今さら聞けない「IPO」ってなに?

ニュースなどでよく聞かれるようになったIPOとはどのようなものなのでしょうか?IPO投資を行えば儲かるのではと思われている方も多いかもしれません。今回は株式会社の増資をの話を加え、IPOとの違いを解説していきます。

IPOとはInitial Public Offeringの略で新規公開株

IPOは新規上場株式とも呼ばれます。Initial とは「最初の」Public Offering「公開募集」です。つまり、株式会社が、市場で初めて自らの会社の株式の買い手を求め、株主を募集することを新規株式公開「IPO」と呼んでいます。

IPOがInitial「最初の」ということは、Second PO、Third POもあるのでしょうか?

もちろんあります。ただし、Second、Thirdと呼ばれることはあまりなく、単に「PO」と呼ばれています。株式を市場に公開することで、株式会社は、いつでも、自分のやりたいタイミングでPOを行うことが出来ます。

なぜIPOは特別なのか?

株式会社は複数の出資者からお金を出してもらうことで資本金を集め、事業を開始します。この出資者のことを株主といい、株式会社は出資してくれた金額に応じて会社の株券を渡します。(現在、株式はすべて電子化、あるいは書類上のものとされており、実際の株券を印刷して発行するケースはありません)

株式会社が出資者を募りお金を集めて事業を始めるのが当たり前なのであれば、なぜ、IPOは特別なのでしょうか?

それは、法律(金融商品取引法)によって、50人以上の人間に投資を募集することについては厳しい制限がかけられているからです。広く募集するためには、証券取引所に上場して取引をする必要があります。証券取引所に上場するためには、売上・利益の基準や内部監査体制、成長性などさまざまな基準で非常に厳しく審査されます。年間100社程度の非常に狭き門となっています。

一度上場してしまえば、その後はいつでも市場で自由に公募することが出来ます。資金調達の自由度が上がりますので、事業に取り組む上でも非常に有利になります。

そのため、最初の株式公開であるIPOは、非常に特別なものとなっているのです。

IPO株の購入方法

株式を初めて市場に公開することがIPOというご説明をしました。これはその通りなのですが、実はIPOには「公募」と「市場での公開」の2段階があります。IPO株を買うのもこの「公募」と「初公開」の両方のタイミングで手にすることができます。

取引所から認められて株式を公開するまでは、金商法によって株式を広く公募できないというのはご説明をしたとおりです。取引してもらうためには上場する必要があるのですが、上場されていない株式を買うことはできません。

そこで、上場にあたっては、まず最初に証券会社で公募を行います。IPO株の購入希望者は上場する前にまず証券会社に買付の申込みをします。このことを「ブックビルディング」といいます。

ブックビルディングの結果、需要と供給を調整した上で公募価格が決定され、抽選などの方法で購入希望者に株式が割り当てられ、販売されます。

公募価格と初値

ほとんどの場合、供給株数に対して需要が大きく上回ることが多いので、抽選に当選した人だけが購入することができるという形になっています。

さて、無事公募価格で株式を購入できた後、いよいよ市場での売出しとなります。これが「株式公開」です。

新規公開会社の株式を持っている人は、株式公開日から市場でその株式を売却することが出来ます。その時点では市場での価格は決まっていません。需要と供給のバランスによって、オークションのように価格が決まります。

公募に応募して抽選がハズレた人も、市場では普通に買付をすることが出来ます。したがって、一般的に、公募のときよりも多くの買付が入るのが普通です。株価は需要と供給のバランスで決まりますので、多くの買付が入るほど値段が上がります。

「買いたい」という人と「売りたい」という人の人数と価格が釣り合ったとき、初めて価格が決まって、取引が発生することになります。この市場で初めてついた価格のことを「初値」と呼びます。

多くの場合で、「初値」が「公募価格」を上回りますので、そこで短期間に利ざやを稼ぐことが出来ます。そのため、IPO株は人気となり、公開前であっても公募に対して、多くの募集が集まるのです。

IPO株の投資妙味

株式投資をしている人に中には、新規公開株式のみを専門に投資している人がいます。初値は大抵の場合価格を上回ります。平均して20%程度、高いときには初値は公募価格の数倍になることもあります。もちろん、初値が公募価格を下回ることもありますが、件数としてはあまり多くありません。上場承認から初値がつくまで1ヶ月です。1ヶ月程度で20%の利回りが出る場合、年率換算すれば240%になります。年間100社程度しか新規上場はありませんが、逆にいえば、2.5日に1社程度の上場があります。コンスタントに狙っていくことで利益を積み上げて行くことが期待できます。

もちろん、抽選で外れれば買うことは出来ず、買えたとしても希望の金額を買えないことも多いです。また、証券会社によっては抽選ではなく、証券会社が独自のルールで買い手を選択していることもあります。

また、新規上場が承認される場合、その企業は今後大きな成長が見込まれることを期待して承認されることがほとんどです。上場後1年未満で株価が10倍になったなどの例もあります。初値で買うことができれば、その後、短い期間に数倍になることも期待できます。成長する企業を探すのは骨の折れる作業ですが、IPO銘柄には成長が期待されている新興企業が多いため、スクリーニングする一つの軸にすることができます。

東京証券取引所などでは常に新規公開株の情報を提供しています。気になった方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?

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