2019年10月1日より、消費税が10%に増税されます。住宅を購入する際にも建物価格は課税対象ですので、消費税が8%から10%に2%上昇します。リフォームも同様です。
これによって住宅を取得しにくくなることを避けるために、いくつもの優遇措置が定められました。
中には「単にお金がもらえるだけ」というオトクな制度もあります。まとめてみましたので、あなたはどれにあたるか、ぜひチェックしてみてください。
1. 住宅ローン減税
ローンをして住宅を購入したときに、ローンの残高に応じて所得税が安くなる、住宅ローン減税。ローンで購入した人のほとんどが活用しているこの制度。年末調整や確定申告で毎年資料を出しているよ、という人も多いのではないでしょうか?
通常10年間の住宅ローン減税期間ですが、この時期に住宅を購入した人は、期間が3年間延長され、全部で13年間となります。
入居期限は2020年12月!
住宅ローン減税の延長がされるのは2020年12月までに入居した方という条件があります。期限が近づくと駆け込み需要が発生して工期などに遅れが出ることも。新築・リフォームをお考えの方は、ハウスメーカーなどに早めにご相談ください。
より詳しくは?
住宅ローン減税は「所得税」の減税です。これは国税なので、お近くの税務署にご相談ください。
住宅ローン減税について(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
2. すまい給付金
すまい給付金とは、前回の消費税引き上げに伴って作られた制度で「家を買うとお金がもらえる」という制度です。
対象は年収775万円以下のひとすべて
すまい給付金を利用できる方には、条件があります。所得上限が主な内容となっています。「住宅ローン減税」が、所得税からの減税が原則なので、所得が多い人にとってはメリットがありますが、所得の少ない方にとっては、減税幅が小さいという問題が有り、主に所得の少ない方のための制度として、すまい給付金が作られた、という背景があります。
貰える金額は最大50万円
すまい給付金の給付額は、収入によって異なります。厳密には住民税の額で決まるのですが、夫婦(妻は収入なし)及び中学生以下の子ども2名というモデル世帯において計算すると、上記のような区分になります。これまでは、収入の目安が510万円までだったのですが、今回の増税を機に、上限が775万円まで引き上げられました。
すまい給付金は住宅ローン減税を補完するものですので、住宅に対してもいくつか条件があります。主には上の表のような内容になっています。
引き渡しは2021年12月末!
すまい給付金の緩和は2021年12月末までに引き渡しを受け、入居した方に限られます。新築・中古住宅をお考えの方は、早目の行動をおすすめします。
より詳しくは?
すまい給付金は国土交通省が管轄している制度です。問い合わせ先としては、給付金の窓口になります。サイトなどにも詳しい説明があるので興味があるかたはぜひご確認ください。
すまい給付金サイト http://sumai-kyufu.jp/
3. 次世代住宅ポイント制度
一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能を満たす住宅や家事負担の軽減に資する住宅の新築やリフォームに対して、商品と交換可能なポイントが付与される制度です。
対象となる住宅
次世代住宅ポイント制度とは、消費税率の10%への引き上げに伴い、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や家事負担の軽減に資する住宅の新築やリフォームをした場合に、さまざまな商品と交換できるポイントを発行する制度です。ポイント好きの国民性に訴える施策となっています。
何と交換できるの?
交換できる商品には様々なものがあります。家電から食料品、防災用品までさまざまなものが用意されているので、新しい家で新生活を始めようという方には便利な制度になっています。
契約期限は2020年3月末!
この制度を活用するには、2020年3月末までに住宅購入の契約の締結をする必要があります。
より詳しくは?
次世代住宅ポイントは国土交通省の制度です。専用ホームページ https://www.jisedai-points.jp/ からの問い合わせが可能です。対象商品や内容がかなり細かく記載されており、また、契約期限が迫っているので、まずはハウスメーカーやリフォーム会社さんに相談してみることをおすすめします。
4. 贈与税非課税枠が最大3,000万に
父母や祖父母など、直系の親族から住宅取得資金の贈与を受けたとき、通常、1,200万円まで贈与税がかからないという特例があります。
制度の概要
制度の概要は上記のようになっています。住宅を購入するための資金を、祖父母や親から贈与してもらったとき、その金額に対して税金がかからないという制度です。高齢者の貯蓄を現役世代に移転する税制として、長く支持されている制度です。今回、消費税の引き上げに伴い、非課税枠が大幅に引き上げられました。
住宅は購入だけではなく、新築、中古、リフォーム、いずれも認められています。ただし、もらったお金を全部住宅に使うことが条件です。
非課税枠は上記のとおりです。契約年度によって上限枠が異なりますが、先になるほど控除の上限額が小さくなってしまいます。
対象者
この制度の対象となるためにはいくつかの条件があります。
いずれも「お金を貰う側」のひとの条件です。
- 贈与時に日本国内に住所があること
- 贈与時に贈与者の直系卑属であること
- 贈与年の1月1日において、20歳以上であること
- 贈与年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 贈与年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて、住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等をすること
- 贈与年の翌年3月15日までに、その家屋に居住すること、または同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であるとみこまれること。
- 確定申告をすること
上記の通り、普通に両親や祖父母からもらって、そのまま家を建てた場合は、期限さえ守れば適用されます。
対象となる住宅
住宅に関しても制限事項があります。主なものは下記です。
- 床面積が50㎡以上240㎡以下
- 2分の1以上が、贈与を受けた人が住む場所になること
- 下記のいずれかに該当するもの
- 新築
- 築20年未満(耐火建築物の場合25年)
- 耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険証明書などがあること
- 増改築の場合、増改築等工事証明書があること
- 増改築の場合、工事に要した費用が100万円以上であること
上記は主な内容です。実際にはもっと細かい規定があるので、税務署などに確認が必要です。
期限は2020年3月末まで
以上、消費税引き上げに伴う、住宅取得に関する優遇措置を解説しました。住宅を取得する予定の方は、忘れずにご活用ください。
まとめ
このように、消費税引き上げ後でも、有利に住宅を手に入れる方法があります。
しかし、注意してほしいのは、いずれも、期限がある、ということです。住宅の取引には時間がかかることもあります。住み替えをご検討中の方はハウスメーカーやリフォーム業者さんに早めにご相談されることをおすすめします。