国の省エネ住宅向け補助金が「みらいエコ住宅2026事業」として新たにスタートしたほか、住宅ローン減税の延長や名古屋市独自の補助制度の更新など、2026年度に入り複数の制度が動きをみせています。
住宅購入においては、こうした補助金や支援制度を活用できるかどうかによって、その後の家計へ与える影響の大きさが変わってくるといえるでしょう。
そこでこの記事では、制度概要から一歩踏み込み「自分の世帯や状況に合う制度はどれか」という視点で最新の補助金・支援制度を整理します。
住宅購入を検討している方は、まずここで制度の全体像を把握し、ご自身に合う支援を見つけるための参考にしてください。
【2026年度】住宅支援制度の全体像
2026年度は、国と名古屋市それぞれの住宅支援制度が同時期に更新・切り替わるタイミングにあたります。
国の補助金は「子育てグリーン住宅支援事業」から「みらいエコ住宅2026事業」へと名称・内容が改められたほか、住宅ローン減税は2030年末までの延長が正式に決定しました。
名古屋市でも、太陽光発電や省エネ設備への独自補助が令和8年度版に更新されています。
みらいエコ住宅2026事業
省エネ性能の高い新築住宅の取得や、既存住宅の省エネリフォームを対象とした国の補助金制度です。
住宅の性能区分と世帯の属性によって補助額が異なり、愛知県(6地域)における主な補助額は以下のとおりです。
| 住宅区分 | 対象世帯 | 補助額 |
| GX志向型住宅 | すべての世帯 | 110万円/戸 |
| 長期優良住宅 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 75万円/戸 |
| ZEH水準住宅 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 35万円/戸 |
※古家を除却して建て替える場合は、長期優良住宅・ZEH水準住宅にそれぞれ20万円が加算されます。
※申請は登録事業者(工務店・ハウスメーカーなど)が代行し、消費者が直接申請することはできません。
住宅ローン減税
年末時点におけるローン残高の0.7%を最大13年間にわたって所得税・住民税から控除できる制度です。
2025年末で終了予定でしたが、令和8年度税制改正大綱により2030年末までの延長が確定しました。
また2026年度の改正では床面積要件が原則50㎡以上から40㎡以上に緩和される見込みで、都市部の狭小住宅なども対象に含まれやすくなります。
名古屋市独自の補助制度
名古屋市では、太陽光発電設備や蓄電システム、断熱窓改修などを対象とした「住宅等の脱炭素化促進補助(令和8年度)」を実施しています。
国の補助金と一部併用できるため、組み合わせることで初期費用の軽減効果がさらに高まるでしょう。
また小学生以下の子どもがいる世帯や妊婦のいる世帯を対象とした「子どもあんしん住まいる補助金」(転落防止手すりなどの設置費用の1/2を補助、上限20万円)も設けられています。
各制度の詳しい条件・申請方法については、以下の記事をご参照ください。
自分が使える制度はどれ?世帯別・状況別チェックポイント
住宅支援制度は「存在を知っていること」だけでなく、「自分の世帯や状況に当てはめて考えること」が重要です。
ここでは、世帯の属性や住宅取得の目的別に、活用できる制度のポイントを整理していきましょう。
子育て世帯・若者夫婦世帯の場合
子育て世帯(18歳未満の子どもがいる世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)に該当する方は、利用できる制度の幅が最も広くなります。
みらいエコ住宅2026事業では、GX志向型住宅に加えて長期優良住宅・ZEH水準住宅も補助対象となるため、住宅の性能水準に応じた補助金を受け取ることができます。
また現代妊娠中の方や、12歳未満の子どもがいる世帯であれば名古屋市の「子どもあんしん住まいる補助金」も対象となるため、安全設備の導入コストなども抑えやすい状況にあるといえるでしょう。
この世帯が特に確認すべきポイント
- GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅のいずれを選ぶか、性能と補助額のバランスで判断する
- ZEH水準住宅(注文住宅)の交付申請期限は2026年9月30日と前倒しになっているため、スケジュールに余裕を持って動く
- 古家の建て替えを検討している場合は除却加算(+20万円)の活用も視野に入れる
子育て世帯・若者夫婦世帯でない場合
上記の世帯要件に当てはまらない場合でも、GX志向型住宅であればすべての世帯が補助対象となります。
ただしGX志向型住宅は断熱等級や一次エネルギー消費量などの性能について、ZEH水準住宅よりも高い基準を求められます。
建築コストが上がる分、補助額(110万円)との兼ね合いを施工会社と十分に確認したうえで判断することが大切です。
この世帯が特に確認すべきポイント
- 検討中の住宅がGX志向型住宅の基準を満たせるかどうか、早い段階で施工会社に確認する
- 住宅ローン減税は世帯要件を問わず利用できるため、確実に活用する
- 名古屋市の太陽光発電補助など、省エネ設備導入の補助は世帯要件不問のものが多く、組み合わせ次第で費用負担を抑えられる
リフォーム・建て替えを検討している場合
みらいエコ住宅2026事業は新築だけでなく、既存住宅の省エネリフォームも対象となっており、全世帯が申請できます。
断熱改修や省エネ設備の導入を複数組み合わせることで最大100万円の補助を受けられる可能性があります。
名古屋市の断熱窓改修補助(上限10万円)と国のリフォーム補助を併用できるケースもあるため、工事内容に応じた組み合わせを施工会社と相談しましょう。
この世帯が特に確認すべきポイント
- リフォームの補助は「必須工事2区分以上の組み合わせ」が条件となっており、単体工事では対象外になる場合がある
- 建て替えの場合、解体する住宅の建築年によっては除却加算(+20万円)が適用される
- 補助対象工事は2025年11月28日以降の着工が要件となっているため、それ以前に着工済みの工事は対象外となる点に注意
省エネ設備の追加導入を検討している場合
すでに住宅を所有していて、太陽光発電や蓄電システムの追加導入を検討しているといった方には、名古屋市独自の補助制度を活用する方法がおすすめです。
新築住宅への太陽光発電は1kWあたり1万円、築10年超の既存住宅への設置は1kWあたり3万円(上限9.99kW)と、既存住宅ほど補助単価が高く設定されています。
国の給湯省エネ2026事業(高効率給湯器への補助)との併用も可能なケースがあるため、導入を検討する設備の組み合わせを事前に確認しておくと効果的です。
補助金を「使える状態」にするために必要なこと
住宅支援制度は内容を知っているだけでは活用できません。
申請は原則として施工会社や販売事業者が代行する仕組みとなっており、対応していない事業者へ依頼した場合は補助の対象外となります。
住宅購入やリフォームを検討している場合は、制度の詳細と合わせて以下の点を確認しておくようにしましょう。
①相談先の事業者が「登録事業者」かどうかを確認する
みらいエコ住宅2026事業の補助を受けるには、施工・販売を担う事業者が「みらいエコ住宅事業者」として登録されていることが必要です。
検討段階で複数の事業者に当たっている場合は、登録の有無を早めに確認しておきましょう。
②ZEH水準住宅を検討している場合はスケジュールに注意
ZEH水準住宅(注文住宅)は交付申請期限が2026年9月30日と、GX志向型住宅・長期優良住宅よりも前倒しになっている点に注意が必要です。
契約・着工から申請まで一定の期間が必要なため、夏以降に動き始めると間に合わないケースが生じます。
③予算上限への注意
補助金制度は予算上限に達した時点で年度途中でも受付が終了します。
2025年度の子育てグリーン住宅支援事業でも、人気の高い区分は年度内に早期終了しています。
「まだ時間がある」と考えず、購入・契約のスケジュールが決まり次第、早めに事業者へ相談することが補助金を確実に活用するためのポイントです。
住宅購入支援制度に関するよくある質問
Q 子育て世帯でなくても補助金はもらえますか?
A. 受け取ることができます。
みらいエコ住宅2026事業では、GX志向型住宅であればすべての世帯が補助対象です。
ただし長期優良住宅・ZEH水準住宅への補助は子育て世帯・若者夫婦世帯に限定されているため注意しましょう。
Q 国の補助金と名古屋市の補助金は併用できますか?
A. 制度によっては併用できます。
名古屋市の「住宅等の脱炭素化促進補助」は、国の補助金と対象工事が重複しない範囲で併用が可能です。
ただし同一工事への二重補助は認められないため、事前に施工会社へ確認することをおすすめします。
Q 中古住宅を購入する場合も対象になりますか?
A. 省エネリフォームを行う場合は対象となります。
みらいエコ住宅2026事業のリフォーム区分は全世帯が対象で、断熱改修や省エネ設備の導入により最大100万円の補助が受けられます。
中古住宅の購入自体に対する補助はありませんが、購入後のリフォームを計画している場合は合わせて検討する価値があるといえるでしょう。
Q みらいエコ住宅2026事業の申請はいつから始まりますか?
A. 2026年3月下旬から4月頃に交付申請の受付開始が予定されています。
なお補助の対象となるのは2025年11月28日以降に基礎工事に着手した住宅です。
申請開始と同時に予算の消化が始まるため、それ以前から施工会社との準備を進めておくことが重要です。
Q 補助金を確実に受けるために、まず何をすればよいですか?
A. 施工会社・販売事業者がみらいエコ住宅事業者として登録されているかどうかを確認することが最初のステップです。
補助金の申請はすべて事業者が代行するため、未登録の事業者に依頼した場合は補助を受けることができません。
複数の事業者を検討している段階から、登録状況を確認しておくと安心です。
まとめ
補助金制度は内容が毎年変わるうえ、予算上限に達した時点で受付が終了します。
住宅購入を検討しているなら、制度の詳細を調べることと並行して、早めに施工会社へ相談することが何より大切です。
東新住建では、補助金制度に対応した省エネ住宅の建築についてご相談を承っています。
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