2021年4月1日から大阪府、兵庫県、宮城県に対して新型コロナウイルス感染症の対策として、「マンボウ」が適用されました。最近のニュースで「マンボウ」という言葉がよく聞かれるようになりましたが、具体的にはどのような意味なのでしょうか。今回は新型コロナウイルス感染症の対策措置、「マンボウ」や緊急事態宣言との違いについて解説していきます。
2021年4月20日からは愛知県も指定される見込みです。
愛知県でのまん延防止等重点措置についてはこちらの記事もご参照ください。
まん延防止等重点措置の略称が「マンボウ」
令和3年2月3日に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律(特措法)」。その中で新たに創設されたのが、まん延防止等重点措置です。政府が都道府県に対しまん延防止等重点措置を発出し、都道府県知事が対象地域を決定します。
4月1日に初めて適用された「まん延防止等重点措置」は、新型コロナウイルス感染症対策本部が大阪府や兵庫県、宮城県を対象地域に指定しました。そして大阪府知事が大阪市を、兵庫県知事が神戸市や芦屋市、尼崎市、西宮市を、宮城県知事が仙台市を具体的な対象地域として指定しています。
今回のまん延防止等重点措置の期間は4月5日から5月5日までとなっていますが、期間を決めているのは政府です。
まん延防止等重点措置で求められる対象地域での対策
新型コロナウイルス感染症は飲食店での感染リスクが高いとされているため、飲食店に対して以下のような具体的な措置をとることができます。
・飲食店に対して午後8時まで時短要請や命令が可能
・知事の判断で対象地域外の飲食店に対しても時短要請や命令が可能
・カラオケ設備がある飲食店では利用を自粛してもらう
・知事の判断で、感染防止対策をしない人を入場禁止することを飲食店に要請できる
知事の要請に対し違反をしている飲食店は、20万円以下の過料が科されることになります。
まん延防止等重点措置と緊急事態宣言の違い
まず2つの違いは指定される範囲の広さです。緊急事態宣言の場合、都道府県単位で出されます。まん延防止等重点措置の場合は都道府県の指定を政府が行った後、都道府県知事が市区町村単位で特定の地域を限定します。
重点措置の場合は飲食店等に対し時短の要請が可能ですが、宣言の場合は時短の要請に加え休業要請ができます。時短要請に違反した飲食店等に対し、重点措置のときには20万円の過料、宣言のときには30万円の過料が科せられるといった金額の違いもあります。
重点措置と宣言の適用される目安にも違いがあります。この目安は感染状況の4段階が使用されます。重点措置の場合、ステージ3に相当する地域がある、もしくはステージ2に相当する地域でも、感染が局地的に拡大している地域があれば適用されます。
それに対し、宣言が適用される目安はステージ4相当です。
ステージ3とステージ4の違い
感染状況の4段階(ステージ)とは下記のとおりです。
ステージ1:感染者が散発しているものの医療提供体制に問題がない段階
ステージ2:感染者が漸増(ぜんぞう)していて医療提供体制に負荷がかかっていく段階
ステージ3:感染者が急激に増えていて医療提供体制に支障が出ている段階
ステージ4:感染者が爆発的に増えていて医療提供体制が機能不全に陥る恐れのある段階
6つの指標
6つの指標には大きく分けて「医療提供体制等の負荷」「監視体制」「感染の状況」があります。「医療提供体制等の負荷」には病床の使用率と重傷使用率、10万人当たりの療養者数が使用されています。「監視体制」ではPCR検査の陽性率が、「感染の状況」では10万人当たりの新規報告数と直近1週間と先週1週間の比較、感染経路不明者の割合が使用されます。
ステージ3とステージ4の違い
ステージ3 | ステージ4 | |
病床使用率 | 20%以上 入院率40%以下 | 50%以上 入院率25%以下 |
重症者病床使用率 | 20%以上 | 50%以上 |
10万人当たり療養者数 | 15人以上 | 30人以上 |
10万人当たり新規報告数 | 15人以上 | 25人以上 |
PCR検査陽性率 | 5%以上 | 10%以上 |
感染経路不明者の割合 | 50% | 50% |
6つの指標のいずれかがステージ3になったからといってすぐにステージ3になるというわけではなく、総合的な判断でステージが決められます。たとえば病床の使用率が40%あっても、他の指標がステージ3相当の数値に届いていなければ、ステージ3と判断されるわけではありません。
誰が「マンボウ」と呼び始めたのか
2月上旬に朝日新聞が、政府内でマンボウという言葉を使われていると紹介したのがはじまりのようです。2月上旬は緊急事態宣言が出されている都道府県がありました。緊急事態宣言解除後に感染が拡大しリバウンドすることを防ぐ措置のことを、「下りマンボウ」と呼ばれていたことを紹介していました。
緊急事態宣言でもまん延防止等重点措置でも対応策は同じ
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐにはマスクをすることや、ソーシャルディスタンスを保つこと、手指の消毒をすることなどが必要です。特に会食時に会話を楽しむときにはマスクをすることを心がけて、自身や身の回りの人の感染リスクを減らすように努めていきましょう。
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