全国各地の都市には、シンボルマークとしての市章や市の木・花などが制定されています。
この記事では、名古屋市の市章のデザインやいわれ、また市の木・花が見られるスポットなどをご紹介。
名古屋市の公式ゆるキャラについてもまとめているので、名古屋市の特徴を活かしたPRを行いたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
名古屋市の市章は“まるはち” 尾張徳川家のシンボルが由来
名古屋市の市章は、○(丸)の中に漢字の「八」を書いたデザインとなっています。
この市章が制定されたのは明治40年10月のことで、当時は名古屋港の開港や市制20周年を迎えるタイミングだったため、市勢の発展ぶりを示す意味合いも込められていました。
各地で都市名を図案化した市章が選ばれる中、名古屋市では歴史や土地柄を表現したユニークなデザインが採用されています。
市章のいわれ
市章を決めるにあたって懸賞募集が行われましたが、しっくりくるデザインがなかったことから、最終的には尾張徳川家の合印として使われていたマークが選ばれました。
「丸は無限に広がる力、また八は末広がりで発展を示す」として、名古屋の歴史を守りつつ、新たな発展も目指そうという想いがあったようです。
尾張徳川家のシンボルとして丸八マークが用いられていた由来には諸説あり、主なものとして以下があります。
- 尾張八郡(尾張藩政下に置かれていた愛知・春日井・葉栗・丹羽・中島・海東・海西・知多の八郡)に由来する
- 尾張の片仮名表記である「オハリ」の「ハ」に由来する
- 尾張藩士・安部八兵衛が常用していた提灯の八の字に由来する
- 清和源氏の流れを汲む尾張藩が、先祖・八幡太郎義家の定紋である「向い鳩」を型どり、丸に八の字の紋を作ったことに由来する
市章を見ることができるスポット
丸八マークは現在も市内各所に使用されており、以下のような場所で見かけることができます。
- 市バス・市営地下鉄の車両
- 消火栓・下水道のマンホール蓋
- 商店の営業許可証 など
また、名古屋市にあやかる意味を込め、「まるはち」という名前を使用している飲食店や精肉店も多いようです。
名古屋市の木は“クスノキ”
クスノキが選ばれた理由
名古屋市の木としてクスノキが制定されたのは、昭和47年8月のことです。
クスノキをはじめ7種類の候補木があり、住民投票によってクスノキが選ばれました。
また、クスノキは常緑樹で成長が早く、風土になじみ深いといったポイントも選定理由の1つです。
クスノキが植えられているスポット
名古屋城(中区) | 加藤清正公の像の背後にクスノキが植えられています。 |
熱田神宮(熱田区) | ご神木の大楠には蛇が住んでおり、時折姿を見られるそう。この他、全部で7本の大楠が植えられています。 |
村上社(南区) | 樹齢千年といわれており、昭和62年に市の天然記念物に指定。古鳴海と桜の地を結ぶ船人の目印になったと伝えられています。 |
長島町通(中区) | 東照宮の境内にあったもの。街区の整備に伴って道路上に残されました。 |
東片端(東区) | 江戸時代からの名木。道路の拡幅で切り倒す計画が出たものの、住民の声によって現在まで残されています。 |
名古屋市の花は“ユリ”
ユリが選ばれた理由
名古屋市の花としてユリが制定されたのは、昭和25年4月のことです。
新聞社と共催で一般公募が行われ、ユリ・バラ・サクラ・キク・カーネーションなど100種類以上の花の中からユリが1位に選ばれました。
ユリが植えられているスポット
千種公園(千種区) | 名古屋随一のユリの名所として知られる公園。5月下旬から6月中旬にかけて、黄・白・オレンジ・ピンクなどのユリが約10,000球も咲き誇ります。 |
名城公園(北区) | ユリをはじめ、年間を通して様々な花を楽しめる公園です。 |
オマケ:ゆりの噴水(中村区) | 名古屋駅の太閤通口前にあるゆりのオブジェ。名古屋駅での待ち合わせスポットとして広く親しまれています。 |
名古屋市の公式ゆるキャラ
名古屋市では、名古屋開府400年祭(2010年)のタイミングでマスコットキャラクターを制作し、以降名古屋市公式ゆるキャラとしてPR活動を行っています。
公式ゆるキャラは全部で4キャラクターあり、それぞれの特徴は以下の通りです。
はち丸 | 名古屋開府と同じ1610年生まれの旅人。出会った人にねがいボシの「かなえっち」をプレゼントしながら、名古屋の魅力を発信するために旅を続けています。 |
だなも | 自然と平和、スローライフを求めて世界を旅している物知りな博士です。 |
エビザベス | 好奇心旺盛な女の子で、はち丸のお友達。頭には大好きなエビフライとオスの金シャチを飾っています。 |
かなえっち | はち丸と一緒に旅をする仲間。夢を持つ人にパワーを与えてくれるという噂があるようです。 |
「はち丸」に関しては、着ぐるみが制作されており、観光PRや地域振興イベントでの活用が許可されています。
使用は無料ですが、申請の手続きが必要となるため、使用を希望する場合はコチラのページから方法をご確認ください。
まとめ
名古屋市の市章は尾張徳川家の合印からデザインされており、現在も幅広く住民の方に親しまれています。
またクスノキは名古屋城、ユリは名城公園にも植えられていることから、名古屋市は徳川家の歴史と深く結びついていることが分かります。
名古屋市を観光する際は、ぜひ市章や市の木・花にも着目してみてくださいね。