風力発電は太陽光発電などと同様、再生可能なエネルギーによる電気エネルギーとして注目が高まっています。今回は風力発電の現状と、風力発電に関わる上場企業をご紹介いたします。
風力発電とは
風力発電はCO2を排出しないクリーンエネルギーであると同時に、枯渇することがない再生可能なエネルビーとして導入が進んでいます。主な特徴として以下の4つがあげられます。
風力発電の4つの特徴
・陸上・洋上共に発電が可能である
現在日本では陸上風力での設置が盛んであるが、国土の狭さから導入可能な場所は限定で木である。そのため、洋上風力発電に注目が集まっています。
・比較的低コストで賄えるエネルギー源である
風力発電は、大規模に発電できるようになると発電コストが火力並みになるとされています。そのためコストパフォーマンスが高い再生可能エネルギーといえます。
・変換効率が高い
風車の高さやブレードと呼ばれる羽根の部分によって異なりますが、風力エネルギーは効率よく電気エネルギーに変換することが可能です。
・夜間も稼働することができる
太陽光発電とは違い、風が吹いてさえいれば夜でも発電することが可能です。
洋上風力発電の可能性
風力発電は再生可能エネルギーの中でも成熟した技術と実績があり、かつ発電コストが低いということからも世界的に導入・普及が進んでいます。
日本における風力発電は2000年代から始まりました。しかし、風況や狭い国土からくる立地の制約から適地が減少すると予測されています。その中で洋上での風力発電は膨大なポテンシャルがあると考えられています。
そのための課題は大きく分けて3つあります。
洋上風力発電の3つの課題
・コストが高い
洋上での風車は海上に設置することになるため、風車や海中にある土台の部分である基礎、海底ケーブルの設置といったコストが陸上よりも2倍ほど高いと言われています。また、運転開始後の部品交換などの維持管理コストも陸上に比べて高くなります。
・技術が難しい
初期の洋上風車に関して、発電機や増速機などの故障が頻発。塩害対策や風車を監視するといった技術開発が行われています。また、風車の設置場所が浅い海岸よりも、深い海域へ移行するにつれ、コストを下げるために風車1基あたりの発電量を増やす必要があります。風車が大型化すればそれだけ安全性を担保することが難しくなることから、大型化と安全性の両立を目指すための技術が必要とされています。
・社会受容性の底上げ
漁業者などからしてみれば、洋上発電は邪魔なものでしかないかもしれません。そのためにも、海面利用者の理解がなければ洋上風力発電は実現しません。そのためにも、洋上における環境アセスメントが重要になってきています。
風力発電銘柄
国内発電事業者
Jパワー(コード:9513 上場市場:東証1部)
電源開発株式会社(Jパワー)は、日本のエネルギー開発の一翼を担う電気の卸売会社として、1952年に国策として設立し2004年に完全民営化。風力発電所だけでなく、火力発電所、水力発電所、地熱発電所などを建設して作った電気を、送変電設備を使い、全国の電力会社へ販売を行っている。
中部電力(コード:9502 上場市場:東証1部)
主に子会社である株式会社シーテックが三重県青山高原地帯(ウインドパーク美里、ウインドパーク久居榊原、青山高原風力発電所、新青山高原風力発電所)はじめ中部地方(たはらソーラーウィンド発電所)などを中心に日本最大級のなどの多数の風力発電所の事業運営を行っています。
コスモエネルギーホールディングス(コード:5021 上場市場:東証1部)
1997年に設立された風力発電専門企業であるコスモエコパワー株式会社を子会社化しました。コスモエコパワー株式会社は陸上風力発電での国内シェア3位であり、今後は洋上風力発電事業を進めていく方針です。
国内発電機メーカー
三菱重工業(コード:7011 上場市場:東証1部)
風力発電機メーカーは、欧米および中国がシェア上位を占めている。そんななか、日本主要メーカーである三菱重工業は風力発電機シェア1位のオランダのヴェスタス社と持続可能なエネルギー分野におけるパートナーシップを締結した。2025年までにヴェスタス社が洋上風力発電のリーディングプレイヤーとなるために、両社は洋上風力発電で長期的な取り組みを積極的に行っていくとしている。
開発専業
日本風力開発(コード:2766 上場市場:東証2部)
風力発電に絞った運営をしているのが日本風力開発です。日本風力開発は風力発電の全てを手掛けるエキスパートであり、風のエネルギーを資源と考え、風エネルギー資源の発掘、コストパフォーマンスの良い電力発電所の建設、効率的な運営をすべてこなしています。
今までの電力発電事業で培ったノウハウを基に、(仮称)青森県日本海沖洋上風力発電事業、(仮称)秋田洋上風力発電事業、(仮称)由利本荘風力発電事業といった洋上風力発電が令和6年~8年の間に開始される予定である。日本政策投資銀行と共同でファンドを設立、開発した風力発電所は売却している。