第1章: 不動産投資の基礎 3. 不動産投資のメリットとデメリット
不動産投資には、メリットとデメリットが共存しています。以下に、それぞれの主要な点を挙げます。
【メリット】
- 安定した収入源: 不動産投資により、家賃収入や運用益を得ることができます。これにより、安定した収入源を確保することが可能です。資産そのものの値上がりによる利益、いわゆるキャピタルゲインを狙う株式投資などよりも、堅実であり、年齢、性別を問わず収入を得ることができるのが一番の魅力です。
- 資産価値の上昇: 適切なエリアや物件を選択すれば、長期的に資産価値が上昇することが期待できます。もちろん、これからの日本は人口減となることが明らかで、空き家率も年々向上しています。マクロの視点では値上がりを見るのは厳しいかもしれませんが、個別のエリアに関して言えば、値動きは様々。魅力的な再開発や商業施設などの存在で値段が上がる場所というのは探せばきっと見つかるでしょう。
- 節税効果: 不動産投資には、減価償却や経費の控除などの節税効果があります。これにより、所得税や法人税を軽減することができます。医師、弁護士や高収入なサラリーマンは減価償却を利用して本業の収入を圧縮し、所得税や社会保険料を軽減しながら資産形成をはかっています。また、利益が継続的に出ている法人の場合も、不動産を購入することで節税対策をしています。節税については別の章で詳しくご説明します。
- 資産運用の多様化: 不動産投資は、株式や債券などとは異なる資産クラスに投資することができます。これにより、資産運用の多様化を図ることができます。一般的に、不動産の値動きは株式や債券に遅れます。値上がりが遅く、値下がりも遅いのが特徴です。株式などで財産を築いた方が、一定の資産を不動産に回しているのはそういう理由です。
- 信用力向上: 不動産は担保として利用できるため、信用力を向上させることができます。これは、将来的な融資や投資活動に役立ちます。現金や株式に比べて、不動産は流動性が低いので、金融機関などから見た時に、信用の理由となるのです。
【デメリット】
- 資金が必要: 不動産投資には、購入資金や修繕費用、運営費用など、多額の資金が必要です。
- 流動性が低い: 不動産は株式や債券などに比べて売却が難しく、市場性が低いため、必要に応じて資金を引き出すことが困難です。
- 管理負担: 不動産投資は、物件の管理やテナント対応、修繕など、継続的な管理負担が伴います。
- 市場変動リスク: 経済状況や地域の需要によっては、物件価格が下落したり、賃料が低下したりするリスクがあります。
- 空室リスク: テナントが退去したり、新たな入居者が見つからない場合、賃料収入が途絶えるリスクがあります。
これらのメリットとデメリットを考慮し、自分の資金力、投資目的、リスク許容度などに基づいて不動産投資を検討することが重要です。また、不動産投資は長期的な視野で行うことが望ましく、市場や物件の状況を適切に分析してリスクを軽減することが求められます。
不動産投資を成功させるためには、適切な物件選定や運用戦略、ポートフォリオの多角化などが重要です。また、専門的な知識やスキルを身につけることで、不動産投資のリスクを最小限に抑え、収益性を向上させることが可能です。
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