平屋とは一言でいえば1階建ての住宅のこと。昔からある日本家屋は平屋のイメージが大きく、サザエさんのようなお宅を想像している方もいるのではないでしょうか。近年ではデザイン性が高い平屋が多く登場しており、昔の平屋のイメージが一新されつつあります。現代的にデザイン性が高いイメージに生まれ変わっている平屋は、広い開口部や明るいLDKなどといったくつろぎやすくゆったりとした暮らしを想起するため人気があります。そこで今回は平屋の魅力について解説していきます。
メリット
家族の距離感がちょうどいい
全ての部屋が1階にあるということは、家族の気配を感じやすくなります。各部屋に移動する際、家族が顔を合わせる機会が必然的に増えるため、コミュニケーションがとりやすくなります。2階建て住宅ではリビングに階段を設置して家族間のコミュニケーションを増やす配慮がとられていますが、間取りで自然と会話がしやすい平屋のほうが自然な会話が生まれやすくなります。
生活導線や家事導線が効率的
1階と2階という上下の移動が無いため、生活や家事をする際の導線が効率的です。1階で洗濯したものを2階で干す、そして持ち戻って1階のクローゼットにしまうといった労働から解放されます。掃除をするとき、掃除機を持ち歩いて階段を上り下りする必要もありません。
平屋は構造的に安定しやすい
平屋は2階建てに比べ、構造が支える重さが少ないために耐震性に優れていると言われています。地震などの場合、重量が大きいものほど地震エネルギーの影響を受け揺れが大きくなります。そのため、2階建てよりも平屋のほうが構造的に安定しやすいのです。
その他にも、2階を支える柱や壁が不要となるため、間取りが比較的融通が効きやすくなります。天井を高くすればさらに解放感が拡がる空間を作ることが可能です。
平屋であれば階段のスペースがいらない
平屋では階段のスペースは不要です。2階建てや3階建ての家を建てた場合、ワンフロア当たり1.5畳分のスペースが必要となり、この広さは35坪程度の一般的な家屋の面積の1/10程度に該当します。階段のスペースを削ろうとすると、段差がその分急勾配となり危険です。階段下のスペースを有効利用するとしても活用が難しいため、デットスペースになりがちです。このような問題が平屋には発生しません。
維持費が安い
税金、修繕費用、保険料の3つが平屋の維持費の最たるものですが、この中でも修繕費用が平屋ですと特に安く済みます。
・平屋は2階建てに比べ、外壁の面積が少なくて済むので外壁塗装の費用を抑えることができる
・2階建てはトイレやキッチンなどの水回りが2階にもあることがあります。そのような場合、平屋に比べて水回りが2倍増えることとなります。つまり、水回りのメンテナンスなども平屋のほうが半分の費用で済むこととなります。
光熱費が安い
水道代なども水回りの場所が少ない平屋のほうが使用頻度を抑えることができます。そのほかにも平屋はリビング中心の生活となり、廊下や階段に熱が逃げやすい構造ですのでこれも光熱費を下げる要因になります。
バリアフリーは安心安全につながる
家庭内の階段からの転落は決して珍しいことではありません。毎年数多くの事故が全国の家庭で発生しています。その点、平屋は階段が無いため、小さいお子さんや高齢者には優しい設計といえます。
デメリット
広い敷地が必要となる
ゆったりとした広い平屋を建てるとなると、まとまった広さの敷地が必要です。2階建てと同じ床面積を望むとなれば、単純に2倍の広さの敷地が必要です。
坪単価が高くなる傾向にある
2階建てと同じ床面積を平屋でするために2倍にするとなると、工事単価が高い基礎や屋根の面積も2倍になるため、その分だけ工事費が高くなります。その結果、坪単価が2階建てよりも高くなりがちです。
日当たりや風通しが悪くならない配慮が必要になる
平屋で部屋数を多くすると、家の中心部に日当たりや風通しが悪くなることがあります。そのための対策として、天窓の設置、中庭を中心としてコの字型やL字型などにする設計などを検討する必要があります。
プライバシーの保護や防犯面などの配慮がより必要になる
平屋は外部からみた視線と同じ高さです。そのため、外構などを使い視線を遮断する必要があります。防犯面の観点からも、防犯カメラや人感センサーの設置といった対策も考慮にいれましょう。一方で、では、2階建て以上だと防犯上安全か?というとそんな事はありません。「まさか2階や3階から侵入しないだろう」と、かえって防犯が甘くなってしまうことも。平屋特有のデメリットというわけではなさそうです。
平屋ならではの暮らしの楽しみを
そのコンパクトさ、使いやすさ、お手入れの手軽さが受けて、いま静かに平屋ブームが広がっています。
そして、平屋に住むのであれば、新築での購入がおすすめです。理由は、自分が使いやすい間取りにすることができること。そして、木造の場合、鉄骨やRCに比べると耐用年数が短くなります。資産価値をなるべく高くするためにも、新築での建築がオススメです。
平屋を取得するには、まずそれにあった土地から探しから。あなたにピッタリの土地をみつけて、平屋での暮らしを始めてみませんか?
