いよいよ年度末。就職や入社、転勤などで新しい住まいを探さなくてはいけない時期です。賃貸物件を探していると「契約一時金」や「入居契約料」というような項目があるのに気がついた方もいらっしゃるかもしれません。敷金、礼金とは別に記載されていて、何のために払う費用なのかはっきりわからないものも。ここでは「契約一時金」や「入庫契約料」とは何か、敷金、礼金との違い、どのようなときに支払うのか、注意するポイントについて解説します。
部屋を借りるときの費用
賃貸物件を借りるときの費用には一般的に家賃、管理費、保険料、敷金、礼金、仲介手数料があります。内容を簡単に解説すると次の通りです。
家賃・賃料:月々の部屋を借りる代金
管理費、共益費:物件の共用部分の維持管理のために支払う代金
保険料:契約期間中の火災、地震、損害保険料等
敷金:家賃の滞納や物件を損傷したような場合に充当するために家主に預けておくもの
礼金:家主へのお礼にあたるもの。退去時には返還されない
仲介手数料:不動産業者に支払われる手数料
契約一時金・入居契約料とは?
今回とりあげる契約一時金・入居契約料は、賃貸契約時に請求される初期費用の一部です。敷金や礼金のように一般的に認知されている費用ではなく、地域によっては契約一時金、入居契約料というものが存在しないところもあります。ネットで賃貸物件を探してみると、敷金、礼金、管理費、の記載はあっても、契約一時金、入居契約料の記述があるものは多くはありません。金額は物件の賃料や地域によってさまざまで、鍵の交換費用や消火設備の代金、消臭抗菌費用などの内訳を一時金として表示している業者もあります。不動産業者に対する紹介料や原状回復費用に使われたりすることもあるようで用途がはっきりしないことも・・・。注意が必要なのは、契約一時金・入居契約料は礼金と同じで契約終了時に返ってくるものではない、ということです。敷金・礼金との違いを理解するためにそもそも敷金・礼金とはなにか、について詳しく解説します。
敷金・礼金とは?
敷金、礼金は賃貸物件を借りるときに必要になる一般的な費用です。物件の表示に敷金1、礼金1と書いてあれば「敷金と礼金はそれぞれ月額賃料の1か月分」ということです。敷金は家主が家賃を滞納した場合や、通常の使用方法であればつかないような傷や汚れをつけたときに差し引くための預かり金の位置づけ。退去時に修繕・修復の費用に充当され、残りが借主に返還されます。敷金が何に充当されるかは契約で規定されていることがほとんどで内容をよく確認しておくことで退去時のトラブルを防ぐことができます。一方、礼金は家主に対するお礼の意味合いで支払われるもので、契約の終了時には返金されないお金です。
契約一時金・入居契約料ができた経緯
では契約一時金、入居契約料はどのようにしてできたものなのでしょうか。理由の一つ目は、いままでの敷金の使われ方に由来しています。家主が敷金を充当する範囲を広く解釈して、経年変化による傷や清掃費用といった本来であれば家主が負担するべき費用を敷金から差し引くことが慣例化していました。この運用が問題視されて敷金を返還する、しないのトラブル事例が多発したことから、新たに契約一時金、入居契約料として補修・清掃費用をあらかじめ徴収するようにした、というわけです。理由の二つ目は礼金という概念が受け入れられなくなりつつあることに起因しています。礼金はもともと家主に対するお礼の意味合いで、家主の立場が強かった時代の名残でもあります。いまでは賃料や管理費を支払えば十分だという考えもあり、敷金・礼金0という契約も増えています。このことから契約一時金、入居契約料として礼金に当たるお金を徴収するほうが受け入れられやすいため使用されるようになりました。
契約一時金・入居契約料について注意することは?
物件を借りるときに注意することは、賃料、管理費、敷金、礼金、仲介手数料と合わせて契約一時金・入居契約料の内容を確認することです。仲介手数料、礼金も請求されているのに契約一時金を請求されているとか、何のための費用かが明示されていないというような場合は内容を確認。契約一時金の内容は何なのか、誰に対して支払うものなのか、返還されるのかされないのかを聞いて、納得できない場合は説明を求めてください。あいまいなまま契約しないようにしましょう。
まとめ
契約一時金・入居契約料についてご紹介しました。賃貸物件を探すとき、業者と対等に渡り合うには知識が必要。情報を集めていろいろな物件を比較して決めることが大切です。気持ちよく新生活を向かえるために納得の部屋探しをするための参考にしてみてください。また、以下の関連記事もご参照ください。
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