名古屋市の治安を調査!県民へのアンケート・犯罪認知件数から考える治安の良い区・悪い区はどこ?

16の区がある名古屋市内で、どの区に住むかを検討するうえでの重要な要素の1つが治安の良し悪しです。

そして、各区に住んでいる住民の意見・各区の犯罪認知件数が、その区の治安の良し悪しを判断する手がかりになります。

そこで、この記事では愛知県民へ実際に行ったアンケート・愛知県警察が発表した犯罪認知件数を元に、名古屋市内の治安が良い区・悪い区をそれぞれランキング形式で紹介します。

最後には安全に暮らすための注意点も併せて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事で分かること】
・愛知県民を対象にした、名古屋市の治安に関するアンケート結果を掲載しています。
・名古屋市16区における、それぞれのエリアイメージが分かります。
・各区の犯罪認知件数や、他の大都市と比較した犯罪件数を調査しました。

 愛知県民400人へのアンケートから考える市内の治安

本メディアでは、400人の愛知県民に対して名古屋市各区の治安に関するアンケートを実施しました。

この章では、そのアンケート結果を元に名古屋市内で治安の良い区・悪い区をランキング形式で紹介します。なぜ選んだのか、住民の声も併せて紹介するので、各区の治安を判断する参考にしてください。

愛知県民が思う治安の良い区ランキング

順位区名
1位名東区
2位緑区
3位昭和区
4位千種区
5位天白区
6位瑞穂区
7位東区
8位守山区
9位熱田区
10位中区
11位北区
12位中村区
13位南区
14位港区
15位西区
16位中川区

愛知県民に聞いた、名古屋市で治安が良いと思う区ランキングは上記のようになりました。

上位4つの区は、以下の共通した理由から「治安が良い」と感じる方が多いようです。

  • 犯罪件数が少ない
  • 閑静な住宅街
  • ファミリー層が多い
  • 自然がある
  • 教育水準が高い

以下で、実際の回答者の声を紹介しましょう。

【名東区】治安の良い区に選んだ理由

名古屋の中心部から適度に離れた丘陵地帯のベッドタウンとして知られる名東区は、治安の面でもいいイメージを持たれているようです。

  •  インフラ整備も良く犯罪件数が少ないから
  • ファミリー層が多い
  • 閑静な住宅街だから
  • 教育レベルが高いから
  • 郊外で住宅地域だから
  • 相対的に富裕層が多い

【緑区】治安の良い区に選んだ理由

緑区は、その名の通り、自然を活かした公園の多いイメージがあり、犯罪が多いというイメージはあまりないようです。

  • 悪いニュースを聞くことが少ない
  • 街が落ち着いていると思う
  • 歓楽街ではないので
  • 子育てに向いているイメージがあるから
  • 住んでいるがトラブルに巻き込まれたことがないから
  • 名古屋でも郊外で新興住宅街が多いので

【昭和区】治安の良い区に選んだ理由

名古屋近郊の中でも特に高級住宅街があることで知られる昭和区は、治安の面でも安心して住むことができそうです。

  • あまり事件を聞かないため
  • イメージが良い
  • おおきな警察署があるから
  • お金持ちが多い地域なので、上品な人も多いから
  • 緑がある
  • 一軒家が多い

【千種区】治安の良い区に選んだ理由

昭和区と同じく、高級住宅街のイメージが有るため、閑静な住宅街で犯罪のイメージはあまり持たれていないようです。

  • 外国人が少ない
  • 事件をあまり聞かない
  • 高級住宅地でセキュリティがしっかりしていそう
  • 星ヶ丘など高級住宅街があり、区全体として防犯意識が高いと考えたため。
  • 昔から教育水準が高い

愛知県民が思う治安の悪い区ランキング

前章に対して、下位層にランクインしている区は繁華街・歓楽街として利用する方が多い地域です。

やはり、遊ぶ場所や行き交う人が多いにぎやかな場所は、治安が悪いイメージを持たれやすいのでしょう。

順位区名
1位中区
2位中村区
3位港区
4位中川区
5位南区
6位西区
7位千種区
8位熱田区
9位北区
10位守山区
11位東区
12位名東区
13位天白区
14位緑区
15位瑞穂区
16位昭和区

愛知県民に聞いた、名古屋市の治安が悪いと思う区ランキングは上記のようになりました。

治安が良いと思うランキングをそのまま逆さまにした結果にはなりませんでしたが、上位グループと下位グループが入れ替わったような形ですね。

治安が悪いと思われる区においても、以下の共通した理由があります。

  • 飲食店や遊び場が多く、夜遅い時間でも賑わっている
  • ヤンキーや反社会的な人が多い
  • 事件・事故が多い
  • 外国人が多い

繁華街・歓楽街エリアは、遊びに行く場所としては適しているが「住むのは難しい」と考える方が多いようです。

特に、子育て世帯は防犯上・教育上の理由から、できる限り繁華街・歓楽街があるエリアに住むのは避けた方が無難でしょう。

愛知県民が治安の悪い区として選んだのには、どのような理由があるのでしょうか。上位4区の回答を紹介します。

【中区】治安の悪い区に選んだ理由

  • いろんな店、居酒屋、観光客、など人が集まり夜遅くまで遊びがある
  • なにかと事件のニュースを聞くから
  • ヤンキーが多い
  • 外人在住者が多く荒れているから
  • 酔っ払いとか多そう
  • 夜になるとキャッチが多い

【中村区】治安の悪い区に選んだ理由

  • ニュースで事件報道が多い
  • 反社会的な方々が多いから
  • 浮浪者が昔は多かった
  • 古びた街並みで暗いイメージがある
  • 人の出入りが激しいから

【港区】治安の悪い区に選んだ理由

  • 柄の悪い方に遭遇しているので
  • 悪い噂しか聞かない
  • 歓楽街が多い
  • 事件事故が多いから
  • 所得水準が低い

【中川区】治安の悪い区に選んだ理由

  • ニュースで事件発生を良く聞くため
  • 家賃が低そうだから
  • 民度が低そう
  • 空き巣、その他窃盗が多い
  • 下町のイメージ

犯罪認知件数から考える市内の治安

続いて、愛知県警察が発表した犯罪認知件数を元に、名古屋市各区の治安を見ていきましょう。

名古屋市各区の犯罪認知件数ランキング

(出典:愛知県警察「令和5年中の犯罪の概況」より作成)
順位区名
1位中区
2位中村区
3位中川区
4位港区
5位守山区
6位緑区
7位北区
8位西区
9位南区
10位千種区
11位天白区
12位東区
13位名東区
14位熱田区
15位昭和区
16位瑞穂区
(出典:愛知県警察「令和5年中の犯罪の概況」より作成)
順位区名
1位中区
2位中村区
3位中川区
4位西区
5位緑区
6位守山区
7位港区
8位北区
9位南区
10位千種区
11位東区
12位名東区
13位天白区
14位熱田区
15位昭和区
16位瑞穂区

令和4年・令和5年共に、犯罪認知件数のトップ3は中区・中村区・中川区です。

愛知県民が思う治安が悪い区のランキングと大体の順位は同じですが、治安が良いイメージが強い緑区が、実は犯罪認知件数が多いのが気になるのではないでしょうか。

緑区は名古屋市内で最も多くの人口が暮らしているため、必然的に犯罪認知件数が多くなっているのでは、と考えられます。

各区ではどういう犯罪が起きている?

侵入盗総数侵入盗総数侵入盗のうち住宅対象ひったくり自動車盗オートバイ盗自転車盗部品ねらい車上ねらい自動販売機ねらい強盗恐喝
千種区24130817836011122
東区136061122105011159
北区10501151421612220200
西区229092173914000229
中村区1450144229819011290
中区407074371812397461
昭和区16616283616012133
瑞穂区1716061567401193
熱田区63013698611297
中川区3020015121752315053278
南区201305141021312003169
港区3016019221372917113259
緑区3112019161201817020223
名東区312204267811020125
天白区1671858436011125
守山281801251174017302224

上表は、令和6年度1月~5月の間に各区で発生した犯罪内容をまとめたものです。

どの区も共通して、自転車の盗難被害が圧倒的に多いのが分かります。

また、富裕層が多いといわれる名東区・千種区は、住宅を対象とした侵入盗被害が比率的に多く起きています。閑静な住宅街こそ、空き巣のターゲットにされやすいのかもしれません。

他の大都市と比較して犯罪認知件数は多い?少ない?

順位刑法犯遭遇率(高い順)刑法犯認知件数(多い順)刑法犯検挙率(低い順)
1位大阪(128人に1人)東京大阪
2位兵庫(166人に1人)大阪茨城
3位東京(176人に1人)埼玉千葉
4位埼玉(179人に1人)愛知愛知
5位福岡(178人に1人)神奈川埼玉
6位茨城(181人に1人)兵庫三重
7位愛知(183人に1人)千葉東京
8位群馬(191人に1人)福岡福岡
9位千葉(193人に1人)北海道宮城
10位岐阜(207人に1人)茨城栃木
刑法犯遭遇率とは人口における2022年に発生した犯罪件数の割合
認知件数とは警察などの機関が犯罪の発生を認知した件数
検挙率とは認知件数における検挙(容疑者を特定した)件数の割合

上記のランキングは、警備会社ALSOKが警視庁発表のデータを元に作成した、治安の悪い都道府県ランキングです。

愛知県は、刑法犯遭遇率は7位、認知件数・検挙率は4位となっています。

愛知と並んで日本の三大都市といわれる東京・大阪よりは下にランクインしていますが、全国的にみると上位であることは間違いありません。

大都市は人口や繁華街・歓楽街の数が多い分、このようにランキング形式にすると地方都市よりも上位に入るのは仕方がないのかもしれません。

とはいえ、安全に暮らしたいという思いは、日本全国どこに住んでいようと同じですよね。

どこに住んでいようと、犯罪被害から自身・家族を守るため、対策を施したり情報を収集したりすることが大切です。

愛知県民が思う子どもと一緒に住みたい区は?

続いて再び、愛知県民400人に対して行ったアンケート調査から、名古屋市内で子どもと一緒に住みたいと思う区をランキング形式で紹介します。

順位区名
1位名東区
2位緑区
3位千種区
4位天白区
5位昭和区
6位瑞穂区
7位守山区
8位東区
9位熱田区
10位北区
11位西区
12位中川区
13位中村区
14位南区
15位西区
16位中川区

子どもと一緒に住みたいと思う区ランキングは、やはり治安が良いと思う区ランキングと近い順位構成になりました。各区が選ばれた理由も、以下のようにほとんど共通しています。

  • 閑静な住宅街がある
  • 教育環境が良い
  • 公園や自然が多い

上記のように「子どもの教育に良い環境」を重視すると同時に、利便性の良さを重視する声も挙がっているのも、このランキングの面白いところです。

また、子育てをするには、買い物環境の良さ・家族で出掛ける際のアクセスの良さも重要なポイントだと言えます。1位の名東区に住みたい理由の中には、「長久手市が近い」ということも目立ちました。

長久手市と言うと大手不動産会社、大東建託による「街の住みここちランキング2021」で全国1位に輝いています。

  • 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
  • ジブリパーク
  • 愛知県児童総合センター
  • トヨタ博物館

上記のような子育て世帯にとって利用しやすい遊びスポットが、足を延ばせばすぐに行ける長久手市に豊富な点も、名東区に憧れを抱くポイントなのでしょう。

【名東区】子どもと一緒に住みたいと思う理由

  • のんびりしてそう
  • 穏やかな街だから
  • 学力が高い
  • 近くに公園や動植物園ある
  • 利便性がいいから

【緑区】子どもと一緒に住みたいと思う理由

  • ファミリーで住みやすそうだから
  • 公園が多い。郊外が広々して自然が比較的多い
  • 自然が豊か
  • 新しい区
  • 交通の便がいい

【千種区】子どもと一緒に住みたいと思う理由

  • 学校が多い
  • 教育、自治会など街づくりされている
  • 子供が楽しめる施設が有るから
  • 事故が少ない
  • 自然が間近にある町

【天白区】子どもと一緒に住みたいと思う理由

  • レベルの高い学校が多そう
  • 丘陵地を開発して住宅街とした地域で自然環境にも恵まれ、かつ、都会とも隣接していて子育てには適していると思うから
  • 自然が多く、遊べる場が多い。買い物などの場所にも困らない
  • 動物園や公園が近い
  • 新たな住宅地が増えているし、住みやすそうなイメージを強く感じる。

名古屋市の治安は区によってさまざま

名古屋市は各区でそれぞれの特性を持っており、治安の良し悪しがさまざまというのが実情です。

例えば、犯罪認知件数が「1番少ない区」と「1番多い区」の間には、約4倍の開きがあります。さらに、「治安が悪い」と思われがちな区も、実際にその区に住んでいる方に意見を聞くと「そこまで悪くない」などと答える方もいます。

犯罪認知件数は治安の良し悪しを定量的に判断できますが、住民の意見はその人の主観が強く反映されており、必ずしもそれが真実とは限らないはず。

大切なのは、その両方をバランスよく参考にして、各区の治安の良し悪しを判断することです。

 また、発生件数や重度の差はあれど、どの区においても何らかの犯罪が起きていることには変わりありません。「治安が良い」と言われているからと120%安心することはできず、安全に暮らすために個々が注意する必要があります。

名古屋市で安全に暮らすために注意すべきこと

ここまで解説してきたように、治安が良いといわれている区でも、大小さまざまな犯罪が起きているのが実情です。

そこで、この章では自身や家族の身を守りながら名古屋市で安全に暮らすためのポイントをお伝えします。

犯罪被害に遭わないよう対策しておく

犯罪被害に遭わないために、犯罪に備えた対策をしておくことが大切です。

愛知県警が発表したデータによると、名古屋市内のどの区においても最も多い犯罪は「自転車の盗難」です。

そして、治安が良いとされている区ほど空き巣被害が多く出ています。

そのような想定される犯罪被害に備えた対策に加えて、子どもを犯罪被害から守るためのポイントを解説します。

自転車盗難被害に遭わないために

実は、愛知県の自転車盗の認知件数は全国1位です。

愛用する自転車を盗まれてしまわないよう、以下の対策を施しておきましょう。

  • 2つ以上の鍵をかける
  • 盗難防止用ブザーを設置する
  • GPS・Bluetoothトラッカーを設置する
  • 自宅に駐輪する際は自転車カバーをかける

また、自宅の駐輪場にセンサーライトや防犯カメラを取り付けることで、盗難を抑制する効果が期待できます。

空き巣被害に遭わないために

空き巣をはたらく犯人は、エリアの周辺などを入念にリサーチしたうえで侵入する住宅を選定しています。

その際にターゲットとされるのが、スキがみえる住宅です。

そのスキとは、庭木や雑草の手入れの具合や、郵便受けにたまった郵便物・チラシなどの量で判断されます。

よって、それらのスキを見せないよう、外から見えるカ所のこまめな手入れや、郵便物を回収することが大切です。

 もちろん、ALSOKなどの警備会社と契約して防犯体制を整えておくのも、有効な手段となります。

子どもを犯罪被害から守るために

子どもを犯罪被害から守るのは保護者の役目です。

ただ防犯ブザーを持たせるだけではなく、なぜそれが必要なのか、どういう状況だと危険性が高いのかなどを、本人にしっかりと認知させておく必要があります。

例えば、普段一緒に歩いている時に「こういう薄暗い路地に1人で入ると、悪い人に遭遇して危ないからね」などといった感じで、継続的に犯罪への意識づけをすることが大切です。

また、子どもがある程度の年齢になると、留守番をお願いすることもあるでしょう。

その際も、安全面に配慮して約束ごとを作っておく必要があります。

例えば、ピンポンが鳴っても出たり玄関ドアを開けたりしないこと、家に誰もいなくても「ただいま」と声に出して家に入るなど、細かな部分への配慮も忘れてはいけません。

犯罪情報を確認する方法を把握しておく

自身・家族の安全を守るために、名古屋市内やお住いの区内の犯罪情報を確認する方法を把握しておきましょう。

例えば、愛知県警が運営するWebサービス「安心・安全マップ」では、犯罪が起きたエリアの確認や、近くの交番・子ども110番の家の場所などを確認できます。

また、同じく愛知県警がリリースしたアプリ「アイチポリス」や、X(旧Twitter)の「愛知県警察あんあん情報(公式)」アカウントでも、犯罪情報をリアルタイムで発信されているので、ダウンロード・フォローしておくことをお勧めします。

まとめ

名古屋市内全16区の中で、郊外に閑静な住宅街が広がる名東区・緑区・昭和区・千種区あたりを、治安が良いと評価する方が多いようです。

また、実際にその辺りのエリアは犯罪認知件数が少なくなっています。

逆に、中川区・西区・港区・南区あたりは治安が悪いというイメージが強く、実際に犯罪件数も多い傾向にあります。

ただ、どの区においても大小さまざまな犯罪が起きているのが実情であり、治安が良いエリアに住んでいるからといって、必ずしも安全であるとは限りません。

自身・家族の安全な生活を守るために、防犯意識を持ったり対策を施したりすることが大切です。

長久手古戦場
3,130万円
岡崎市百々町
2,780万円
中京競馬場前
2,880万円
池下・覚王山駅
3,180万円