「土地から探すべきか、それとも住宅会社を先に決めるべきか」
注文住宅や建売住宅の購入を考え始めたとき、最初に迷う問いのひとつがこれです。インターネットで検索すると「土地先行派」と「住宅会社先行派」、それぞれの主張が並んでいて、どちらが正しいのかますます分からなくなった経験がある方もいるのではないでしょうか。
今回は967名のアンケートデータをもとに、「実際の購入検討者はどういう順番で土地探しを進めているのか」「どんな手段を使っているのか」を見ていきます。
調査の概要
– 対象: 住宅購入を検討している、または過去に検討したことがある男女
– 回答者数: 967名
– 調査方法: インターネットアンケート
– 質問形式: Q4は単一回答(土地探しのタイミング)、Q5は複数回答(土地探しの方法)
まず知っておきたい:実は半数近くが「土地探し未着手」か「すでに持っている」
土地探しのタイミングを聞く前に、全体の構成を把握しておきましょう。

| 回答 | 人数 | 割合 |
| 住宅会社を決める前に土地を探し始めた | 198名 | 20.5% |
| 住宅会社と並行して土地を探した | 262名 | 27.1% |
| 住宅会社を決めた後に一緒に探した | 57名 | 5.9% |
| まだ土地探しはしていない | 209名 | 21.6% |
| 土地はすでに持っている | 241名 | 24.9% |
注目したいのは、「まだ土地探しはしていない」(21.6%)と「土地はすでに持っている」(24.9%)を合わせると46.5%にのぼること。約半数の方にとって、「土地をどう探すか」はまだ先の話だったり、すでに解決済みの話だったりするわけです。
「土地はすでに持っている」という回答は特に60代(38.3%)・70代以上(45.6%)で多く、親から相続した土地や、長年保有していた土地への建築が背景にあると考えられます。住宅購入といっても、ゼロから土地を探す人ばかりではないのです。
土地を探した人の「3つのパターン」
実際に土地探しを行った517名(Q4が1・2・3と回答した方)に絞って見ると、タイミングの分布は以下のようになります。
– 先行型(住宅会社を決める前に探し始めた):198名・38.3%
– 並行型(住宅会社と同時並行で探した):262名・50.7%
– 後追い型(住宅会社を決めた後に一緒に探した):57名・11.0%
最も多いのは「並行型」の50.7%。住宅会社への相談と土地探しを同時に進めるというスタイルが、実際の購入者の中では主流であることがわかります。
次いで「先行型」が38.3%。「まず土地ありき」で動く人も4割近くおり、2つのパターンが拮抗している形です。「後追い型」は11%と少数派で、住宅会社を決定してから土地を探すというケースは、実は多くありません。
タイミング別に見ると「探し方」が大きく変わる

さらに興味深いのは、土地探しのタイミングによって、使っているツールや方法が大きく異なることです。
先行型(住宅会社より先に土地探し)
先行型の人が多く使うのは、「不動産ポータルサイト」(43.9%)と「不動産会社への直接問合せ・来店」(42.9%)。住宅会社がまだ決まっていない段階では、自分で情報を集めに行くスタイルが中心になります。「現地(周辺エリア)を自分で回った」も25.8%と比較的高く、足を使って探す傾向が見られます。
並行型(住宅会社と同時進行で土地探し)
並行型になると様相が変わります。「住宅メーカー・工務店に相談して紹介してもらった」が50.8%と一気に増え、最多の手段になります。ポータルサイト(47.3%)・不動産会社直接(47.7%)も引き続き高く、複数の経路を組み合わせながら情報収集する動きが読み取れます。
後追い型(住宅会社を決めた後に土地探し)
後追い型では、「住宅メーカー・工務店に相談して紹介してもらった」が52.6%とほぼ最重要手段となり、ポータルサイトは17.5%まで下がります。住宅会社を先に決めているだけあって、そこからの紹介ルートが土地探しの主軸になるのは自然な流れです。
この3つのパターンからわかるのは、「いつ探し始めるか」によって「誰に頼るか」が変わるということ。先に自分で動く人は自力で情報収集し、住宅会社と並走する人や後から探す人は、住宅会社のネットワークを活用する割合が高まるのです。
全体の土地探しツールランキング
土地探し経験者758名(Q4=1・2・3・5)全体での利用率を見ると、上位3つがほぼ横並びになっています。
| 手段 | 利用率 |
| 不動産ポータルサイト(SUUMO・HOME’S等) | 32.1% |
| 不動産会社へ直接問合せ・来店 | 31.4% |
| 住宅メーカー・工務店に相談して紹介してもらった | 30.9% |
| 土地情報紙・折込チラシ | 19.9% |
| 現地(周辺エリア)を自分で回った | 19.5% |
| 知人・家族からの紹介 | 17.8% |
| SNS(Instagram・X等)での情報収集 | 9.2% |
トップ3の差はわずか1.2ポイント。「ポータルサイトで検索」「不動産会社に直接行く」「住宅会社に紹介してもらう」という3つの手段が同程度に使われており、どれかが圧倒的に主流、という状況にはなっていません。
一方で、SNS(9.2%)はまだ利用率は低いものの、若い世代での普及が進んでいます。20〜30代では13〜14%と全体平均を上回る水準で使われており、土地探しの情報収集手段としても少しずつ存在感を増しています。
年代別に見る「土地探しのスタンス」
年代別のデータを見ると、世代ごとに際立った違いがあります。
30代(N=211)では、並行型が42.7%と全年代で突出して高くなっています。子育てのタイムラインを意識しながら、住宅会社探しと土地探しを同時進行させる、いわば「マルチタスク型」の行動パターンが30代の特徴と言えそうです。
20代(N=61)は先行型が29.5%とやや高め。住宅会社の良し悪しがまだわからない段階で、まず「どんな土地があるか」「相場はどのくらいか」を把握しようとする動きが見えます。
対照的に、60代以上になると「土地はすでに持っている」が大きな比率を占めます(60代38.3%、70代以上45.6%)。この世代の住宅購入は、一から土地を探す「新規購入」よりも、既保有地への建築や建て替えが多いことがうかがえます。
「先に探す」「後から探す」、どちらが正解?
データを見ていると、「こちらが正解」とは言えないことがよくわかります。どのタイミングで動いても、それぞれに適したやり方があるからです。
ただ、一つ言えることがあります。並行型(50.7%)が最多であることは、「土地探しと住宅会社探しを完全に切り離してやろうとすると難しくなる」という現実の裏返しかもしれません。土地の広さや向き、接道状況によって建てられる家の形が変わる以上、住宅会社と一緒に土地を見極めていくプロセスには合理的な理由があります。
「先に土地を探して、気に入った土地が見つかってから住宅会社を探した」という先行型の人も、実際に住宅会社が決まった後は並行型に近い動きになっていたケースが多いと考えられます。つまり、「純粋な先行型」はそれほど多くなく、行動の途中でいずれかのパターンに合流していくのが実態に近いのかもしれません。
まとめ——「タイミングよりも、複数経路で探すこと」
今回の調査から見えてきたことをまとめます。
土地探しのタイミングは、並行型(51%)が最多で、先行型(38%)がそれに続きます。どちらが多い・少ないという話よりも重要なのは、使う手段を一つに絞らないことです。
トップ3の探し方(ポータルサイト・不動産会社・住宅会社紹介)がほぼ同率で使われているのは偶然ではなく、それぞれに見つかりやすい土地の種類が違うからでもあります。ポータルに出ない未公開物件が不動産会社のルートで見つかることもあれば、住宅会社のネットワークにしか来ない情報もある。複数の経路を並走させることが、希望の土地に出会う確率を高める、という現実がこのデータに表れています。
次回は、土地探しで「何に困ったか」——実際に探した人たちが感じた課題のリアルを、データで見ていきます。
本記事は、住宅購入を検討する男女967名を対象に実施したインターネットアンケート調査のデータをもとに作成しています。Q5の設問はQ4で土地探しを実施した回答者を対象としています。



















