2021年1月27日~31日までの5日間、愛知県では「夢!きらリンク愛知国体」が開催されます。
この記事では、愛知国体で実施される競技の内、フィギュアスケートに焦点を当てて、競技のルールや観戦の見どころをご紹介。
フィギュアスケートの観戦を予定している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
フィギュアスケートのルール
まずは、フィギュアスケート競技の概要とプログラムごとのルール・採点のポイントについて詳しく見ていきましょう。
愛知国体におけるフィギュア競技の概要
フィギュアスケート競技に含まれる種目は以下の5種類です。
- 男女別シングル・スケーティング
- ペア・スケーティング
- アイス・ダンス
- シンクロナイズド・スケーティング
愛知国体では上記の内、男女別のシングル・スケーティングのみが実施されます。
シングル・スケーティングは、ショートプログラムとフリースケーティングの2つのプログラムで構成され、それぞれの合計得点によって競われます。
先にショートプログラムが行われ、上位24位までに入った選手がフリースケーティングを行うという流れです。
ショートプログラムの構成
ショートプログラムは3つのジャンプ・3つのスピン・1つのステップシークエンスによって構成されます。
この7つの要素を組み合わせ、2分40秒±10秒という時間の中で演技を行うのが特徴です。
ISUシニア課題(2020~2021年)を例にして、ショートプログラムの構成を見てみましょう。
成年男子 | 成年女子 | |
滑走時間 | 2分40秒±10秒 | 同左 |
①アクセル系のジャンプ | ダブルまたはトリプル・アクセル | 同左 |
②単独のジャンプ | トリプルまたはクワド・ジャンプ | トリプル・ジャンプ |
③ジャンプ・コンビネーション(単独のジャンプと異なるもの) | 2+3・3+3・2+4・3+4 | 2+3・3+3 |
④フライング・スピン(着氷後最小8回転) | あらゆるタイプのフライング・スピン | 同左 |
⑤スピン(フライング・スピンのランディングポジションと異なるもの) | 足換え1回のみのキャメルまたはシット・スピン(各足最小6回転) | レイバックまたはサイドウェイズ・リーニング・スピンまたは足換え無しのシット/キャメル・スピン(最小8回転) |
⑥スピン・コンビネーション(各足最小6回転) | 足換え1回のみ、少なくとも2種類の基本姿勢 | 同左 |
⑦ステップシークエンス | 氷面を十分に利用したステップシークエンス | 同左 |
ショートプログラムは上記の7項目の必須要素と、それらをつなぐステップなどから構成されます。
要素がプログラムに含まれていれば、演技の順序は自由です。
ジャンプのルール
アクセル系ジャンプと単独ジャンプは種類の異なるジャンプでなければなりません。
また単独ジャンプで行ったジャンプをコンビネーションに含めることもできません。
同一のジャンプが複数回行われた場合、2回目以降のジャンプは得点にカウントされないのが特徴です。
スピンのルール
スピンやスピン・コンビネーションを行う際は、足換えの前後に少なくとも3回転が必要です。
またフライング・スピンをのぞき、スピンはジャンプから始めてはならないというルールになっています。
なお、スピンに入る際にスケーターが転倒した場合、時間調整のために単純なスピン・回転動作を行うことが認められています。(得点にはカウントされません)
フリースケーティングの構成
フリースケーティングでは、7つのジャンプ・3つのスピンおよびステップとコレオグラフィックシークエンスを組み合わせ、4分±10秒(ジュニアは3分30秒±10秒)の間で演技が行われます。
こちらもISUシニア課題(2020~2021年)を例にして、フリースケーティングの構成を見てみましょう。
成年男子 | 成年女子 | |
滑走時間 | 4分±10秒 | 同左 |
ジャンプ要素 | 最大7 アクセルタイプのジャンプを1つ含む トリプルとクワドの2種類のみ、コンボ シークエンスで繰り返し使用可能 コンビネーションジャンプとジャンプシークエンスは3つまで可能 | 同左 |
スピン | 最大3個 コンビネーションスピン フライング・スピンまたはフライング・エントランスのスピン 1種類のポジションスピン コンボは最小10回転、その他は最小6回転 | 同左 |
ステップ | 氷面を十分に利用したステップシークエンス | 同左 |
コレオグラフィックシークエンス | 形状に制約はない(ただし明らかにそれと分かるもの) 2回転までのジャンプおよびスピンを含むことができ、BOXを占めない | 同左 |
ジャンプのルール
ジャンプ要素には、単独ジャンプ・コンビネーションジャンプ・ジャンプシークエンスが含まれ、単独ジャンプの回転数は自由です。
フリップやルッツの際、間違ったエッジでジャンプが開始されたことが明らかな場合は、ジャッジによって減点が行われます。
スピンのルール
すべてのスピンは異なる種類でなければならず、同じ要素記号のスピンを繰り返した場合は得点にカウントされません。
またスピンでは最小回転数を満たす必要があり、コンビネーションスピンの場合は最小10回転、それ以外のスピンでは最小6回転が条件となります。
コレオグラフィックシークエンスとは
コレオグラフィックシークエンスは、ステップ・ターン・スパイラル・アラベスク・スプレッドイーグル・イナバウアーなどの種類から構成されるシークエンスです。
パターンの制限はありませんが、シークエンスがはっきりと分かるものでなければなりません。
フィギュアスケートの見どころは?
続いて、フィギュアスケート競技を観戦するうえで知っておきたいポイントをご紹介します。
ジャンプの種類を見極める!
ジャンプの種類を覚えておくことで、フィギュアスケート競技の観戦をより楽しめるようになるでしょう。
フィギュアスケート競技で行われる6種類のジャンプについて、特徴と難易度をまとめてみました。
ジャンプの種類 | 難易度 | 特徴 |
アクセル | ★★★★★ | 前向きのままでジャンプを行い、着氷の際に後ろ向きとなるジャンプ |
ルッツ | ★★★★☆ | つま先をついて跳ぶジャンプ |
フリップ | ★★★☆☆ | ルッツと同様の跳び方で、ジャンプの直前に後ろ向きになるのが特徴 |
ループ | ★★★☆☆ | すべった勢いを使って跳ぶジャンプ |
サルコウ | ★★☆☆☆ | 跳ぶ直前に両脚が「ハ」の字になるジャンプ |
トウループ | ★☆☆☆☆ | 自然な流れで行うジャンプ |
フリースケーティングで使われる楽曲
フィギュアスケート競技では、演技に合わせて様々な楽曲が使われています。
楽曲選びの基準は特に定められていないため、自身のイメージや演技のテーマに合わせて自由に決めることが可能となっているのです。
以前はクラシックや器楽用に編曲されたものが中心でしたが、現在は歌詞が入った楽曲も使用できるようになり、邦楽を採用する選手も増えています。
また選手たちの振り付けも、フィギュアスケート競技の注目ポイントの1つ。
フィギュアスケート競技の振り付けにはプロの振付師が関わっており、体の動きはもちろん、表情や目線などまで細かく指導が行われます。
フィギュアスケートを観戦する際は、ジャンプやスピンの技だけでなく、選手の表情にも注目してみると良いでしょう。
まとめ
フィギュアスケートはウィンタースポーツの中でも人気の高い競技です。
この機会にルールやジャンプの種類を覚えて、愛知国体での観戦をより楽しめるように準備しましょう。
愛知国体の開始式などに参加する予定のある方は、新型コロナウイルスの感染対策をしっかりと行い、安全に観戦をお楽しみくださいね。