土地活用にはどんな種類があるの?それぞれに向いているのはどんな人?

土地を所有しており自分で使っていないのであれば、積極的に活用するのが望ましいです。
土地活用により得られる収入が老後の支えになることもあります。
しかし土地活用は知識を持たない一般の人が、簡単に始められるものではありません。
土地プランナーに相談して、メリットとデメリットをよく理解した上で行う必要があります。
ここでは、土地活用について詳しく紹介します。

土地の種類で変わる土地活用の方法

土地活用の代表例
土地の活用方法はさまざまですが、立地や地盤などにより、向き、不向きがあります。せっかく良い場所や、良い形、広さの土地があっても、その土地にあった計画でなければ、思うような収益をあげられないかもしれません。

例えば、住宅街の中にある宅地であれば、地盤は比較的強固な土地が多いですが、宅地面積はそれほど広くありません。仮にそこで太陽光を発電をしようと思った場合、支柱を建ててそこにパネルを取り付けるなど、設備コストが掛かります。周辺に高い建物があれば、その分、発電効率も下がってしまいます。

また逆に、広い農地や農園をお持ちで、一部をマンションやアパートを建てようとする人もいるかもしれません。しかし、農地は地盤が弱いため、建物を建てるためには入念な調査や基礎工事が必要となってきます。当然、それらは建築コストに跳ね返ってきます。

どういう土地活用の方法があり、それぞれどういう人に向いているのか?

以下でその説明をしていきたいと思います。

【土地活用方法の種類①】区分マンション・アパート経営

マンション経営の種類
不動産投資には区分マンションを買う方法や、1棟ものの賃貸物件を建築・購入する方法があります。投資のための勉強や物件探しに時間や労力が取られますが、一度入居者がついてしまうとほとんどすることがないため、一般のサラリーマンが副業として実行できる範囲と言われています。

区分マンションの購入が良いか、一棟アパートの購入が良いかは、その方の住んでいる地域や、属性、土地を持っているか持っていないかによって変わってきます。また、どのぐらいの収益を得たいか、どういった資産形成をしていきたいかによって判断は変わります。

区分マンションや一棟ものアパートは数多く売り出されていますが、いずれも数百万円から、1億円、2億円することがあります。ハズレ物件を引かないように、数多くの物件をみてまわり、また、物件の良し悪しを見抜く相場観なども養う必要があります。

▼こういう人に向いている

  • 都心部に住んでおり、土地勘がある
  • 駅から近い物件だ
  • 収益計算のシミュレーションが得意だ
  • モデルルームなどを見に行くのが好きで、細かい仕様の違いに気づくことができる

土地活用方法の種類②】戸建賃貸経営

戸建賃貸経営は、マンション・アパート経営のように戸建て住宅を賃貸物件として利用する土地活用方法です。

転勤などで持ち家から引っ越しせざるをえない人などが、一時的に持ち家を賃貸物件として貸し出すケースなどがイメージしやすいのではないでしょうか?

戸建賃貸経営のメリットは、そのサイズにあります。

実は賃貸に出されている物件のほとんどがアパートやマンションで、戸建て物件の賃貸というのはあまり多くありません。広さも最低でも3LDKぐらいからのものが中心です。つまり、底に住む人もファミリー層が中心になります。ファミリー層は職場や学校、各種施設などの生活基盤が簡単に変えられないことが多く、一度住むとなかなか引っ越しません。一度入居がついてしまうと、10年20年住んで頂ける安定感が一番の魅力です。

▼向いている土地

  • 駅から近いところにある
  • 住宅地の中にある
  • 貸し出せる建物がその土地に存在している
  • 古家付きだが、リフォームすれば住めそうだ
  • 自分の家の近くにあり、何かあったときにもすぐに対応できる。

【土地活用方法の種類③】定期借地

定期借地権の種類と契約期間
定期借地とは、建物を建てて所有する目的で他人から一定期間土地を借りることができる権利のことです。

土地活用の観点からは「一定期間、自分の土地を貸して、その地代を受け取る」ということになります。

期間は借地借家法で上限や下限が設けられています。また更新を前提としていないため、期間が経過すれば借主から地主さんに更地で返却されるのが前提です。

定期借地権は目的により、一般定期借地権と事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権の3種類に分かれています。

一般定期借地権は期間の下限が50年です。建設する建物の使途は特に限定されておらず、住宅はもちろんのこと店舗や事務所でも問題ありません。

事業用定期借地権は、文字通り事業用の店舗や事務所などを建てる場合に設定できる借地権です。存続期間は10年以上50年以内の範囲で決めることができます。また、30年以上50年未満の場合には、期間満了後に借主は地主さんに対して契約更新か建物の買取を求めることが可能です。

建物譲渡特約付借地権は、期間満了後に建物を地主さんが買い取ることを前提とした借地権で30年以上の期間を定められます。

定期借地権は、いずれも存続期間が長く安定した地代収入が得られるのがメリットです。

また、借地権が存続している間は、地主さんは土地に関して運用や整備などを行う必要はありません。メンテナンスなども全て借主が行ってくれるので手間がかからないで済む点もメリットです。
さらに定期借地権が設定されている土地は、財産評価額が低くなります。財産評価額は固定資産税の税額を計算する際に用いられる数字です。そのため毎年の固定資産税が安くなります。
さらに、相続税も財産評価額を基準にして税額を決めるため、相続においても有利です。

▼こういう人に向いている

  • すでに土地を持っている
  • 毎月安定して一定の収入がほしい
  • 「入居希望者を探す」「家賃の催促」などの管理業務をしたくない
  • 将来のために計画的な相続対策をしておきたい
  • 先祖代々の土地を手放すわけにいかない

【土地活用方法の種類④】コインパーキング


繁華街や駅の近くなどに土地を所有している場合、コインパーキングとして活用する方法があります。
運営会社と契約することで、特に土地運用のノウハウを持ち合わせていない人でも無理なく運用可能です。
運営会社と契約し、運営会社に土地を貸すという形を採ります。
コインパーキングを運営するために必要な作業は運営会社が行い、必要な道具なども運営会社の方で設置する仕組みです。
そして、地主さんは運営会社から毎月一定額の賃料を受け取れます。
この賃料はコインパーキングの売上によって変わることはありません。
契約締結のとき以外は、ほとんど何もしなくても安定した賃料収入が得られます。またコインパーキングは定期借地権と異なり、短期間での運用も可能です。
車10台分くらいの狭いスペースでも活用できます。
しかし、運用効率はあまり良くないため、長期間の土地活用には向きません。
遊ばせている土地をとりあえず何かで活用したい場合などに向いているでしょう。

▼こういう人に向いている

  • 繁華街など立地条件のいいところに土地を持っている
  • アパート建築などの借金をしたくない
  • 近隣の土地も買い集めて大きな建物を建てたい

【土地活用方法の種類⑤】太陽光発電

太陽光発電は、太陽光パネルを設置して発電した電気を電力会社に売って利益を得る土地活用方法です。
他の土地活用方法と異なり、人口の少ない地域でも不利になることはありません。
面積が広く、日当たりの良い土地であれば発電しやすいでしょう。
そのため、地方の農村部に土地を所有している人に向いている土地活用方法です。
FIT制度により、太陽光パネルを設置して発電すれば、電力会社が買い取る義務を負うため、売れずに困ることはありません。
長期間にわたる収入を確保できます。
面積は200平方メートル(60.5坪)を目安にするといいでしょう。
またその場所で普段作業をすることはないため、駅などから遠く離れている土地でも太陽光発電に使えます。
車で行ける場所なら問題ありません。
しかし、車でも行くのが難しいような山奥の場所だと、太陽光発電ができない場合もあります。
最初に太陽光パネルを設置するときや、メンテナンスをするときなどに業者が行き来するためです。また雪が積もる地域に関しては、雪が滑り落ちる仕組みの太陽光パネルもあるので問題なく設置できます。

▼こういう人に向いている

  • 広くて、周りに遮蔽物のない土地を持っている
  • 幹線(電線)からアクセスしやすい場所にある

土地活用については自分だけで悩まずプランナーに相談

自分が所有している土地にはどんな活用方法が合っているのか、判断が難しい場合もあるかと思います。
土地活用の方法を決めても、手続きが難しく困っている人もいるのではないでしょうか。
そのような場合、自分だけで悩まず専門知識を持ったプランナーに相談してみてください。
プランナーに相談すれば、その土地に最適な活用方法を提案してくれます。
また、活用方法を決めていても、その活用方法でどの程度の利益が得られるのか分からない場合もあるでしょう。
土地活用の専門家の中でも、ファイナンシャルプランナーなら、具体的な利益や収入のことも相談可能です。
自分で考えた活用方法よりも、より適した活用方法をアドバイスしてもらえることもあります。
農地を活用したい場合には、農地転用の手続きが必要になるため行政書士に相談するのがいいでしょう。
他には、不動産業者や信託銀行などでも土地活用に関する相談を受け付けています。
実際に相談する際には、土地の坪数を確認し目的や意図などを明確にしておきましょう。
聞きたいことなども、はっきりと整理しておくとスムーズにいきます。

まとめ

土地活用の方法はたくさんありますが、土地は千差万別であるため適切な活用方法も土地によって異なります。
賃貸経営が合っている土地もあれば、太陽光発電が合っている土地もあるでしょう。
使っていない土地を持っている人は、なるべく活用するのが望ましいです。
専門家に相談すれば、最適な活用方法を提案してもらえます。

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