愛知県国家戦略特別区域における愛知県の取り組み紹介①

愛知県は、内閣府が創設した「国家戦略特区制度」において、国家戦略特区の1つに指定されています。
この記事では、国家戦略特区制度の概要と、「有料道路コンセッション」「民間事業者による学校の管理」「農家レストランの農用地区域内への設置」の3テーマに関する愛知県の取り組み内容をご紹介。
いわゆる「岩盤規制」の緩和や撤廃に向けて、愛知県がどのような事業を展開しているのかチェックしてみましょう。

国家戦略特区制度の概要

国家戦略特区制度は、成長戦略に求められる大胆な規制・制度改革の実行により、「世界で一番ビジネスを行いやすい環境」を創出することを目的として内閣府が創設したものです。
自治体や事業者が様々な取り組みを行ううえで障害となっている「岩盤規制」の緩和・撤廃に向け、規制の特例措置の整備や関連する諸制度の改革が進められています。

国家戦略特区制度には「構造改革特区」「総合特区」「国家戦略特区」の3つの制度があり、愛知県はこの内「国家戦略特区」の指定を受けました。(2015年8月)
「国家戦略特区」は、特に岩盤規制の突破口を開くことを目指した制度で、愛知県は教育や農業分野における岩盤規制改革を断行する拠点となっています。

国家戦略特区制度に基づく愛知県の取り組み

愛知県では、これまで15回にわたる区域会議が開催され、区域計画を順次拡大してきました。
2022年6月現在、愛知県の区域計画には国家戦略特区制度が定める23の特例措置を活用した31事業が位置付けられています。
この記事では、31事業の中でも「有料道路コンセッション」「民間事業者による学校の管理」「農家レストランの農用地区域内への設置」の3テーマをピックアップし、詳しい取り組み内容をご紹介していきます。

【都市再生分野】有料道路コンセッション

愛知県では、都市再生分野の取り組みの1つとして、有料道路管理の民間開放(有料道路コンセッション)を実施しています。
コンセッションとは、都道府県等の道路管理者や地方道路公社などに限られている有料道路の管理・運営を民間事業者が行えるようにする仕組みのことです。

現在、愛知県道路公社が保有する以下の有料道路8路線について、愛知道路コンセッション株式会社(前田建設工業株式会社等が設立した特別目的会社)による管理・運営が実施されています。(2016年10月~)

  • 名古屋瀬戸道路(2.3km)
  • 知多半島道路(20.9km)
  • 知多横断道路(8.5km)
  • 中部国際空港連絡道路(2.1km)
  • 猿投グリーンロード(13.1km)
  • 衣浦豊田道路(4.3km)
  • 衣浦トンネル(1.7km)
  • 南知多道路(19.6km)

この取り組みによって期待される効果は以下の通りです。

利用料金の弾力化民間事業者のノウハウや創意工夫を活かした柔軟な料金設定(愛知県道路公社が構造改革特別区域法の規定に基づき国土交通大臣の認可を受けて定めた利用料金の上限の範囲内)
PAにおける利便性の向上民間事業者からの提案に基づくPAの特色ある整備・運営
沿線開発による地域活性化・阿久比PA(上り線)(仮称)に連結する食の拠点「愛知多の大地」の実施・中部臨空都市におけるインターナショナルブランドホテル事業の実施・地域産業連携型バイオガス事業の実施・地域産業連携型物流事業の実施

【教育分野】民間事業者による学校の管理

教育分野においては、民間事業者や大学等との連携による学校管理の公設民営化に取り組んでいます。
公設民営化とは、国や自治体が設置した施設の管理・運営を民間事業者が行えるようにする仕組みのことです。

愛知県では、生産現場の動向・ニーズに具体的かつ迅速に対応できるような教育を可能とするために「愛知総合工科高等学校専攻科」の公設民営化を実施。
これにより、生産現場等で活躍し、実践的な技術・技能や豊富な知識・経験を有する民間人材(技能五輪メダリストや現代の名工などの熟練技能者、先端的技術を持った技術者など)の積極的な登用が期待されています。
また民間の人材から直接指導を受けることで、生産現場のリーダーに求められる能力の獲得が見込まれるでしょう。

なお国家戦略特区における特例措置の内、公設民営学校の設置に取り組んだのは愛知県が初となります。

【農林水産分野】農家レストランの農用地区域内への設置

農林水産分野に関して、愛知県では複数の取り組みが行われていますが、当記事では「農家レストランの農用地区域内への設置」についてご紹介します。
これは、農業者が自己の生産する農畜産物や農業振興地域内で生産される農畜産物を主な材料として提供する場合に、農用地区域内に農家レストランを設置することを認めるものです。

これまでは「農業振興地域の整備に関する法律」により、農用地区域の農業目的以外の利用が認められていませんでしたが、国家戦略特区ではこれが可能となりました。
この取り組みにより、地域の農産物のアピールや、市場に出せない農産物の有効活用、地域の活性化といったメリットが期待されています。

まとめ

愛知県では今回ご紹介した取り組み以外にも、雇用・医療・観光といった分野で様々な事業が進められています。
その他の事業や支援に関する情報は、愛知県国家戦略特別区域のWebサイトからチェックすることができるので、こちらもぜひご参照ください。

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