【住宅ローン】「店頭金利より▲年2.0%」ってどういう意味?

住宅ローンの広告を見ると「店頭金利より▲年2.0%」というような書き方をしていることがほとんどです。金利が安くなる、ということは分かるのですが、じゃあいったい本当の金利は何なのか?果たして本当にお得なのか?と思ったことはないでしょうか?ここでは金融機関が提供する住宅ローンについて「店頭金利より▲年○.○%」というような表示の読み方についてご紹介します。

店頭金利とは?

店頭金利は店頭表示金利、基準金利とも呼ばれるもので金融機関が自由に決められる基準となる金利のことを言います。各金融機関が決めることができるため金融機関ごとに違うものになりそうですが、各金融機関が競争し設定している状況では横並びなのが実情です。一方、この店頭表示金利から金融機関が独自で引き下げる金利幅が優遇金利です。つまり、「店頭金利より▲年○.○%」の▲年○.○%の部分のことを指します。そして店頭金利から優遇金利を差し引いた金利が適用金利と呼ばれ、これが実際に借入したときに適用される金利となります。

変動金利と固定金利

「店頭金利より▲年○.○%」の表示のところに「変動」や「固定」というような言葉が書いてあると思います。これらは変動金利と固定金利のことです。借入期間中に金利が変動することを前提にした商品が変動金利で借入期間中の金利が変わらない商品が固定金利です。変動金利は、一定期間ごとに適用金利の見直しがあるものです。市中金利が上昇すれば住宅ローンの金利も上昇し、市中金利が下がると適用金利も下がります。市中金利が低くなればその恩恵を受けて返済額も減ることや借入時点での金利が低い傾向にあることがメリットですが、総返済額が借入時点では確定しないこと、金利が上がることで返済額が大きくなることがあり、借入時点で返済計画が立てにくいということがデメリットです。一方、固定金利は借入期間中の金利が変わらず返済額が借入時に確定するため、返済計画が立てやすいというメリットがありますが、逆に市中金利が安くなったとしてもその恩恵を受けて金利が下がることはないというものになります。また、固定金利期間選択型、という変動金利と固定金利をミックスした商品もあります。借入後の一定期間だけ適用金利が固定され、その期間が終わったあとから変動金利になる、という商品です。3年~20年の間で固定期間を選ぶような商品では固定期間が長いほど固定期間中の金利が高い傾向にあります。全期間ではないものの金利の固定期間があることで返済額が増やせない期間を計画的に設定できることがメリットになります。次に金利の決まり方をみていきましょう。

店頭金利はどうやって決まる?

店頭金利はどのようにして決まるのかについてご紹介します。店頭金利は、変動金利と固定金利で決まり方が違います。変動金利については日銀の短期プライムレートに1%を上乗せしたものになり、2020年12月28日時点で2.475%です。短期プライムレートはバブル期といわれる1989年~1993年は8%になったこともありますが、2009年からは低金利の政策で低いままずっと変わっていない状態が続いています。固定金利に関しては10年国債新発物の利回りを指標に決められています。これらのことから、店頭金利に関しては変動金利、固定金利ともプライムレートや国債の利回りといった公的な指標をもとにしているため各銀行で変更するようなものでないことがお分かりかと思います。

優遇金利はどうやって決まる?

一方、優遇金利はどのようにして決まるのでしょうか?優遇金利は金融機関の販売方針によって決まります。「▲年○.○%」の部分は各金融機関が住宅ローンを販売したいか、住宅の販売会社との連携やキャンペーンの施策の違い、ネット銀行の商品、クレジットカード会社との提携など会社によって差が出てくるものとなります。複数の銀行の商品を比べ、より有利な金利を提供する金融機関を選ぶことが肝心です。

適用金利はどうやって決まる?

適用金利は店頭金利から優遇金利を差し引いた最終的な住宅ローンの金利です。これは各銀行の優遇金利の適用の仕方によるため、借入する人に対する審査、そして借入金額や購入する住宅の価値、自己資金の割合、返済する額と収入の額の割合など借りる際の条件、金融機関が借りる側にどのようなことを求めているかによって変わってくることになります。

まとめ

いかがでしょうか。「店頭金利より▲年2.0%」は「基準金利から優遇金利でマイナス2%した金利がローンの適用金利ですよ」と読むこと、変動金利か固定金利かで金利が違うこと、金利の固定期間を選ぶこともできること、そして優遇金利は販売方針、適用金利は審査や融資の条件で決まることがお分かりいただけたかと思います。いろいろな金融機関の住宅ローンの数字を読み解いて比較して有利な住宅ローン選びの参考にしてみてください!

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