【節税の定番】iDeCo、NISA、ふるさと納税、メリット・デメリット

節税にはさまざまな方法があります。定番であるiDeCo、NISA、ふるさと納税の他、あまり知られていない不動産の節税方法までご紹介します。

iDeCo

iDeCoの概要

個人型確定拠出年金とも呼ばれます。自営業者・学生の「国民年金」「国民年金基金」、サラリーマンの「厚生年金」「厚生年金基金」「確定拠出年金(企業型)」などにプラスして、「自分で備える」タイプの年金制度です。掛け金を60歳になるまで毎月一定の掛け金を拠出し、定期預金、保険、投資信託などの運用商品のラインナップの中から好きなものを選んで、自ら運用。60歳以降に老齢給付金を受け取れる仕組みです。

https://www.ideco-koushiki.jp/

・合法的な節税のメリットを受けることが出来る。

・2017年からほとんどの人が加入できるようになった。

・幅広い金融機関が取扱い、取扱商品の幅も多い。

・転職した際などに年金資産を他の年金制度に持ち運びできるポータビリティがある。

iDeCoはこのような特徴をもっています。

商品の買い方・賢い選び方

・iDeCo取扱い金融機関は多数  

銀行、信用金庫、証券会社、生命保険、投資運用会社など多数の機関がiDeCoを取り扱っています。

   → https://www.ideco-koushiki.jp/operations/

機関によって口座管理費なども異なりますので、必ず複数を比較検討するようにしましょう。

・iDeCo対象商品も多数

ただし、取扱金融機関によって選べる商品が異なります。したがって、まず商品を考えてから、それが買える金融機関を選ぶようにします。

・アセットアロケーションを自分で考えて商品を選択する

将来自分が年金として受け取るものだから、なるべく安定的なものが選ばれがちです。定期預金を選んでも節税のメリットが小さいので選ばないほうが良いでしょう。基本的には、物価とともに価格が値上がりしていく物が良いです。投資信託の中でもアクティブファンドは手数料が高く、節税のメリットが得られないものがほとんど。一方、パッシブファンド、特に世界型のものが最適です。不動産ファンド、REITも良いでしょう。

iDeCoのメリット

・税金のメリットが強力

iDeCoは掛け金はすべて損金控除で所得税が安くなります。運用益への課税は通常20であるのに対してiDeCoは0%、つまり運用益もすべて非課税です。複利がより大きく働きます。受け取るときも「公的年金等控除」または「退職所得控除」といった大きな控除を利用できます。

iDeCoのデメリット

もちろん、iDeCoにもデメリットは存在します。例えば以下のようなものがあげられます。

・60歳まで引き出せない

・取扱商品を完全に自由に選ぶことはできない

・基本的には「投資」なので、その知識のない人にとっては不便な定期預金になってしまう。

・投資なので元本割れのリスクももちろんある

・年間の掛け金上限がサラリーマンで24万円、自営業者で年間81.6万円(2021年現在)と少額なので、富裕層の方にとってはあまり旨味のある金額ではない。

iDeCoに向いている人

・毎月一定額の積立が出来る計画性のある人

・投資商品などを自分で吟味して検討できる人

iDeCoに向いているのはこれらが該当する人です。投資商品を自分で考えられるのに、富裕層には金額が小さすぎて時間をかけて検討するだけのメリットが少ない、という矛盾した商品でもありますので、ご自身の置かれている状況をしっかりと確認しておくことが重要です。

NISA

NISAの概要

NISAは毎年新規投資額120万円まで、最長5年間(よって600万円まで)投資が出来る商品です。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資を行い、売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますがNISAは非課税です。しかし、他の投資で発生した譲渡益、配当金等との損益通算ができません。NISAには一般NISAの他、つみたてNISA、ジュニアNISAがあり、2023年には新NISAがスタートします。

つみたてNISAは新規投資額で毎年40万円まで、最長20年間(よって800万円まで)可能な投資商品。運用益は非課税ですが、販売手数料ゼロ(ノーロード)、信託手数料が一定以下、など商品に限定があるのが特徴です。一般NISAと併用して利用することはできません。

ジュニアNISAは0歳から19歳までが開設できる投資商品であり、新規投資額は毎年80万円、最長5年間です。18歳まで払出し制限あり、親が代わりに運用できるのが特徴です。20歳になったらNISA口座が自動的に開設されます。運用益は他のNISA同様、非課税です。

現在のNISAは2023年(令和5年)で終了し、それ以降は新NISAという新制度に変わります。つみたてNISAは5年延長。一般NISAは5年延長したのち、つみたてNISAをしていないと一般NISAが利用できない「2階建て」に変更になります。2023年までにNISA口座を利用していた人は2階部分のみでも使えますが、年間新規投資額は102万円までです。

NISA商品の買い方・賢い選び方

NISA商品は、多くの金融機関で口座を作ることができますが、1つしか作ることができません。あとで証券口座を移動することもできるが面倒なことから、最初からなるべく取扱商品の多い所、取扱手数料の低いところを選ぶべきです。

NISAのメリット

・NISA口座で購入した株式や投資信託などの金融商品の配当金、譲渡益などが非課税

・株式投資は個別銘柄への投資も可能

NISAはこのようなメリットを持っています。

NISAのデメリット

その一方、NISAのデメリットとしては以下のものがあります。

・金額が小さいので、商品を選ぶ手間に対して、得られる利益が大きくない。

・他の運用益と通算できないので、NISA銘柄で損が出たときは単なる損になる。

・損失を翌年に繰越すこともできない

・新規での投資が対象であり、現在保有している株式や投資信託をNISA口座に移すことができない。

NISAに向いている人

NISAはここまで述べたように1つの口座で、ある一定の期間を定期的に新規投資をしても非課税の商品であり、運用益が非課税です。そのことから、すでに株式投資をしている人が、「ドルコストで買うことを決めている商品を自動的に買う」など、自分で活用方法を考えられる人に向いている商品だといえます。

ふるさと納税

ふるさと納税の概要

自分の所得税・住民税の一部を自分が納税したい自治体に対して、納付することが出来る制度であり、自治体への寄付という形をとっています。ふるさと納税をしてくれた人に対して、自治体が独自に「返礼品」を用意することで、ふるさと納税の獲得を図っています。一時、自治体による返礼品の内容を充実させすぎによる獲得競争が過熱化。現在は総務省の指導により現在は概ね寄付金の30%以内となりました。自己負担2,000円が必要です。

ふるさと納税の商品の買い方・賢い選び方

基本的にはポータルサイトで自分が欲しい返礼品を選び、同じ金額でも量が多いなど、比較検討して選ぶことになりますが、自治体サイトから直接申し込みすることも可能です。主なポータルサイトに以下のようなものがあります。

・ふるさと納税ポータルサイト(総務省)

・ふるさとチョイス

・楽天ふるさと納税

・さとふる

・ふるなび

・ふるさと本舗

・ANAのふるさと納税

・au payふるさと納税

・ふるさとプレミアム

・さのちょく

・ふるぽ

・三井伊勢丹ふるさと納税

・ふるさとパレット

・ふるさとプレミアム

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税は、もともと支払わなければならない税金で返礼品がもらえるため、実質的な税金の還付の制度とも言えます。また、いろいろな商品から選ぶことができます。

ふるさと納税のデメリット

ふるさと納税は、商品ごとにポイント付与、Amazonギフト券上乗せ、マイルの還元などいろいろな特典がある。同じ自治体に寄付する場合であっても、ポータルサイトや決済手段の選び方によっては、微妙に還元内容が異なることが多く、本気で検討すると手間が面倒です。

・上限金額の計算が面倒

・寄付した金額が本当に税金から軽減されているのかどうかよくわからない。

・まとめて依頼をすると返礼品がまとめて届くので逆に不便

・通販ではなく「お礼の品」なので、注文通りのものが届かなくても文句が言えない。

・税金が一部の人に返礼品として使われているので、税の使いみちとして不健全

このようなデメリットがふるさと納税にはあります。

ふるさと納税が向いてる人

・1年間の納税額がある程度事前にわかっている人

・お得な制度を徹底的に調べて検討するのが好きな人

ふるさと納税は調べることが苦ではない人には向いている節税といえます。

みんな知らない「不動産の節税」

固定資産税の軽減措置

自治体によって様々ありますが、名古屋市の場合は災害を受けたときの減免措置があります。減免の申請書を減免する期限までに、固定資産が所在している区を担当している市税事務所に提出する必要があります。

・減免時由に該当することになった日の翌日から起算して30日を経過する日

・減免自由に該当することになった日以後最初に到来する納期限

どちらか遅い方の日が原則として期限として捉えられます。

https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000077429.html

住宅ローン減税

住宅ローンを借り入れて住宅を購入した際、購入者の金利負担の軽減を図る制度が住宅ローン減税です。毎年末の住宅ローン残高、もしくは住宅の購入金額のいずれか少ない方の金額1%分が10年間に渡って控除されます。所得税だけでは控除できない場合、住民税からも一部控除されます。それに加えて、消費税率10%が適用される住宅を一定の期間内に契約し、令和3ねん1月1日から令和4年12月31日までの間に入居した場合には控除期間が3年延長されます。

https://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/index.html

すまいる給付金

消費税引き上げによって発生した、住宅購入者の負担をかなりの程度軽減する目的で創設された制度がすまいる給付金です。住宅ローン減税は支払った所得税などから控除する仕組みゆえ、収入が低い人ほど恩恵にあずかりにくくなっています。すまいる給付金は住宅ローン減税では負担軽減効果がそれほど現れない収入層に対し、住宅ローンと合わせて消費税引き上げによって負担増になった分の軽減をはかるものであり、給付金は収入によって変化します。平成26年4月から令和3年12月まで実施されており、すまいる給付金を受け取るためには給付申請書を作成、確認書類を添付した上で申請する必要があります。すまいる給付金はこれらが該当する人が対象です。

・住宅を取得し、登記上の持分を保有するとともにその住宅を自分で居住する(住宅所有者は不動産登記上の持分保有者であり、住宅居住者は住民票において取得した住宅にたいして居住が確認できる者)
・収入が一定以下 消費税10%時の収入の目安が775万円以下
・住宅ローンを利用せず取得した現金購入者は年齢が50歳以上

すまいる給付金には、良質な住宅をストックするという目的もあるため、住宅の質に対して一定の要件を満たした住宅が対象です。中古住宅に対しては宅地建物取引業者による買取再販といった消費税の課税対象となる住宅取得が対象になります。

・引き上げ後の消費税率が適用されていること・床面積が50㎡以上であること・第三者機関の検査を受けた住宅であること

https://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/index.html

新築住宅に係る税額の軽減措置

固定資産の税額は課税標準(評価額)×税率(標準税率1.4%)ですが、新築住宅に係る固定資産税に対して減税措置が設けられています。認定長期優良住宅、一般住宅の戸建ては120㎡相当部分について1/2減額されます。

例えば120㎡の戸建て住宅で建物評価額が1,000万円の場合、課税標準(1,000万円)×標準税率(1.4%)=14万円の1/2である7万円がお得になります。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000021.html

定期借地による固定資産税、計画税、相続時評価の優遇

土地を売れば短期間で大きな収入を手に入れることは可能です。その一方、所有している土地は無くなり、譲渡税がかかるため販売した全額を手にすることはできません。そのため、土地を売らず貸すことで節税することができます。定期借地として貸し出した土地は、定期借地権の期間が満了するまでに自由に処分することができません。その代わり、利用方法が制限されるため、固定資産税、都市計画税、相続時評価に優遇される措置が用意されています。

https://www.toshinjyuken.co.jp/teishaku/contents/merit.html

まとめ

税金や社会保険料の制度は非常に複雑です。このことは非常に残念なことですが、一方で、複雑になっていることには理由があります。それは、「必要以上に負担がかからないようにしよう」ということです。

家族が生活をしていくためにある程度の資産が必要です。それを国がすべて賄うわけにいきません。そこで、お金を取りすぎないようにしたり、資産を作るための援助をしたり、あるいはお金を戻したり、といった施策が必要になってきます。施策を悪用されないようにするためにはどうしても制度は複雑にならざるを得ません。

iDeCoやNISA、ふるさと納税、不動産の各種の軽減制度は、国が、国民に対して「資産づくりを国としてサポートしますよ」と言っている制度です。制度そのものはややこしいですが、理解して、上手に活用していきたいですね。

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