150cm沈んだところも!愛知県の「地盤沈下地域」ってどこ?

一戸建てを購入するときに確認しておきたいことの一つに、「地盤沈下の恐れがないか」があります。なぜなら地盤沈下が起きてしまうと、家が傾いてしまうことによってドアや窓の開閉に支障をきたしてしまったり、平衡感覚が乱れてしまうことで体調が悪くなってしまったりと、家にとっても住んでいる人にとってもいいことがないからです。今回は愛知県内のどのエリアで地盤沈下を起こしているのか、解説していきます。

どうして地盤沈下が起きてしまうのか?

現在では大きな問題にはなっていない地盤沈下。しかし濃尾平野では累計で約150cmも地盤が沈下してしまった地域があります。つまり地盤沈下に対する対策を行わなければ、成人男性一人分くらいの地盤沈下が起きてしまう可能性があるということです。

地盤は砂層、粘土層、帯水層に分けられます。砂層の下に粘土層が、その下に帯水層があり、これらの層が幾重にも重なっています。そして過去には、帯水層にある水を大量に汲み上げていました。そうすると粘土層にあった水分が圧力の低い帯水層に流れ出ることによって粘土層が圧縮され、地盤が下がっていってしまうわけです。特に粘土層が厚く軟弱な地盤の地域に、地盤沈下の傾向が高くみられました。

地下水を採取することは法律や条例によって規制されている

地盤沈下が深刻な問題になったのは産業が活発になり、そのため地下水揚水が急激に増加した1960年代。地盤沈下の対策として地下水採取を規制するための法律が1956年(昭和31年)に施行されました。この法律は工業用水法と呼ばれ、愛知県の名古屋市の一部や一宮市、弥富市や津島市などが地域指定されています。工業用水法に地域指定されている場所では、一定規模以上の工業用井戸から地下水を採取する場合、愛知県なら愛知県知事の許可が必要です。

また愛知県の条例として、「県民の生活環境の保全等に関する条例」では主に尾張地域が地下水の採取に関して規制されています。また旧条例の「愛知県公害防止条例」では豊田市や岡崎市、新城市などの山間部を除くすべての地域で、地下水の採取をするときには愛知県知事の許可が必要になっています。

愛知県内の地盤沈下している地域

2020年3月に環境省から「平成30年度全国の地盤沈下地域の概況」が発表されています。愛知県では大きく3つの地域(濃尾平野・豊橋平野・岡崎平野)で地盤沈下の調査が行われています。

愛知県内で累計沈降量が一番大きかった地域は、濃尾平野での弥富市神戸で149.25cm、豊橋平野では豊橋市大橋通三丁目が6.9cm、岡崎平野では西尾市吉良町白浜新田北切で45.25cmでした。

愛知県内の直近測量が平成26~30年度の間に行われ、その直近測量年度から遡って5年間の最大累計沈下量だった地域は濃尾平野だと愛西市森川町で3.16cm、豊橋平野では豊橋市大橋通三丁目で1.04cm、岡崎平野では西尾市吉良町吉田万田で1.69cmとなっています。

直近の測量による年間沈下量は濃尾平野での蟹江町大字蟹江新田が0.94cm(平成30年)、豊橋平野での豊橋市大橋通三丁目が0.21cm(平成26~30年)、岡崎平野での西尾市吉良町 吉田豊岡が0.61cm(平成27~28年)がそれぞれ最大の沈下量となりました。

地盤沈下がマイホームや住んでいる人に与える悪影響とは

軟弱な地盤の上に建っている家の場合、ときとして家が傾いてしまうことがあります。顕著な例では地震の後、地盤が液状化してしまうことで家が傾いてしまった映像を見たことがあると思います。

地盤が弱いところに建てた家は、不同沈下と呼ばれる現象が起きることがあります。不同沈下とは簡単に説明すると、家が傾いてしまうことです。家が傾くと窓やドアの開け閉めがしにくくなり、ひどい状態になると外壁にひびが入ります。

不同沈下の影響は自宅だけにとどまりません。部屋が傾いてしまうことで平衡感覚が狂ってしまい、頭痛や肩こり、めまいなどの症状を引き起こします。敏感な人の場合、1mにつき3mmというわずかな傾きにさえ反応してしまい、不快に思う人もいるほどです。

戸建てを建てる前の不同沈下対策

地盤には「硬質地盤」と「軟弱地盤」の2つがあります。そのため家を建てるときに、軟弱地盤の場合は地盤改良工事をしなければなりません。地盤改良工事にはがあり、「表層地盤改良工法」、「柱状改良工法」、「小口径鋼管杭工法」の3つの方法があります。

表層地盤改良工法は軟弱地盤が比較的浅い土地で使用される工法で、セメント系固化剤を現地の土を混ぜ合わせて固めていきます。

柱状改良工法は表層地盤改良工法が使えない土地で使用される工法です。セメント(ミルク状の固化剤)を現地の土と攪拌(かくはん)させて地中に柱を作り、建物を支えるようにします。

小口径鋼管工法は上記の2つの工法が使えない、軟弱地盤が深い土地に使われます。柱状工法に似ていますが、コンクリートの柱でなく鋼管を使用して建物を支える工法です。

土地が安いのは軟弱地盤のため?購入前に地盤の確認を!

マイホームを建てるときには土地探しからはじめる方もいらっしゃるでしょう。土地を購入する前にはぜひ本記事を参考にしてください。

地盤に関しては以下の記事もご覧ください。