液状化が起こるとどうなる?起こりやすい土地は?

液状化とはどのような現象なのか

液状化とは、地下水位の高い砂地盤が地震によって液体のようになる現象で、ニュースなどでは液状化現象と呼ばれています。その他にも流砂現象やクイックサンド現象とも呼ばれることもあります。
液状化現象は1964年に発生した新潟地震において多発しました。これにより被害の拡大した地域は多く、新潟地震以降液状化現象の危険性に注目が集まるようになりました。

液状化までの流れ

液状化は、砂を多く含む地盤において発生します。通常時の地盤は砂同士がぴったりとくっつき、その隙間を水が埋めるような状態で安定を保っています。ところが、そこへ地震や工事などで繰り返し振動が与えられてしまうと、隙間を埋めている水分の水圧が弱まってしまいます。水圧が弱まると砂同士の結びつきが弱くなってしまい、砂同士の間に隙間ができてしまいます。

隙間ができてしまうことで、地盤に含まれる砂は水の中でふわふわと浮いているような状態となり、まさに液体となってしまったような状態になります。

このような流れにより、地盤は液状化するのです。もし、液状化が上手くイメージできないのであれば、雨上がりに地面の上で足踏みをしてみるとよいでしょう。

地面の上で足踏みを繰り返していると次第に水が滲みでてきます。まさにこの時、地面の中では液状化が起こっているのです。

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液状化しやすい土地

液状化はどのような土地でも起こる現象ではありません。液状化しやすい土地には一定の条件があるのです。

埋立地

埋立地は液状化しやすい土地の代表格です。最近造成されたばかりの土地は、まだ地面が完全に沈みきっておらず、液状化が起こりやすくなります。一方で、100年以上前に埋め立てられた土地であっても液状化現象は発生が発生しないわけではなく、一定の条件下で液状化は発生します。そのため、埋め立てから長期間が経過しているから安心、というわけではありません。

かつて沼や河だった場所

かつて沼や河だった場所は総じて地下水位が高く、河床砂や埋土がゆるんでおり、液状化が発生しやすくなっています。

大きな河の近く

大きな河は、歴史上何度も氾濫していることがほとんどです。氾濫が起きるごとに、周囲の土地には河によって運ばれた土砂が堆積していきます。それによって、液状化の発生しやすい土地となってしまいます。

砂丘と砂丘の間にある低地

砂丘と砂丘の間にある低地は地下水位が高いことが多く、液状化が発生しやすい土地とされています。

過去に液状化の起こった土地

一度液状化が発生すると土地が引き締まるため、液状化が発生しづらくなると言われています。ところが、必ずしも液状化が起きにくい状態へ引き締まるとは限りません。一度液状化の発生した土地であっても再度液状化が発生する可能性は充分に考えられます。

液状化による被害例

液状化が発生してしまった場合どのような被害が発生するのか、具体的に説明していきます。

建物が傾き、倒壊する

液状化によって地面が沈下・陥没してしまうことにより、その上に建つ建物が傾いたり、倒壊してしまうことがあります。

地中の配管が破損する

地中にはガス管や下水管、水道管など私たちの生活に必要な配管が数多くあります。液状化によってそれらが破損し、一時的にライフラインの一部が停止されることがあります。

地中から水や砂が噴き出す

液状化が発生すると、地中の水圧が高くなります。それにより、地中の砂や水が勢いよく地表へ噴き出してくることがあります。噴き出してくる勢いや地表の状態によってはその後の排水が追い付かず、地表が水や砂だらけになってしまうことがあります。
また、水や砂以外にもマンホールなどに人工物が勢いよく飛び出してくることもあり、非常に危険です。

液状化ハザードマップで見る愛知県

【愛知県の液状化懸念地域】愛知県西部

愛知県西部の地域で液状化が懸念されるのは、あま市と愛西市、稲沢市、一宮市、名古屋市西エリアです。
液状化マップによると、主に名古屋市よりも西側の地域にかけて、液状化が懸念される地域が集中しています。
液状化マップでは、液状化の懸念が極めて高いとされている地域が赤色で表示されますが、あま市と愛西市ではほぼ全域が赤色です。
稲沢市も大半の地域が赤色になっています。
一宮市は赤色の地域もありますが、黄色や緑色の地域も多いです。
黄色は液状化危険度が高い地域を指し、緑は低い地域を指します。
名古屋市内だと赤色が多いのは港区や中川区、南区辺りの地域です。
天白川流域の地域で液状化の懸念が大きいと捉えておくといいでしょう。
しかし、全体的に赤色に次いで液状化危険度が高い黄色の地域が多く、他の地域でも油断できません。
これらの地域に住んでいる人は、災害が起きた場合の備えを万全にしておきましょう。

【愛知県の液状化懸念地域】愛知県南部

愛知県の南部は西部ほどではありませんが、液状化が懸念される地域がいくつかあります。
主に西尾市や碧南市、岡崎市、豊田市、蒲群市、豊橋市、田原市などの地域です。
西尾市は液状化マップで赤色に染まっている地域が大半を占めます。
碧南市は主に南部の地域で赤色と黄色で染まっている地域が多いです。
西尾市ほどではありませんが、広範囲にわたって液状化の危険度が高い地域だということが分かります。
岡崎市は西の方に赤色や黄色の地域が多いですが、全体的には危険度の高い地域は多くありません。
豊田市にも赤色と黄色で染まっている地域が確認できます。
しかし、そう広い地域ではありません。
どちらかというと、緑色の地域が多く白色の地位もあり、豊田市全体で見ればそれほど液状化の危険度は高くないと言えます。
ただし、赤色や黄色の地域に住んでいる人は災害時を想定した備えを万全にしておきましょう。
緑色や白色の地域に住んでいる人も、災害時にはインフラ設備などが使えなくなる可能性を想定しておきましょう。
豊橋市は赤色と黄色、緑色が狭い地域に混在しています。
赤色はあまり多くありませんが、ごく近い場所でも危険度に差があるということがうかがえるでしょう。
蒲群市は東海道本線よりも南側の地域で液状化の危険度が高いです。
田原市では渥美湾に面している地域で、赤色や黄色で染まっている地域が多く見られます。

愛知県が推奨する液状化対策

愛知県は液状化の危険性が高い地域が多いため、事前の対策を推奨しています。
液状化の危険性が高い地域でも、住宅を建設する際に事前の対策を講じておくことで、被害を少なくし安心して居住することが可能です。
また、愛知県では公共施設の地盤工事を行う際にも、街単位や区単位で地盤強化を行うことを推奨しています。
街に住んでいる人たちが個別に工事を行うよりも、街単位でまとめて工事を行う方がトータルでかかる費用が安く済むでしょう。
その分だけ、1世帯あたりの負担は小さくて済むため、費用がネックになって工事をしていなかった世帯も工事に踏み切れるようになります。
公共施設の液状化対策として必要な工事を行う際に、周辺地域でも工事を行えば、重機や共通仮設備などにかかる費用も削減でき、業者の選定や契約手続きなども一般の人にとっては負担が大きいです。
街単位でまとめて行うことで、こうした負担も軽くなります。
また、液状化の危険性が高い地域にこれから新築住宅を建てる場合だけでなく、既に工事を行うことが可能です。
例えば、建物の下に杭を設置する小口径杭工法や建物の基礎の下を薄い層状や板状に加工する浅層混合処理工法などがあります。
自分の居住地域で液状化が懸念されていることを知ると、他地域への引っ越しを検討する人もいるでしょう。
しかし、これらの工事を行うことで安心して居住できます。
液状化の危険度が低く何も対策をしていない地域より安全になるかもしれません。

まとめ

液状化とは、地下水位の高い砂地盤が地震によって液体のようになる現象で、液状化現象とも呼ばれています。液状化は一度起こってしまうと建物の倒壊やライフラインの停止など私たちの生活に大きな被害をもたらします。
液状化は発生のタイミングを特定することは困難。しかし、液状化には発生しやすい場所が存在します。そのような場所を避けることで、液状化による被害を避けることができるのです。
そのため、個人の負担はそれほど大きくありません。

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