レスリングを楽しく観戦するには-基本編-

最近では日本女子選手の活躍がめざましいレスリング。
レスリングを知りたい人のために、歴史、ルール、魅力や見どころなどレスリングの基礎をレクチャーします。
東新住建にはレスリング部があり、多くのオリンピックメダリストが所属しています。
創部の動機や選手のプロフィールなども紹介します。

レスリング競技とはなにか?

レスリングの歴史

古代オリンピックで人気だったレスリング

紀元前9世紀頃、ギリシャで始まった古代オリンピック。
ゼウスなどオリンポスの神々に捧げる神事として行われていました。
古代オリンピックの最初の種目は1スタディオン(およそ191m)のコースを駆け抜ける競争です。

回を重ねるごとに種目が増えていき、競争種目に次いでペンタスロンと呼ばれる5種競技(短距離走、走り幅跳び、円盤投げ、やり投げ、レスリング)が行われました。
このペンタスロンから独立した種目がレスリングの始まりです。
ボクシングも同じ大会から開始したと言われています。

当時制限時間はなく、どちらかが勝利するまで戦う厳しいルールでした。
女人禁制だった古代オリンピックで、力と力をぶつけ合うレスリングは人気種目だったようです。

1896年第1回近代オリンピックからあったレスリング

古代オリンピックはやがてギリシャがローマ帝国に支配されることで神事の祭典として続けることは困難となり、文献によると、393年の第293回が最後の大会となりました。
今のようなオリンピックをよみがえらせた人物がいて、フランスのクーベルタン男爵といいます。
「オリンピックで重要なのは、勝つことでなく、参加することである」。
という名言を残しています。
ギリシャだけではなく、世界中の人々に対するスポーツの祭典に主眼に置いた、近代オリンピックの記念すべき第1回大会開催地はオリンピック発祥の地、ギリシャの都市アテネです。
このときも、レスリングは正式種目でした。

日本がレスリングに参加したのは1924年第8回パリオリンピックから

初めてレスリングに出場した日本人選手はアメリカに留学していた内藤克俊選手です。
柔道からレスリングに転向してからの期間が短かったにもかかわらず、フリースタイルで見事銅メダルに輝きました。

メダル量産で日本の十八番といわれるレスリング

パリオリンピックでレスリングに参加したのは内藤選手のみでしたが、それ以降多数の選手が出場しています。
1952年ヘルシンキ大会で石井庄八選手が金メダルを獲得しました。
これを皮切りに、オリンピックでメダルを多数獲得するようになり、日本の十八番と呼ばれるようになりました。
1964年東京オリンピックでは金メダル5個、銅メダル1個を獲得しました。

女子は2004年アテネ大会に正式種目となる

女子レスリングがオリンピックの正式種目となったのは意外と新しく、2004年アテネ大会からです。
前人未到の世界選手権13大会連続世界一を遂げた吉田沙保里選手や、オリンピック4連覇の伊調馨選手が国民栄誉賞受賞を受賞したことは記憶に新しいです。
いまやレスリングといえば、女子の方を思いうかべるほど日本の女子レスリング選手は圧倒的な強さを誇ります。

レスリングとはどんな競技なのか

レスリングにはフリースタイルとグレコローマンスタイルがある

男子は全身で防御や攻撃をするフリースタイルと、上半身だけで防御や攻撃するグレコローマンスタイルがあります。
女子はフリースタイルのみです。
フリースタイルは全身が使えるので、対戦相手の足元を狙うタックルが攻撃のメイン。グレコローマンは、下半身を使った攻守ができないので、攻めは投げ技中心です。

試合は体重別階級で行われる

レスリングの試合は体重別階級で実施されます。
オリンピックは、世界選手権や全日本選手権より階級区分が少ないので、オリンピック代表選手が選ばれる条件は厳しいです。
オリンピック代表選考会では階級が異なる選手との試合が組まれるため、レスリングファンには大きな楽しみとなっています。

<世界選手権、全日本選手権 体重別階級>

男子
フリースタイル 57kg級 61kg級 65kg級 70kg級 74kg級 79kg級 86kg級 92kg級 97kg級 125kg級
グレコローマン 60kg級 67kg級 77kg級 87kg級 97kg級 130kg級

女子
フリースタイル 50kg級 53kg級 55kg級 57kg級 59kg級 62kg級 65kg級 68kg級 72kg級 76kg級

<オリンピックの体重別階級>

男子
フリースタイル 57kg級 65kg級 74kg級 86kg級 97kg級 125kg級
グレコローマン 60kg級 67kg級 77kg級 87kg級 97kg級 130kg級

女子
フリースタイル 50kg級 53kg級 57kg級 62kg級 68kg級 76kg級

日本国内の大会の日程

レスリングの主な国内大会にはどんなものがあるのでしょうか。
2018年の日程と各大会の内容を紹介します。

明治杯全日本選抜レスリング選手権

会期:6月14日(木)~17日(日) 会場:東京都駒沢体育館
1997年に第1回大会が開催。全日本レスリング選手権大会とともに国内レスリングの2大大会と呼ばれています。
オリンピックや世界選手権の代表選考会も兼ねて実施。最優秀選手には明治杯が与えられます。

全日本社会人選手権

会期:7月7日(土)~8日(日)会場:埼玉県和光市総合体育館
全日本社会人レスリング選手権大会は、日本社会人レスリング連盟主催の全国大会。
団体戦と個人戦に分かれ、実業団でトップの団体と選手を決めます。

インターハイ

会期:8月4日(土)~7日(火)会場: 三重県津市メッセウイングみえ
インターハイ(全国高等学校総合体育大会)レスリング競技大会は、高等学校対抗のレスリングの大会。
学校対抗戦と個人対抗戦があり、高校ナンバー1と高校レスラーナンバー1を決定。
女子は個人対抗戦のみです。

全日本学生選手権

会期:8月28日(火)~31日(金)会場:東京都駒沢体育館
1950年から始まった伝統のある大会。
インカレと呼ばれ、国内の学生レスリング大会ではトップランクの大会。
男子、女子とも参加でき、個人戦のトーナメントでその年の学生チャンピオンを選出します。
最優秀選手には文部科学大臣杯が贈呈されます。

国民体育大会

会期:9月30日(日)~10月3日(水)会場:福井県おおい町総合運動公園体育館
国民体育大会、略称国体は、日本で毎年開催されるスポーツの大会。都道府県対抗で競います。レスリングは少年・成年とも男子のみで行われています。

全日本レスリング選手権

会期:12月 会場:東京・駒沢体育館
1934年に第1回大会が開催されたレスリング大会で最も伝統のある大会。
各階級で優勝者した選手から最優秀選手が選ばれ栄えある天皇杯が与えられます。

レスリングの楽しみ方

レスリングのルールは

円形マットで行われる

レスリングは直径9mの円形マットで戦います。
試合開始時にはセンターにある直径1mのサークルに立ちます。
イエロー部分が競技をするスペースで、外側の1m幅の赤いゾーンが、場外のそばであることを伝えるパッシビティゾーンです。
その外側が場外で、場外に出ると試合は一時中断されます。

試合時間

フリースタイル、グレコローマンとも3分間ずつの2ピリオド。
ピリオドの間に30秒間のインターバルがあります。

勝ち負けはフォールもしくはポイントで

勝敗は相手の両肩を1秒間マットにつければ即フォールで勝利です。
そうでない場合は、ピリオド間で得たポイントの多い方が勝利です。
くり出す技で、1点、2点、4点、5点の4種類のポイントがあります。
例えば、場外に出た場合は1点を取られます。
ポイント差が、男子フリースタイルと女子で10点差、男子グレコローマンでは8点差ついた場合、テクニカルフォールとなります。
また勝負に挑まない選手には、警告(コーション)で1点取られます。
警告を3度受けたら警告失格です。

ユニフォームの規定

選手は赤か青のシングレット(ユニフォーム)を着用して試合にのぞみます。
出血などケガに備えて、白いハンカチをシングレット内に用意していないと失格です。
ですが実際、出血などをしてもハンカチは使われません。

レスリングの見どころは

レスリングを見る際のポイントをランダムに挙げました。

体と体でバトルする真剣勝負

古代オリンピックからレスリングは見る人を熱くしてきました。
それは体重差もなくフェアな条件のもと、鍛えられた肉体と精神力で戦うシンプルさにあります。

フリースタイルはスピードが魅力

基本がタックルです。
お互い低姿勢でタックルを狙い合います。
一瞬で、隙をつかれて背後に回られたり、技をかけられたり、強豪選手になればなるほどスピード感が増します。

スリリングな展開の3分間

3分間の2ピリオドで勝敗が決まります。
決まらない場合は延長などがありますが、レスリングはとにかく時間との戦いでもあります。
ポイントを取った選手が逃げ切れるか。
時間内に追いつき、追い越せるか。
ハラハラする展開が醍醐味です。

一発逆転のフォール勝ちに興奮

試合時間が残りあと数秒で逆転のフォール勝ちや、予想もつかないどんでん返しなど、選手の攻防からは目が離せません。

グレコローマンは力強い投げ技に魅了

上半身のみを使って戦うグレコローマンは、迫力ある投げ技など、大技を仕掛け合うシーンはまさに格闘技といえます。

東新住建レスリング部について

東新住建は創業40年余り経ちます。
当社は「ほしいものを、つくります」を企業理念に住まいづくりを通じて、地域社会とそこで暮らす人々に夢や感動を提供することをめざしてきました。

アスリートもスポーツを通して人々に夢や感動を提供しています。
夢を追い、目標をかなえるために日々精進する姿勢には、共通する思いがあります。
中部地区の地元企業として、地元の大学で活躍している女子レスリング選手たち。

彼女たちの卒業後の競技生活をバックアップすることは、地域社会にとっても大きな貢献です。
そのような理由から、2014年に東新住建女子レスリング部を創部しました。
現在、「伊藤彩香選手」、「登板絵莉選手」、「土性沙羅選手」の3選手が在籍しています。
選手は社員とアスリートの二刀流で活躍しています。
これからも才能豊かなアスリートと、次世代を担う若いアスリートを支援していきます。

選手紹介

伊藤選手、登坂選手、土性選手ら東新住建レスリング部員のプロフィールや最近の戦績を紹介します。

伊藤彩香(2015年4月入社、至学館大学卒)

好きな言葉や好きなもの、モットー

Q.好きな言葉は?
A.なんとかなる

Q.好きなものは?
A.父の影響で阪神タイガースのファンです。フリーな時間ができると、1軍2軍関係なく球場に出かけて応援しています。

Q.1週間おやすみが取れたら?
A.海外旅行。ヨーロッパに行きたいです

Q.東新住建の社員としてのモットーは?
A.結果を出すこと。これが会社に対する最大の貢献だと思っています。またレスリングを知っていただくきっかけになればいいですね。

最近の戦績

2016年 アジア選手権 60kg 2位
明治杯全日本選抜レスリング選手権 60kg 2位
全日本社会人選手権 63kg 優勝 2連覇
ビル・ファーレル国際大会 63kg 優勝 2連覇
ゴールデンGP決勝大会 60kg 3位
天皇杯全日本レスリング選手権 63kg 優勝  2年連続3度目の優勝
2017年 明治杯全日本選抜レスリング選手権 63kg 優勝
2018年 明治杯全日本選抜レスリング選手権 65kg 優勝

登坂絵莉(2016年4月入社、至学館大学卒)

好きな言葉や好きなもの、モットー

Q.好きな言葉は?
A.まじめが一番/執念

Q.好きなものは?
Aチョコレート、カラオケ、好きなことは買い物

Q.1週間おやすみが取れたら?
A.買い物に行ったり、のんびりしたりしたいですね。実家でゆっくりするのも普段できないのであこがれます

Q.東新住建の社員としてのモットーは?
A.今はレスリングだけに集中できる環境をいただいています。ですから自分自身の仕事として結果を出して恩返ししたいです

最近の戦績

2015年 明治杯全日本選抜レスリング選手権 48kg 優勝 明治杯4連覇
世界選手権(アメリカ) 48kg 優勝 世界選手権3連覇
天皇杯全日本レスリング選手権 53kg 優勝 天皇杯4連覇
2016年 アジア選手権(タイ) 48kg 3位
リオデジャネイロ オリンピック 48kg 優勝
2017年 全日本女子オープン選手権 53kg 優勝
天皇杯全日本レスリング選手権 50kg 3位 準決勝棄権
2018年 明治杯全日本選抜レスリング選手権 50kg 3位

土性沙羅(2017年4月入社、至学館大学卒)

好きな言葉や好きなもの、モットー

Q.好きな言葉は?
A.やらない後悔よりやる後悔

Q.好きなものは?
A.漫画は読むのも書くのも好きです。
昔からBUMP OF CHICKENが好きで、ライブも彩香さんと一緒に行くこともあります

Q.1週間おやすみが取れたら?
A.買い物をしたり、家でゆっくり漫画を読んだりしたいですね

Q.東新住建の社員としてのモットーは?
A.オリンピックの金メダリストとして、 一人の人間として、会社や社会に貢献したい

最近の戦績

2015年 明治杯全日本選抜レスリング選手権 69kg 優勝 明治杯3連覇
世界選手権(アメリカ) 69kg 3位
天皇杯全日本レスリング選手権 69kg 優勝
2016年 アジア選手権(タイ) 69kg 優勝
リオデジャネイロ オリンピック 69kg 優勝
天皇杯全日本レスリング選手権 69kg 優勝
2017年 アジア選手権(インド) 69kg 優勝
明治杯全日本選抜レスリング選手権 69kg 優勝
世界選手権(フランス) 69kg 優勝
天皇杯全日本レスリング選手権 68kg 優勝 天皇杯7連覇(67・69kg級と合わせて)
2018年 ワールドカップ(日本) 団体68kg 優勝

東新住建レスリング部についての情報が満載!
東新住建レスリング部ホームページ

まとめ

レスリングの魅力をお分かりいただけたでしょうか。
お近くで大会があれば、ぜひ観戦することをおすすめします。
テレビとは違った生の迫力、躍動感やスピード感にひきつけられるはずです。
2年後に迫った東京オリンピックを照準に、東新住建レスリング部員も練習にいっそう熱が入っています。