名鉄瀬戸線は、名古屋の中心地・栄から東へ伸び、せともので知られる瀬戸市を結ぶ路線です。名古屋中心部の利便性と落ち着いた住環境を兼ね備えたエリアとして注目されています。
本記事では、栄町から各駅までの所要時間や駅前の土地の路線価、賃貸価格の動向を詳しく解説。また、ショッピング施設や教育環境、ランドマークなど、暮らしを豊かにするメリットも紹介します。名鉄瀬戸線沿線での新生活を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】 ・名鉄瀬戸線沿線の魅力と利便性が分かります。 ・賃貸価格や路線価の違いから、エリアごとのイメージができます。 ・沿線での注意ポイントと将来のリスクはどんな点にあるのでしょうか。 |
所要時間と路線価で見る沿線の利便性

名鉄瀬戸線沿線での生活を考えるとき、名古屋の中心地・栄までのアクセス状況は住まい選びの重要な指標となります。利便性が高く、かつ手頃な路線価のエリアはどこにあるのでしょうか。
以下で、各駅から栄町駅までの所要時間と駅前の路線価をまとめました。
駅名 | 栄町駅までの所要時間(分) | 駅前の路線価 |
ST01:栄町 | - | 2,580,000千円(上昇率6.61%) |
ST02:東大手 | 2 | 210,000千円(上昇率5.00%) |
ST03:清水 | 3 | 165,000千円(上昇率0.00%) |
ST04:尼ケ坂 | 5 | 165,000千円(上昇率0.00%) |
ST05:森下 | 6 | 235,000千円(上昇率2.17%) |
ST06:大曽根 | 5★ | 400,000千円(上昇率5.26%) |
ST07:矢田 | 10 | 160,000千円(上昇率3.23%) |
ST08:守山自衛隊前 | 12 | 105,000千円(上昇率5.00%) |
ST09:瓢箪山 | 14 | 100,000千円(上昇率0.00%) |
ST10:小幡 | 11★ | 115,000千円(上昇率4.55%) |
ST11:喜多山 | 13★ | 120,000千円(上昇率4.35%) |
ST12:大森・金城学院前 | 15★ | 120,000千円(上昇率0.00%) |
ST13:印場 | 22 | 97,000千円(上昇率0.00%) |
ST14:旭前 | 24 | 100,000千円(上昇率0.00%) |
ST15:尾張旭 | 19★ | 91,000千円(上昇率1.11%) |
ST16:三郷 | 22★ | 89,000千円(上昇率0.00%) |
ST17:水野 | 24★ | 69,000千円(上昇率0.00%) |
ST18:新瀬戸 | 26★ | 72,000千円(上昇率0.00%) |
ST19:瀬戸市役所前 | 28★ | 57,000千円(上昇率0.00%) |
ST20:尾張瀬戸 | 30★ | 64,000千円(上昇率0.00%) |
※路線価は2021年度から2022年度にかけての上昇率を提示。
沿線の賃貸価格動向
名鉄瀬戸線は名古屋市(東区、北区、守山区)尾張旭市、瀬戸市を通過します。東区や北区は名古屋市の中心部に位置し、東大手や清水、大曽根といった利便性の高いエリアが魅力です。
一方、守山区や尾張旭市に進むにつれて、より静かな住宅地や自然環境が広がり、ファミリー層や落ち着いた暮らしを求める方に人気があります。
こうしたエリアごとの特徴は賃貸価格にも反映されており、利便性の高い中心部と郊外エリアでは価格帯に明確な違いが見られます。
沿線全体の賃貸価格動向
沿線各駅におけるワンルームとファミリータイプの賃貸相場は、以下のようになっています。
(単位:万円)
駅名 | ワンルームの家賃相場 | 3LDK/4K~の家賃相場 |
ST01:栄町 | 5.6 | 15.9 |
ST02:東大手 | 5.3 | 13.2 |
ST03:清水 | 5.2 | 12.5 |
ST04:尼ケ坂 | 5.4 | 13.3 |
ST05:森下 | 5.3 | 14.1 |
ST06:大曽根 | 4.9 | 10.0 |
ST07:矢田 | 4.3 | 10.0 |
ST08:守山自衛隊前 | 3.9 | 7.7 |
ST09:瓢箪山 | 3.9 | 8.0 |
ST10:小幡 | 3.7 | 7.2 |
ST11:喜多山 | 3.2 | 7.2 |
ST12:大森・金城学院前 | 3.0 | 7.2 |
ST13:印場 | 3.4 | 6.6 |
ST14:旭前 | 4.0 | 6.7 |
ST15:尾張旭 | 3.6 | 6.3 |
ST16:三郷 | 3.6 | 6.8 |
ST17:水野 | 2.9 | 6.8 |
ST18:新瀬戸 | 3.4 | 6.7 |
ST19:瀬戸市役所前 | 3.2 | 7.8 |
ST20:尾張瀬戸 | 2.5 | 8.0 |
※上記太字は主要駅。
更新日によって若干の差はありますが、ワンルーム・ファミリータイプ物件いずれも栄町が最も賃料が高く、次いで東大手となっています。
東に行くほど家賃が下がりますが、小学校や中学校、商業施設の状況から、ファミリーには「森下」「瓢箪山」「旭前」「三郷」なども人気があるようです。
現在、三郷駅は「三郷駅前地区市街地再開発事業」として再開発が進んでおり、今後も人気が続くとみられるでしょう。
将来の沿線における価格予想
名鉄瀬戸線は、実は名鉄グループの中でも安定した収益を上げる黒字路線として知られています。「ローカル路線」という印象を持つ県民も多い一方で、その利益率は名古屋市営地下鉄の代表格である東山線をも上回ると言われています。
このような高い収益性を背景に、沿線地域の利便性向上やインフラ整備が積極的に進められており、沿線の全体的な価値は今後さらに高まることが期待されるでしょう。
ただし、気になるのは「瀬戸市」の人口と高齢化です。日本では、東京を例に挙げるように、人口減少が進む中で若者が都心部に集中する傾向が懸念されています。
以下の図をご覧ください。

上記のデータによると、65歳以上の高齢者は2020年の38,195人から2045年には39,050人へと増加が見込まれる一方で、15~64歳の人口は72,686人から46,068人へと大幅に減少すると予測されています。
人口全体が127,792人から95,490人へ減少することを踏まえると、高齢化が非常に急速に進むといえるでしょう。
このことを考えると、三郷駅より東に位置する瀬戸市内で不動産を購入する際には、将来的な売却リスクに注意が必要です。人口減少と高齢化が進む中で、不動産の需要が低下する可能性があり、購入時の価格に対して売却時に十分な価値を得られないケースも想定されます。
生活を豊かにする沿線エリアの魅力

名鉄瀬戸線沿線には、日々の生活を便利に、そして豊かにするさまざまな魅力が詰まっています。ショッピング施設や教育環境、さらに地域のランドマークまで、暮らしを彩るスポットを紹介します。
ショッピング
名鉄瀬戸線沿線には、多彩なショッピング施設が揃っています。栄町駅周辺では、名古屋市中心部の大型百貨店やショッピングモールで、日用品から高級ブランドまで幅広い買い物が楽しめます。
大曽根駅周辺には商店街やスーパーが多く、地元密着型のショッピングが魅力です。また、「イオンモールナゴヤドーム前」では、休日に家族でファッションやグルメを楽しめます。
尾張旭駅や瀬戸市などの郊外型では、少し足を延ばすと大型ショッピングセンターを利用できます。駐車場が充実しているため、車での利用にも便利です。「コストコ守山倉庫店」や「IKE長久手」、「イオンモール長久手」へ手軽に行くことができ、買い物の選択肢が広がります。
学校
名鉄瀬戸線沿いには、魅力的な高等学校も多く点在しています。
駅名 | 学校名 | 駅からの距離 |
ST01:栄町 | 名古屋市立中央高等学校 | 1,600m |
ST02:東大手 | 明和高等学校 | 160m |
ST03:清水 | - | - |
ST04:尼ケ坂 | 名古屋市立工芸高等学校金城学院高等学校 | 260m610m |
ST05:森下 | 東海高等学校愛知商業高等学校 | 950m1,000m |
ST06:大曽根 | 旭陵高等学校旭丘高等学校 | 890m890m |
ST07:矢田 | 至学館高等学校 | 840m |
ST08:守山自衛隊前 | 名古屋高等学校 | 760m |
ST09:瓢箪山 | - | - |
ST10:小幡 | - | - |
ST11:喜多山 | 菊華高等学校緑丘高等学校 | 530m750m |
ST12:大森・金城学院前 | - | - |
ST13:印場 | - | - |
ST14:旭前 | 旭野高等学校 | 380m |
ST15:尾張旭 | - | - |
ST16:三郷 | - | - |
ST17:水野 | 瀬戸高等学校聖カピタニオ女子高等学校 | 580m1,500m |
ST18:新瀬戸 | - | - |
ST19:瀬戸市役所前 | - | - |
ST20:尾張瀬戸 | 瀬戸工科高等学校 | 540m |
※徒歩20分圏内(80m/分)までを提示。
沿線には、県内公立高校のトップクラスである「旭丘高等学校」や「明和高等学校」への通学が可能なエリアも含まれています。
また、栄町には多くの専門学校を有し、各エリアに有名大学も点在しています。
- 愛知学院大学 名城公園キャンパス:東大手駅から610m
- 名古屋造形大学:東大手駅から830m
- 名城大学 名古屋ドーム前キャンパス:大曽根駅から650m
- 名古屋大学 大幸キャンパス:矢田駅から550m
- 名古屋市立大学 北千種キャンパス:矢田駅から1,400m
- 金城学院大学:大森・金城学院前駅から500m
- 名古屋産業大学:尾張旭駅から540m
- 名古屋経営短期大学:尾張旭駅から550m
これらの教育機関へのアクセスの良さは、子育て世帯や学生にとって大きな魅力となり、名鉄瀬戸線沿線が学びやすさと住みやすさを兼ね備えたエリアであることを証明しています。
ランドマーク
名鉄瀬戸線沿線には、その地域を象徴するランドマークも点在しています。
栄町駅では「名古屋テレビ塔」や「オアシス21」、令和2年に新たに生まれ変わった「久屋大通公園」といった観光スポットがあり、休日のお出かけにも最適です。
大曽根駅周辺には5大ドームの1つのバンテリンドーム(旧ナゴヤドーム)があり、スポーツ観戦やアーティストのイベントなどを楽しめます。
また、瀬戸市は、せともので有名な陶磁器文化の歴史を感じられる施設があり、地域の特色が色濃く反映されているエリアです。瀬戸市役所前駅から車で20分ほどいくと、テーマパークとして話題の「ジブリパーク」もあります。
沿線のこれらの魅力スポットを知れば、名鉄瀬戸線沿いでの生活がさらに快適で豊かなものになることでしょう。
沿線全体の気になる点
最後に、名鉄瀬戸線の気になる点を挙げてみました。
1.名古屋駅まで乗り換えが必要
瀬戸線は栄町駅が起点となっており、名古屋駅まで直接アクセスすることができません。名古屋駅へ行く際は、地下鉄東山線やJR中央本線などへの乗り換えが必要となり、通勤・通学時に少し不便さを感じる場合があります。
2.運行本数が少ない
日中の時間帯は、電車の運行間隔がやや長く、通勤やお出かけの際にタイミングを合わせる必要があります。特に栄町駅から瀬戸市方面へ向かう場合、電車を待つ時間がネックになることもあります。
3.終電時間が早い
名鉄瀬戸線は、終電時間が比較的早いのも気になる点の一つです。
夜遅くまでの外出や仕事が多い方にとっては、帰りの時間を気にする必要があり、不便に感じることがあります。
- 栄町から喜多山行き終電→0:00発
- 栄町から尾張瀬戸行き終電→23:45発
名鉄瀬戸線の改札口は、「錦」や「住吉」などの飲み屋街から離れた場所に位置しています。さらに、終電間際には駅構内のいくつかの出入口が封鎖されるため、利用可能な出入口が限られます。そのため、終電を利用する際は事前に出入口を確認しておくことが重要です。
これらの点を理解した上で、自分の生活スタイルに合った沿線利用を検討すると良いでしょう。