます。また、購入する物件の評価額や利回りも審査の対象となります。

これらの知識を理解し、自身のクレジットスコアを管理しつつ、適切なローンを選択することが、不動産投資の成功に対して重要です。

不動産投資の成功に対するローンとクレジットスコアの役割は非常に大きいです。適切なローンの選択とクレジットスコアの管理が投資成功の鍵となるため、以下の点も考慮に入れてください。

5. クレジットスコアの向上: クレジットスコアはローンの条件を大きく左右します。遅延なく借入金を返済し、クレジットカードの利用を適度に保つなど、クレジットスコアを向上させる方法は多くあります。

6. 金利と返済計画: ローンの金利は固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利はローン期間中に金利が変わらないため、返済額が一定です。一方、変動金利は市場の金利に連動して変動します。金利の選択は返済計画に大きく影響します。

7. ローンの早期返済: 金利負担を減らすためには、ローンの早期返済を考えることも有効です。ただし、一部のローンでは早期返済にペナルティが発生する場合がありますので、契約条件をよく確認することが重要です。

8. 資金調達の戦略: 投資計画に応じて、最適な資金調達の戦略を立てることが必要です。例えば、複数の物件を投資対象とする場合、ローンの申請順序やタイミングを検討することで、より多くの融資を得られる場合があります。

9. ファイナンシャルアドバイザーの活用: ローンの選択や資金計画は専門知識が必要な場面もあります。そのため、ファイナンシャルアドバイザーなどの専門家に相談することを検討してみてください。

クレジットスコアをよく見せるためには

金融資産を多く見せたい

金融資産は預貯金、有価証券などが基本です。しかし、それ以外にも金融資産があります。例えば、生命保険の解約返戻金などは確実に手に入ることが見込めるため、資産額としてカウントすることができます。また、株式は上場株式が基本ですが、未上場株式に投資している場合にはそれも申告すべきでしょう。その他、『売ればお金になる』ものはすべて金融資産として申告しましょう。

不動産を多く見せたい

現在、持ち家をお持ちの方の場合、所有資産として申告できます。たとえ住宅ローンがついていても構いません。実勢価格が3,000万円で住宅ローンの残債が1,000万円なら、2,000万円の価値があると言えます。持ち家を二番抵当に入れることで融資が伸びることもあります。
また、自分の親が不動産を持っている場合、将来的に相続する可能性があるなら、それも申告しましょう。大きな金額としてプラスにはできないかもしれませんが、「最終的に追いかけられる先」があることは貸し手にとっては安心です。

正直に伝える

「多く見せる」ことと「改ざんする・ごまかす」ことは全く異なります。嘘をついたり、隠したりといったことをした場合、後から期限の利益を喪失することに繋がります。資産については必ず隠さず、正直に伝えましょう。そのうえで、生命保険の解約返戻金や会社の財形貯蓄など忘れがちな資産について、しっかりと伝えることが大切です。

これらの要素を理解し、自己資金の確保と資金計画をしっかりと行うことで、不動産投資を成功させるための土台を築くことができます。

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