大雨・洪水でも大丈夫?0m地帯とは

時おり耳にする「0m地帯(ゼロメートルちたい)」という言葉ですが、いったいどのような現象を言うのでしょうか。ここで0m地帯についてご紹介していきます。

どういう現象か

0m地帯の定義ですが、正確には「海抜0m地帯(かいばつゼロメートルちたい)」のことであり、土地の標高が海水面と同じレベル(つまり0メートル)か、それ以下の地帯を指しています。0m地帯が生まれる原因は地域によって様々です。長年の地殻変動により自然に生まれたものや人工的に生まれたものもあります。人為的に生まれた0m地帯の中には、工業化されたエリアで工業用水を取るために過剰に地下水を組み上げたことに端を発してできた場合があります。また、干拓地や埋立地によってできる場合もあります。

0m地帯による危険性とは

0m地帯ではこれまで様々な水害が発生しており、その危険性が絶えず指摘されてきました。台風などによって大雨が降ることで河川が氾濫するとたちまち周辺の民家などに大量の川の水が流れこみ、床下浸水や床上浸水の被害が発生するだけでなく、時より死者を出す場合もあります。これらの該当地域では、川岸や海岸には堤防建設が必要な他、いざという時のために排水ポンプを設置したり、住民の避難訓練、さらに救助体制の構築が求められたりする地域にもなっています。

日本国内ではどこが0m地帯にあたるのか

日本国内における0m地帯としては、国土交通省発表の「三大湾における高潮危険地域」があり、それぞれ「東京湾」「伊勢湾」「大阪湾」となっています。これらのエリアは広さにして東京湾で116平方キロメートル、伊勢湾で336平方キロメートル、大阪湾で124平方キロメートルに及び、三大湾の住民は合計で約404万人にのぼります。東京湾の0m地帯には、東京23区の湾岸エリア一体や墨田区、葛飾区、荒川区、江東区、江戸川区の荒川に接する地域が挙げられます。また、足立区の南東部や江戸川区に続く東京ディズニーランドに近い千葉県浦安市の西部、さらに川崎市の湾岸エリアにも該当のエリアが存在します。

伊勢湾の0m地帯については、中部地区一帯が該当地域となっており、愛知県津島市、弥富市、愛西市、名古屋市の一部から三重県桑名市、岐阜県海津市などがゼロメートル地帯です。この付近の該当エリアは巨大台風として未だに語り継がれている伊勢湾台風の際に大被害がもたらされた地域としても広く知られています。また、大阪湾の0m地帯は、主に淀川に接するエリアに多く存在し、淀川区や西淀川区、福島区、此花区といった大阪市を中心に尼崎市や西宮市などまで該当の範囲となっています。これらのエリアの他、天然ガス採取のために汲み上げられた地下水の影響から出来上がった新潟県新潟市の越後平野海岸部一帯がゼロメートル地帯となっています。

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上記のようなゼロメートル地帯に不動産を購入する際には、十分な注意が必要です。購入前にはハザードマップなどで自分が購入しようとしている土地や建物、マンションなどが該当のエリアに属していないかどうかをまず確認しましょう。昨今のゲリラ豪雨のようにゼロメートル地帯は低くて浸水などの被害が出やすい地域ですが、それと同時に元々地盤が弱い可能性もあります。戸建を建てる場合に地盤改良や地下深くにまで杭打ちをしなければならない地域かどうかを事前に確認しておきましょう。例え土地の値段が安くてもこれら改良工事などで多額の追加費用が発生する場合があるからです。特に過去に被害がひどい地域の場合、購入を見送ることも必要になってきます。

4.まとめ

ゼロメートル地帯は水害対策が進み、雨水を他のエリアに逃がすといった被害が出にくいような改良が施されてきました。従って以前ほどには被害が出にくくはなっているものの、未だにゲリラ豪雨等による被害が発生する場合があります。これらのエリアで不動産購入をする場合にはハザードマップなどで念入りに調べてから購入を決断すると良いでしょう。

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