不動産投資セミナーの選び方について

不動産投資の勉強はインターネットや本からでも行うことはできますが、不動産投資セミナーに参加することで、1人では得ることができなかった情報を得ることも可能になります。今回は不動産投資セミナーの種類及び選び方について解説していきます。

不動産投資セミナーとは?

不動産投資セミナーは、文字通り不動産投資を扱うセミナーです。初心者向けからプロの投資家向けまでさまざまなものが、全国各地で行われています。不動産投資は扱う不動産の種類によって大きく異なるため、自分の目的に合ったセミナーを選択することが必要です。

不動産投資セミナーの種類は大きく分けて【無料】と【有料】

無料セミナーは業者が宣伝のために行っているため、初心者向けのものが多いです。セミナー終了後に物件の紹介があり、商談も可能です。

一方、有料セミナーはセミナーによって収益を上げているものが多いです。内容的にも高度なものが多いため、ある程度勉強をして、講師の名前や内容が分かるようになってからのほうがおすすめです。

無料セミナーの「ポジショントーク」

無料セミナーは営業トークに注意

無料で情報を提供してくれるセミナーは不動産投資の初心者にとってありがたい存在です。一方で、無料で儲かる情報を教えてくれる人は誰もいません。無料セミナーの場合、必ずその裏には売りたい商材があります。必ず「ポジショントーク」になっていますので、そこを割引きながら話を聞く必要があります。そのため、各種類のセミナーごとに、どういうポジショントークをしているかを説明します。

ワンルームマンション投資のポジショントーク

ワンルームマンション投資セミナーでは、その名の通りワンルームの物件に投資を行う手法を学びます。マンションやアパートの一棟投資に比べ、必要資金が少なくて済むため年収が低い方でも始めやすいという特徴があります。金融機関の融資ローンを利用することで、若い会社員でも2,000万円台の物件をフルローンで購入することが可能です。確定申告を赤字にすることができることから、社会保険料や税金が安くなる、といったことをメリットにしています。

このタイプのセミナーのポジショントークで気をつけるべきは「利回りの高い物件の場合、キャッシュフローがプラスになる」ということを決して言わない、という点です。ワンルームマンション投資の場合、長年をかけて資産を作ることが目的なので、キャッシュフローがマイナスになり給料で補填することになります。それを当然のように話すために、それ以外の多くの不動産投資ではキャッシュフローがプラスになるという事実を知られると困るのです。

中古物件投資のポジショントーク

中古物件投資セミナーでは、オーナーチェンジ物件である中古マンション・アパート・戸建てなどを購入し、運用する投資方法を受講します。

中古物件には築浅物件から築数十年といった数多くの物件があるため、選択肢が豊富にあることが魅力の投資方法です。マンションに限らず、新築物件は購入後一定期間経過すると、物件価格は下落します。比較的きれいな築浅な物件でも、割安な中古価格で購入することが可能になるため、中古物件は高い利回りを期待できると言われています。

中古物件は修繕リスクや家賃下落リスクなどがあるため、当初予想していた利回りよりも下がる可能性があるために気をつける必要はありますが、掘り出し物を見つけうまく運用することで相場よりも高い利回り運用をすることも可能です。

このタイプの投資のポジショントークの特徴として、融資に関する情報が提供されることは殆どありません。なぜなら、多くの場合、銀行や金融機関がタイアップについており、「こういう物件だとこの銀行・金融機関から融資が受けられる」として、銀行や金融機関を紹介してくれます。しかし、それらの銀行・金融機関は相場よりも金利が高かったり、自己資金を多く求められます。もちろん、セミナー業者は銀行・金融機関からからバックマージンをもらっています。

新築物件投資のポジショントーク

新築物件投資セミナーでは土地に新たな建物を建築、もしくは新築の建売物件を購入し、賃貸に出すことで家賃収入を得る不動産投資方法を学びます。土地の取得から始める場合、立地から建物全体まで自分の理想の物件を構築することが可能です。一方、建売物件を購入する場合は建築に関する手間がかからないことが特徴です。

新築物件は中古物件に比べ物件が新しいため、入居希望者が集まりやすく、賃貸ニーズのあるエリアであれば、空室リスクが減少します。その外にも付加価値のついた物件を建築することで他物件との差別化を図りやすい、中古アパートに比べて、有利な条件で融資を受けやすい、修繕費がかかりにくいなどのメリットがあります。

このタイプの投資のポジショントークとして「高属性しか相手にしない」という特徴があります。投資をするための条件を示し、資産や年収が一定以上の人だけに絞って話をします。

コインランドリー、民泊、駐車場など、周辺領域の投資のポジショントーク

ここまで取り上げた不動産投資法以外として、以下のような周辺領域の投資セミナーがあります。

コインランドリー投資セミナーではコインランドリーのオーナーとなり、利回りを得る方法を教えてもらえます。不動産投資の賃貸スタイルに比べ、利用されない(稼働しない)というリスクはありますが、空室といった長期間において売上がはいってこないというリスクは軽減されます。

・購入資産の耐用年数に関わらず一度に全額を減価償却できる「即時償却」・取得価格の10%の税額控除

その外にも中小企業等の経営強化法に基づく税制措置により上記のような節税効果が見込まれたり、物販店舗に比べ人件費が抑えられるといった特徴もあります。

民泊投資セミナーでは一般の住宅やマンションなどを使い、有料でゲストを宿泊させることで利益を得る投資方法を知ることができます。訪日外国人の増加によって注目を浴び始めました。1泊ごとに料金の設定が可能であり、需給バランスをにらんだ料金設定により、収入の機会ロスを防ぐことで一般の不動産投資に比べ投資費用の回収は早いと言われています。賃貸物件に比べて民泊物件は劣化が遅い傾向にあることもポイントです。

最後に、駐車場投資セミナーですが、月極駐車場やコインパーキングとして貸し出す投資方法を学べます。比較的初期費用を抑えることができ、既に土地を持っており、立地が良ければ高収益も見込める投資手法です。

これらの投資手法のセミナーのポジショントークとしては、その投資のデメリットやリスクをあまり詳細に説明しない、という点が挙げられます。殆どの場合、通常の不動産投資よりも高い利回りが期待できるので、その点を強調し、リスクについては簡単に触れる程度です。事業投資の判断なので、リスクについては自分でしっかりと考える必要があるのはもちろんなのですが、セミナー業者のいう話は全て疑う、ぐらいのスタンスが必要です。

有料セミナーの種類

学校形式

一定期間(3ヶ月から半年など)毎回教室に通って教えてもらうというスタイルである、学校形式があります。学ぶことがテキストに集約されており、順を追って効率よく学ぶことが可能です。

セミナー料金のみで運営をしているため、無料セミナーとことなり、何かを営業されるという心配はありません。営業上のポジションが有りませんので、フラットな情報を取得できるというメリットがあります。

有名な投資家が行っているもの

有名な投資家がそのノウハウを教える、というもの。特定の投資方法について専門的に学べます。基本的に数人~十人程度の少人数制で行われることも多く、講師との質疑応答など、双方向で意思疎通ができる点が人気です。

一方で、100人から200人といった大規模の有料セミナーもあります。

また、会費も1回2,000円といった廉価なものから、年間200万円といった高額なものまで様々にあるのが特徴です。

そこで得られる情報も価値がありますが、それよりも、そこに費用を払ってでも参加する意識高い参加者とのネットワークが構築できることも大きな利点です。

いろいろなバリエーションのセミナー行ってみましょう

セミナーには、主宰会社による宣伝や営業が含まれているとはいえ、勉強になることもあるので行ってみるとよいでしょう。しかし、一つのところに行くのではなく、複数のセミナーに行き、それぞれの手法について学ぶことが大切です。

ワンルームマンションセミナーに行った後、中古マンション投資のセミナーにいくと、まるで真逆のことを話されることがあります。逆に全く異なる内容のセミナーなのに、話している内容に共通点がある、ということもあります。

また、新築や、コインランドリーなどのビジネスモデルを知ると、自分が将来不動産を取得したときに出口戦略を色々と考えられるようになります。

そういった、様々なポジションの人の話を聞くことで、自分自身の目線や、客観的な知識を得ることができるようになります。これから、不動産投資を始めようと思っている方は、そういう視点で、いろいろなバリエーションのセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。

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