名古屋城から徳川園までのエリア一帯には数多くの歴史的建築物が残されており、「文化のみち」という名称で親しまれています。
この記事では、「文化のみち」の概要とおすすめ散策方法およびコースをピックアップしてご紹介。
各コース沿いにあるスポットやそれぞれの所要時間などもまとめているので、お出かけを予定している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
名古屋市に残る「文化のみち」とは
「文化のみち」とは、名古屋の近代史を伝える数々の遺産が保存されているエリアのことで、名古屋城から徳川園までの一帯を指します。
まずは、「文化のみち」エリアの概要と、おすすめのアクセス方法について詳しく見ていきましょう。
名古屋城から徳川園を結ぶ歴史的遺産の宝庫
名古屋城から徳川園へ至るエリアには、文化人・財界人の屋敷が数多く残されており、江戸時代から明治・大正へと続く名古屋の近代史を感じることができます。
江戸時代において、この地域は300石級の中級武士の居住地となっており、100坪~300坪程度の武家屋敷が多く立地していました。
明治時代に入ってからは、武家屋敷跡地の広大な敷地を活用し、陶磁器産業の中心地として発展していきます。
そして大正以降は陶磁器関係の貿易商だけでなく、名古屋を代表する財界人なども多く移り住み、和風住宅や近代洋風建築などが混在するようになりました。
現在まで保存されているのは大正から昭和初期頃に建てられた近代洋風建築が主であり、「文化のみち」エリアの大きな特徴となっています。
「文化のみち」を巡るなら公共交通機関がおすすめ!
「文化のみち」エリアは、名古屋城や徳川園などの主要スポットをのぞき、基本的に駐車場がありません。
そのため、名古屋市営地下鉄・バスに1日乗り放題ができる「1日乗車券」や、市内の観光スポットをめぐる専用バス「メーグル」の利用がおすすめです。
1日乗車券・ドニチエコきっぷ
1日乗車券を購入すると、当日中に限り名古屋市営地下鉄・バス全線の乗り放題が可能となります。
また土日・祝日・毎月8日であれば、更に割安料金で乗車できる「ドニチエコきっぷ」も購入可能。
大人(中学生以上) | 子ども | |
バス全線一日乗車券 | 620円 | 310円 |
バス・地下鉄全線一日乗車券 | 870円 | 430円 |
ドニチエコきっぷ(バス・地下鉄全線一日乗車券) | 620円 | 310円 |
1日乗車券・ドニチエコきっぷの詳細を知りたい方は以下の記事もチェックしてみてください。
なごや観光ルートバス“メーグル”
名古屋市内には、人気観光スポットを巡回している観光バス「メーグル」が走っています。
月曜日・年末年始をのぞいて毎日運行しており、時間帯によってはボランティアガイドによる観光案内を聞くこともできます。
こちらも1日乗り放題ができるお得なチケットが販売されているので、ぜひ利用してみてください。
大人(中学生以上) | 子ども | |
1乗車ごと | 210円 | 100円 |
1DAYチケット | 500円 | 250円 |
メーグルに関する詳しい情報は以下の記事で紹介しています。
「文化のみち」のおすすめ散策コース
「文化のみち」エリアは広域におよぶため、1日ですべてのスポットを回ることは難しく、ある程度ルートを決めて散策するのがおすすめです。
続いて、名古屋市が紹介しているおすすめ散策ルートをもとに、各ルートの見どころや所要時間を解説していきます。
西コース(約60分)
西コースは、「文化のみち」エリアの中心部に位置する「文化のみち二葉館」から名古屋城に向かっていくコースです。
このコースでは以下のスポットを通ることができます。
スポット名 | 概要 | 入場料など |
文化のみち二葉館 | 日本初の女優・川上貞奴と電力王・福沢桃介が暮らした屋敷を移築復元した建物 | 大人200円/中学生以下無料 |
文化のみち橦木館 | 陶磁器商として活躍した井元為三郎が建てた邸宅 | 大人200円/中学生以下無料 |
カトリック主税町教会 | 井上秀斎がテュルパン神父と共に造った教会 | – |
旧春田鉄次郎邸 | 太洋商工株式会社を設立した春田鉄次郎が建てた住宅 | – |
旧豊田佐助邸 | 発明王・豊田佐吉の弟、佐助が住んでいた住宅 | – |
文化のみち堀美術館 | 「熱き芸術の時代」の芸術家たちの作品を展示する美術館 | 一般1000円/学生500円(小中高大生) |
主税町長屋門 | 江戸時代当時の位置のまま残されている典型的な武家屋敷門(長屋門) | – |
文化のみち百花百草 | 大正9年(1920)に建てられた書院・茶室・土蔵を改修した多目的ホール | 大人500円/小・中学生200円/小学生未満無料 |
名古屋市市政資料館 | 大正11年(1922)に当時の名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所として建設され、平成元年(1989)に資料館として整備 | – |
三の丸庭園 | 表千家の吉田紹和宗匠の指導の下に移築造園された庭園 | – |
愛知県庁大津橋分室 | 旧愛知県信用組合連合会会館として使用されていた施設 | – |
愛知県庁本庁舎 | 帝冠様式の外観が特徴の施設 | – |
名古屋市役所本庁舎 | 日本趣味を基調とした近代式建築 | – |
名古屋城 | 徳川家康公が西国の大名20名に命じて築城させた城 | 大人500円/中学生以下無料 |
東コース(約40分)
東コースは、「文化のみち」エリアの中心部に位置する「文化のみち二葉館」から徳川園に向かっていくコースです。
このコースでは以下のスポットを通ることができます。
スポット名 | 概要 | 入場料など |
文化のみち二葉館 | 日本初の女優・川上貞奴と電力王・福沢桃介が暮らした屋敷を移築復元した建物 | 大人200円/中学生以下無料 |
主税町長屋門 | 江戸時代当時の位置のまま残されている典型的な武家屋敷門(長屋門) | – |
神明社(通称:赤塚神明社) | 尾張藩初代藩主徳川義直公が寛永5年(1628)に再建した神社 | – |
名古屋陶磁器会館 | 鷹栖一英の設計による建築物 | – |
蓬左文庫 | 尾張徳川家の旧蔵書を中心に和漢の優れた古典籍を所蔵する公開文庫 | 一般1,400円/高大生700円/小中生500円※徳川美術館・蓬左文庫共通 |
徳川美術館 | 尾張徳川家に伝えられた数々の重宝をそのまま収めた美術館 | 一般1,400円/高大生700円/小中生500円※徳川美術館・蓬左文庫共通 |
徳川園 | 尾張藩第二代藩主光友公が元禄8年(1695)に造営した庭園 | 大人300円/中学生以下無料 |
寺めぐりコース(約120分)
寺めぐりコースは、「文化のみち」エリアの中心部に位置する「文化のみち二葉館」から神社・お寺・教会などを巡るコースです。
このコースでは以下のスポットを通ることができます。
スポット名 | 概要 | 入場料など |
文化のみち二葉館 | 日本初の女優・川上貞奴と電力王・福沢桃介が暮らした屋敷を移築復元した建物 | 大人200円/中学生以下無料 |
貞祖院 | 明治5年(1872)に建中寺より移転されたお寺 | – |
建中寺 | 慶安4年(1651)に藩主光友が藩祖義直の為に建立したお寺 | – |
三日月塚(了義院内) | 寛保3年(1743)に五条坊木児が建立した碑 | – |
神明社(通称:赤塚神明社) | 尾張藩初代藩主徳川義直公が寛永5年(1628)に再建した神社 | – |
長久寺 | 慶長15年(1610)の遷府により清須から移転されたお寺 | – |
七尾天神社 | 永正年間(1504~21)に造営された神社 | – |
まとめ
「文化のみち」エリアには大正ロマンのつまった建物が点在しており、当時にタイムスリップしたような気分を楽しむことができます。
お得な乗車券を利用して、歴史を巡る大人の休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
またお出かけの際は、マスク着用や手指消毒といったコロナ対策を行い、安全にお楽しみくださいね。