注文住宅を建てるとき、リビングやキッチン、お風呂などに目が行きやすく、玄関をどうするかということに対して時間をかけて考えることはあまりないかもしれません。しかし、戸建てを建てた後、玄関に不満に感じる人も少なくありません。今回は玄関で失敗しないためのポイントを解説していきます。
注文住宅の玄関に関して考えておくべきこととは?
敷地面積が狭い場合、どうしても玄関は広くできないかもしれません。その場合、靴を入れる収納スペースも狭くなりがち。しかし、家族が増え子供が成長するにしたがって靴も増えていくため、収納する場所を他で確保しなければならない状態に陥ることもあります。また靴以外にもベビーカーや傘など玄関先で置いておきたいものもあり、収納スペースが多いことに越したことはありません。
玄関にある電気のスイッチが遠い場合、夜中に帰ってきたときにすぐにスイッチが手に届かず、真っ暗で歩くのにも不便を感じてしまいます。そのようなときには手の届きやすい場所に照明のスイッチを付けて、暗くてもスイッチの場所が分かるタイプのものにするか、人感センサーでライトが付くようにしておくと便利です。
玄関から各部屋へ移動することを考えていないと、後で取り返しのつかないことになってしまいます。たとえば帰ってきた後には手洗いやうがいをすることは、アフターコロナでは大切なことであり、インフルエンザ予防にも役立ちます。帰宅後すぐにトイレに行きたいこともあるでしょう。また、リビングのドアを開けっぱなしにしたときに、荷物の受け取りをするときに丸見えになってしまうような造りは避けたいところです。
玄関内を明るくするために、たたきを白などの明るい色にすることも注意が必要です。泥のついた靴で入室すると、白のたたきに泥がつき目立ちます。汚れを避けたい場合、たたきの色をグレーなどの暗めにすれば、泥のついた靴で玄関に入ってきても目立ちません。
玄関をバリアフリーにするときに考えておきたいこと
年老いていくと足腰が悪くなり、少しの段差であってもつまずき、手や足などを骨折してしまうことがあります。年齢が若いうちはバリやフリーの必要性があまり感じられなく、段差のある玄関でも構わないと考える人が多いかもしれません。日本の玄関は上り框(かまち)というのがあり、たたきと床には30cm程度高さの違いがあります。この高さが高齢になるとネックになります。玄関をバリアフリーにする場合、なるべく低くする必要がありますが、上り框を低くしてしまうと砂やほこりが廊下に入ってしまう恐れがあるため専門家に相談してみると良いでしょう。
車いすを使えるようにするのであれば勾配をなるべく低くする必要があるため、スロープを長くする必要があるでしょう。さらに車いすの幅も考慮に入れるなら、最低でも85cmは必要ですし、玄関も幅が広くないと車いすが通れなくなってしまいます。車いすが通るときには、ドアを開けっぱなしにする必要があることも考えておいてください。仮に車いすを使わなくても、手すりを付けるようにしましょう。
玄関を段差があるタイプにするときに考えておきたいこと
玄関先にスロープを付けなければ、道路と玄関に段差があったとしても階段を付ければいいだけなので、スペースはほとんどいりません。また上り框を高くすることで砂ぼこりが廊下に上がりにくくなることと、靴を履くときに框部分に座れば楽に履くことがメリットです。しかし若くて元気なうちはいいですが、長く住み続けるとなるとバリアフリーにすることも考えておかなければなりません。玄関先を階段にするなら最低でも手すりが付けられるようなスペースは必要ですし、玄関内も上り框の周辺の壁に手すりを付けておきたいところです。
玄関収納はどこに置けばいい?
主に靴を入れておくための玄関収納を設置する場所は3つあります。たたきの部分に置くパターン、玄関ホールに置くパターン、たたきと玄関ホールにまたがるようにしておくパターンです。
たたきに玄関収納を置く場合、泥のついた靴を廊下にあげる必要がないため、汚れを気にすることはありません。しかしたたきの部分を使うことによって、たたきのスペースが狭くなってしまうことがデメリットです。また上り框よりも遠いところに靴を入れたいときには、何かを履いて靴を入れなければなりません。
玄関ホールに玄関収納を置く場合、たたきが広くなることがメリットです。たたきが広く使えることで傘立てを置くことや、ベビーカーを置いておくこともできます。しかし泥の付いた靴を持って上がらなければいけないため、玄関ホールが汚れてしまう可能性が高いことがデメリットです。
たたきと玄関ホールにまたがるように玄関収納を置く場合、たたきに置くときと玄関ホールに置くときの両方のメリットが受けられます。
玄関を使いやすくすることでストレスのない生活を
外出をするときには必ず通らなければならない玄関ですが、注文住宅で自宅を建てるなら出入りするときにストレスがないようにしたいものです。そのためにも本記事をぜひご活用ください。