「子供が喜び、のびのびと生活できるにはどうしたら良いのだろう」と、1人で悩んでいないでしょうか。
シングルファーザーにとって、家選びは単なる住居の選定以上の意味を持ちます。仕事と育児を両立する中で理想的な住環境を整えることは、親としての大切な役割です。
この記事では、シングルファーザーの家選びについて解説します。シングルファーザー家庭の経済事情や、子供の性別で気にかける家選びのポイントについても紹介していきます。
子供たちとの有意義な時間を過ごせる、理想の住まい探しのヒントとなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事で分かること】 ・シングルファーザーの世帯数や世帯年収が分かります。 ・住まいづくりでシングルファーザーが配慮したいポイントを解説しています。 ・子供の性別によって、家選びはそれぞれどのような点を気にかけるべきでしょうか。 |
シングルファーザー家庭の経済事情
シングルファーザー家庭の経済事情は、日本の全体やシングルマザー世帯と比べてどうでしょうか。まずは、シングルファーザー家庭の経済事情について、解説します。
日本の平均世帯年収とほぼ同等
厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」によると、シングルファーザーの平均年収は約496万円で、これは日本の平均世帯年収とほぼ同等です。仕事も正社員として働いている方が多く、シングルマザーと比べて収入が安定しているのが特徴です。
子どもの成長と共に教育費がかさんでいくことや、将来の貯蓄など、考えるべきことはたくさんあります。そこで賃貸と持ち家、どちらが良いか悩むところでしょう。
経済的に全く不安がないわけではありませんが、子育てがしやすい戸建の購入も夢ではありません。賃貸と持ち家のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
賃貸 | ・初期費用が抑えられる・住み替えがしやすい・修繕や管理の負担が少ない | ・家賃を払い続ける必要がある・ペット飼育や楽器演奏などに制限がある・将来的な資産にならない |
持ち家 | ・資産になる・ペット飼育や楽器演奏などの制限が少ない・庭がある場合はガーデニングやバーベキューなどが楽しめる | ・初期費用が高い・住宅ローンの負担がある・修繕や管理の責任がある |
シングルファーザーの住まい選びは、様々な要素を考慮する必要があります。賃貸と持ち家、それぞれのメリットとデメリットを理解し、家族にとって最適な選択が大切です。
シングルマザー家庭と比較してゆとりはあるが、独自のやりにくさも
厚生労働省の同調査によれば、シングルマザーの平均年収は236万円で、シングルファーザー家庭の方が収入は2倍以上と、ゆとりがあります。シングルマザー家庭は、パートやアルバイトを掛け持ちするなど、非正規雇用で働く方が多いのに対し、シングルファーザー家庭は、正社員として働く方がほとんどです。
収入面でゆとりがあるのであれば、シングルマザー家庭に比べて、問題が少ないように思いますが、ひとり親であることには変わりません。
・すべてのシングルファーザー家庭が「ゆとり」があるわけではない
統計上は、シングルマザー家庭よりも余裕があるようにみえますが、あくまで統計であって、すべてのシングルファーザー家庭の家計に余裕があるわけではありません。中には、苦しい生活の中、一人で子育てを頑張っている家庭もあります。
・「ひとり親」であることに変わりはない
ひとり親であることから、子どもの送り迎えや、病気の時の対応など、すべて一人でする必要があります。もちろん、学校の保護者同士の集まりなども父親だけで参加することになります。子育てを一人でしなければならないプレッシャーに変わりはありません。
・周囲の理解を得にくい
収入面でシングルマザーよりも余裕があることから、ひとり親である大変さが周辺になかなか伝わりません。「子育てをしている」というと、配偶者がいることが当たり前のように思われます。わざわざ「シングルです」というきっかけを無くして、職場などでもひとり親であることを言えないまま一人で育てている人も。
後悔しないために考えるシングルファーザーの家選び
仕事に育児に、自分の時間がほとんどない中で、家事まで完璧にこなすのは至難の業です。しかし、家選びを工夫するだけで、日々の負担を減らし、子供との時間を豊かにできます。ここでは、シングルファーザーが後悔しない家選びのポイントを解説します。
家事負担を減らす家選びが大切
シングルファーザーにとって、家事の負担を減らすことは、生活の質を向上させる上で非常に重要です。仕事と育児の両立だけでも大変なのに、さらに家事に追われる生活を想像しただけで疲れてしまいます。
例えば、食洗器付のキッチンを選ぶ、ドラム式洗濯機を導入できるスペースを確保するなどです。家事の負担を減らすことで心に余裕が生まれ、子供との時間を大切にしたり、自分の趣味を楽しんだりできます。
子供が引きこもりにならない間取りを選ぶ
思春期になると、親子の会話が減ってしまうのはある程度仕方ないことですが、まったく顔を合わせないというのは避けたいです。子供が安心して過ごせる空間を提供することで、健やかな成長をサポートできます。
引きこもりにならないようにするポイントは、自分の部屋を子供にとって居心地が良すぎる場所にしないことで、広いスペースにゲームや漫画が溢れ返っている、というのも考えものです。
また、他にもWi-Fi環境を遮断するなど考慮すべきポイントがあります。
リビングなどで家族の会話が増えれば、子供も孤立することなく、安心して自分の部屋で過ごせるでしょう。
子供とコミュニケーションを取ることを意識する
思春期を迎えた子供は、親とのコミュニケーションを避ける傾向があります。しかし、工夫次第で、自然に会話が生まれるような環境作りが可能です。
たとえば、リビング階段や吹き抜け、ベランダから玄関が見える間取りなどです。リビング階段なら、子供が2階に上がる際に必ずリビングを通るので、顔を合わせる機会が増えます。吹き抜けがあれば、2階にいる子供とも日常生活の中で自然に会話ができます。
また、ベランダから玄関が見える間取りなら、子供が帰宅した時にすぐに気づくことが可能です。
成長に合わせた住環境を用意する
子供の成長とともに変化するニーズに対応できる家を選び、親子で一緒に成長していける住まいづくりを目指しましょう。子供は日々成長し、それに伴い必要なものも変化していきます。子供の成長に合わせて、家の間取りやインテリアを変えていくことで、常に快適な住環境を提供できます。
子供が小さいうちは、リビングで一緒に遊べるような広いスペースを確保し、成長に合わせて個室を用意するなど、柔軟に対応できる間取りが理想です。
子供の性別で気にかけたい家選びのポイント
子供の性別によって、家選びの際に気にかけるべきポイントは異なります。ここでは、男の子と女の子、それぞれの性別に合わせた家選びのポイントを解説します。
子供が男の子の場合
男の子を持つシングルファーザーとして、まず頭に浮かぶのは「元気いっぱい」「ヤンチャ」「思春期の反抗」といったキーワードではないでしょうか。男の子がのびのびと育つためには、広々とした空間とプライバシーが確保できる家がおすすめです。
男の子は体を動かすのが大好きです。家の中でも思いっきり遊べるスペースがあれば、ストレスを溜めずに済みます。小さいうちは、庭があればボール遊びや鬼ごっこが楽しめます。
例えば、広めのリビングで、子供が友達を呼んで遊べるような家です。小学生になると、複数の友達と集まって、大きな画面で身体を動かしながらテレビゲームを楽しむこともあるでしょう。
また、思春期になると自分の空間を欲しがりますが、個室や趣味の部屋があれば、親子関係も良好に保てます。
子供が女の子の場合
女の子がいる家庭では、セキュリティ面を特に重視する必要があります。思春期の女の子は、一人で外出する機会も増え、何かと心配事が尽きません。
・人通りの多い明るい道沿いにあるか
・近くに交番やコンビニエンスストアなどがあるか
家選びの際には、まず安心して暮らせる環境かどうかを自分の目で確かめることが大切です。最近では、ホームセキュリティシステムを導入している家も増えています。月々の費用はかかりますが、24時間体制で監視してくれるので、より安心して暮らせるでしょう。
さらに、女の子のプライバシーを守ることも重要です。女の子は、思春期になると自分の部屋で過ごす時間が増えます。個室があれば、自分の好きなように空間をアレンジできますし、友達を呼んで楽しい時間を過ごすことも可能です。収納スペースが充実していれば、洋服や小物など、女の子の大切なものを整理整頓できます。
【統計】シングルファーザーの家庭はどれくらいある?
厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」では、シングルファーザーの家庭は14.9万世帯で、シングルマザーの家庭の約1/8となっています。
ちなみに、平成28年度の調査結果ではシングルファーザーの過程は18.7万世帯だったため、シングルファーザーの世帯数は減少しています。
母子世帯 | 父子世帯 | |
世帯数 | 119.5万世帯 | 14.9万世帯 |
ひとり親世帯になった理由 | 離婚 79.5%死別 5.3% | 離婚 69.7%死別 21.3% |
シングルファーザーになることは、経済的な負担や育児と仕事の両立など、多くの困難を伴うことがあります。シングルファーザーに関する支援制度や情報も充実してきていますので、一人で抱え込まずに、周りのサポートを活用することも大切です。
経済的にある程度の余裕がある方は、持ち家の購入を検討してみましょう。戸建ては集合住宅と比べて、プライバシーが確保しやすく、子供がのびのびと過ごせます。また、庭があれば子供が遊べますし、間取りも子育てのしやすいように工夫できます。
まとめ
仕事と家事の両立が大変なシングルファーザーは、まずは家事負担を軽減し、子供との時間を作れる住まいづくりが大切です。
家事負担を減らすためには、例えば食洗機や乾燥機付き洗濯機などの時短家電の導入、リビングとダイニングがつながった間取りの家を選ぶと良いでしょう。子供とのコミュニケーションを意識した間取りにするためには、リビング階段や吹き抜けなどを取り入れる方法があります。
子供の性別によっても、家選びのポイントは異なります。男の子の場合は、広々とした空間と趣味など好きなものを大切にできる家、女の子の場合は、セキュリティ面とプライバシーに配慮した家を選ぶことが大切です。
戸建ては集合住宅に比べてプライバシーが確保しやすく、子供の成長に合わせてのびのびと過ごせます。庭があればそこで子供が遊べますし、間取りも子育てしやすいように柔軟に変更できます。経済的に余裕がある方は、戸建て購入を検討してみてはいかがでしょうか。