課税対象?どの費目?新型コロナ関連助成金の確定申告処理方法

2020年は新型コロナウイルス感染症のため、店舗を持つ方にとっては時間を短縮した営業や休業で売上が減少したり、感染症対策などで出費が増加したり大変な一年だったのではないでしょうか。2020年(令和2年)分の確定申告は例年通り、2021年(令和3年)3月15日までに行わなければなりません。新型コロナ関連で助成金などを受け取った個人事業主は、確定申告のときに各種助成金をどのように処理する必要があるのでしょうか。今回は助成金絡みの他、資金繰りのため納税ができなかった場合や、欠損金の処理方法についてそれぞれ説明していきます。

新型コロナ助成金を受け取ったら税務上の取り扱いは「その他収入」で!特別定額給付金や休業支援金・給付金は算入の必要なし。

休業要請に応じて営業を自粛した事業者に対して持続化給付金や雇用調整助成金、愛知県や名古屋市からは愛知県・名古屋市新型コロナウイルス感染症対策協力金など、さまざまな給付金や助成金を受け取られた方は多いと思います。

これらの助成金や給付金は所得税法上では事業所得等に分類されるため、収支内訳書上では「その他収入」で計上する必要があります。2020年度以前に、都道府県や市町村などから助成金を受給した事業者の方なら、同様の処理を行っているはずですので確認してみてください。

助成金を受給したからといって、所得税を納付しなければならない訳ではなく、例年度と同じように売上などの総収入から必要経費を差し引いて課税所得を計算していきます。各種助成金を受け取ったときの課税所得が黒字なら課税をされますし、赤字であれば課税をされません。

なお各種助成金や補助金は消費税の課税対象ではありません。なぜなら資産の譲渡等の対価に該当しないからです。消費税は商品などを購入したり、電車に乗るなどのサービスを受けたりする「消費」に対して課税されているものです。

ここで注意しておきたいことは、2020年5月以降に給付を開始した特別定額給付金の10万円や、中小企業に勤めている人たちを対象とした休業支援金・給付金は非課税ということです。したがって、特別定額給付金や休業支援金・給付金は、確定申告の際に算入する必要性はありません。

2020年度の申告の際、納税の猶予制度の特例が適用されます

新型コロナウイルス感染症によって売上が減少し、資金繰りがままならない事業主の方もいらっしゃることでしょう。国税庁の発表によると2020年(令和2年)2月1日から2021年(令和3年)2月1日までに納期限が到来する国税について、以下の条件を満たしている場合は、無担保かつ延滞税なしで1年間の納税が猶予されるとのこと。その条件は2020年2月以降の任意の期間(1カ月以上)において、収入が前年と比較したときに20%以上減少していることと、一時に納付を行うことができないときです。なお納税の猶予を受ける際には申請が必要ですので、詳しくは国税局猶予相談センターにご相談ください。

「欠損金の繰戻しによる還付の特例」とはどのような制度?

2019年の確定申告が黒字であり、2020年の確定申告が赤字決算になってしまった場合、「欠損金の繰戻しによる還付制度」といって、昨年度納付した所得税(法人の場合は法人税)を還付してもらえる制度があります。通常、この制度は資本金が1億円未満の法人や個人事業主を対象としたものですが、2020年度に限って1億円超10億円未満の法人も対象となっています。しかし対象法人が10億超法人の100%子会社などの場合は対象には含まれませんので注意が必要です。

確定申告を行う際、青色申告か白色申告のどちらかを選べるわけですが、白色申告では欠損金の繰戻しによる還付制度の対象ではありません。しかし白色申告でも純損失の中で「事業用資産に生じた災害による損失等」については、翌年以降の3年間は繰り越すことができ、各年度分の所得金額から控除できます。なお「事業用資産に生じた災害による損失等」の条件は下記のとおりです。

・飲食業等の場合、食材の廃棄損

・コロナ感染者が出たときに廃棄した備品等の除却損や消毒などに使った費用

・感染防止のために購入した備品

・イベントを中止したために売れなくなってしまった商品などの廃棄損

しかし売上減少や休業をしたときに支払った賃金、イベント中止をしたために支払ったキャンセル料などは含まれません。

青色申告者は「欠損金の繰戻しによる還付制度」、もしくは損失額を翌年以降3年間に繰り越すことができる「純損失の繰越し」のどちらでも対応が可能です。たとえば2019年度に高額の所得税を納付していて、2020年度は赤字決算でなおかつ現金が必要な場合は、還付金を受け取るように手続きを行うとよいでしょう。しかし2019年度の確定申告で所得税の納税が少額だった方や赤字決算だった方は、翌年以降に純損失を繰り越したほうがいいかもしれません。

確定申告の期限までにしっかりとした準備を!

前年度の業績をしっかりと確認するためにも、確定申告の準備を進めていくことで2021年の計画も立てやすくなるはずです。新型コロナウイルス感染症の影響で通常通りの申告や還付金の請求ができない場合、個別に期限の延長ができますが、経営状況の把握のためにも早めの確定申告をおすすめします。

2020年の確定申告についてはこちらもご参考に!