返ってこない敷金も?敷金・礼金の地域事情

春先は大学への入学、卒業や人事異動のため勤務先の近くへ引っ越しが特に増えるシーズンです。引っ越し先が自宅から近い場所ならアパートを借りる際、敷金や礼金をどれくらい払わなければいけないか分かるかもしれません。しかし場所が変わるとルールも変わります。例えば、関東から関西へ引っ越すとアパートを借りるときの習慣の違いに驚くかもしれません。今回はアパートを借りるときの敷金や礼金をどれくらい払えばいいのか、地域によっての違いについて解説していきます。

なんのために敷金や礼金を支払う必要がある?

賃貸契約を行う際に支払わなければならない敷金や礼金。理由も分からず支払っている方もいるかもしれません。

敷金は大家さんに預けておくお金で、退去時には精算されることになっています。もし借主の故意で壁紙が破れてしまったり床が傷ついてしまったりした場合、敷金から修繕費が差し引かれ、余った場合は返金されます。関西地方では敷金の代わりに保証金と呼ばれることもあるようです。

礼金は賃貸物件を借りる際に、大家さんに対して部屋を貸してもらうことに対するお礼として支払うお金であり、退去後に返金されることはありません。

敷金や礼金は借りる物件の家賃の〇カ月分とされていることが一般的です。最近ではゼロゼロ物件と検索すると敷金や礼金がゼロの賃貸物件もありますので、入居時に費用をかけたくないなら、検索条件に敷金や礼金をゼロとしてみることをおすすめします。

関西地方独特の制度、「敷引き」とは

たとえば敷金を3カ月分大家さんに預けたとします。「敷引き」と呼ばれる制度のある地域では、敷金を3カ月分預けたとしても「敷引き1カ月分」とあると、退去時に家賃の1カ月分は返金されません。つまり敷引きというのは礼金と同じような意味合いのものになります。

敷金を多く預けなければならない地域はどこ

賃料査定システム「スマート賃料査定」によると、都道府県別で敷金を多く預けなければならないエリアは上から順に広島県1.95カ月、福井県1.50カ月、長崎県1.40カ月となっています。敷金ゼロ物件を除いた場合、敷金設定月数が一番高い都道府県は広島県2.30カ月、次いで愛媛県2.23カ月、長崎県2.18カ月と続きます。敷金が設定されている割合が多いのは福井県88.7%、広島県84.7%、山形県84.0%でした。

敷金の設定月数が少ないのは上から順に大阪府0.27カ月、奈良県0.31カ月、福岡県0.36カ月でした。ゼロ物件を除いた場合、奈良県0.99カ月、北海道1.04カ月、京都府1.16カ月。敷金の設定物件の割合で一番低かったのは大阪府21.3%、次いで福岡県22.3%、徳島県29.6%でした。

礼金を多く支払わなければならない地域はどこ

礼金の設定月数が大きいところは関西地方に多く、礼金ゼロ物件を含む・含まないにかかわらず上位3位までは上から兵庫県、大阪府、奈良県となっていました。全体の礼金の平均設定月数は兵庫県1.46カ月、大阪府1.24カ月、奈良県1.21カ月でした。礼金ゼロ物件を除いた場合、兵庫県1.98カ月、大阪府1.80カ月、奈良県1.76カ月でした。関西地方が礼金を多くとっている理由として、以前から続いていた敷引きの商習慣の名残ではないかと考えられます。礼金あり物件の割合が高い都道府県は広島県81.1%、岡山県77.5%、兵庫県73.4%でした。

それとは逆に礼金の設定月数が小さいのは鹿児島県0.15カ月、岐阜県0.16カ月、北海道の0.17カ月。礼金ゼロ物件を除くと青森県0.91カ月、山形県0.97カ月、千葉県0.99カ月となりました。礼金あり物件の割合が低いのは上から順に鹿児島県11.9%、岐阜県14.9%、北海道17.4%でした。

賃貸借契約の前に更新料があるかどうか確認しましょう

名古屋や大阪の賃貸物件に住んでいると「更新料って何?」と思われる方が多いかもしれませんが、関東圏では更新料を支払うのが一般的です。更新料は賃貸借契約の契約期間が満了になる数カ月前に、契約の更新をするときに支払う手数料のこと。契約時に更新料をいくらはらうのか確認しておかないと、長く住んでいると痛い目にあいますのでしっかりと確認してください。

更新料の設定月数が多いところは上から東京都0.74カ月、千葉県0.69カ月、神奈川県0.63カ月となっています。更新料を取っていない物件を除いた場合、東京都1.02カ月、京都府1.00カ月、千葉県0.99カ月が上位3位でした。なお更新料の設定されている割合が多い地域は東京都の72.6%、千葉県の68.9%、埼玉県の65.6%で5位までは関東地方で占められていました。契約の更新は2年に1度行われることが多いので、仮に更新料が1カ月だとすると、更新月は家賃を含めて2カ月分は支払わなければならないことを覚えておきましょう。

更新料の設定月数が少ないのは北海道0.01カ月、大分県と宮崎県の0.02カ月。更新料の設定されていないものを除いた場合、更新料の設定月数が少なかったのは北海道0.22カ月、鹿児島0.24カ月、青森県0.27カ月でした。更新料の設定がある割合の低い都道府県は大分県6.1%、宮崎県6.2%、北海道6.3%という結果でした。

賃貸物件に入居するときは家賃だけでなく、敷金・礼金・更新料の設定月数を確認しましょう

賃貸借契約をするときには家賃が安くても、広告料も含めると家賃の3カ月分程度の資金が最低でも必要になります。敷金ゼロ、礼金ゼロの物件でも清掃代を前もって徴収されることもありますので、賃貸物件の検索サイトの注意事項などもしっかりと確認してください。