【名古屋】教育現場はどう変わる?先生の働き方改革に向けた取り組みとは

小中学校の児童生徒に対する教育に力を入れている名古屋市ですが、実は教職員の働き方改革に向けた取り組みも多く実施されています。
この記事では、名古屋市が行っている教育現場の働き方改革について、具体的な取り組み内容と児童・保護者への影響などを紹介しています。
働き方改革のメリットとデメリットを踏まえ、今後どのように教育が変化していくのかをチェックしてみましょう。

名古屋市教育振興基本計画に基づく働き方改革の概要

名古屋市では「夢に向かって人生をきり拓くなごやっ子の育成」を基本理念として、2007年に教育推進計画が策定されました。
現在は2019年から2023年までの5年計画がまとめられた「第3期 名古屋市教育振興基本計画」に基づき、様々な取り組みが実施されています。
まずは基本計画の中でも“教育現場の働き方改革”に焦点を当てた具体的な取り組み事例を見ていきましょう。

元気な学校づくりプロジェクト

「元気な学校づくりプロジェクト」は、多様化する教育環境の中で、教員がワークライフバランスをとりながら教育を行っていくための環境を整えていくことを目標としています。

元気な学校づくりプロジェクトの一環として実施された事業内容と、2023年時点での目標は以下の通りです。

事業内容 現況(2018年度) 目標(2023年度)
学校教育の改善・充実に向けて、教員が授業や授業準備等に集中し、健康でやりがいをもって勤務でき、教育の質を高められる環境を構築するために、学校における働き方改革を推進します。 学校閉庁日の設定

新たな校務支援システムに向けた準備

スクールサポーター・スタッフの配置(小12校・中10校)

学校運営サポーターなどボランティアの活用

学校閉庁日の設定

新たな校務支援システムの運用

スクールサポーター・スタッフの配置拡充

学校運営サポーターなどボランティアの活用

専門的な知識や経験を有する各分野の専門家と連携して、学校だけでは解決できない困難な事案に対し、学校への指導・助言・支援を行います。 実施 実施
部活動顧問・外部指導者の派遣により、教員の負担軽減を図ります。 実施 実施
教員が指導しない小学生の放課後における運動・文化活動の新たな仕組みへの移行を進め、教員の負担軽減を図ります。 実施 実施

学校事務の適正化・効率化の推進

小中学校における事務改善を検討・実施することにより、教員が子どもと向き合う時間を確保できるよう効率化が進められています。
具体的な取り組み内容と2023年度時点の目標値は以下の通りです。

事業内容 現況(2018年度) 目標(2023年度)
事務の集約化・平準化を図ることにより、書類作成事務・経理事務等の学校事務のさらなる適正化・効率化を推進します。 学校間連携等を活用した学校事務の適正化・効率化に向けた実践研究の実施 学校間連携等を活用した学校事務の適正化・効率化の推進

また適正化を判断するための指標として、以下の数値が設定されています。

指標 現在値(2018年度) 目標値(2023年度)
公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインに準じた時間を超える教員の数 0人
教育委員会の取り組みが、子どもと向き合う時間の確保に有効であったと答えた教員の割合 83.3% 90%

教員の多忙化解消プラン

教員の多忙化解消プランは、教員の長時間労働を改善し、子ども一人一人と丁寧に関わりながら質の高い授業を実施していくための環境づくりに向けた取り組みです。
このプランでは、達成すべき目標として在校時間(残業時間)が月80時間を超過している教員の割合を以下のように設定しています。

年度 目標値
2015年時点 小学校10.8%・中学校38.7%・高等学校14.0%・特別支援学校1.0%
2018年度目標 小学校5%以下・中学校20%以下・高等学校5%以下・特別支援学校0%
2019年度目標 全校種0%
2020年度目標 全校種0%を維持しつつ、国の働き方改革の動向を踏まえた新たな目標を設定

また具体的な取り組みの柱として以下の4つの目標を掲げ、それぞれ細かな取り組みが策定されています。

  • 長時間労働の是正に向けた在校時間管理の適正化
  • 業務改善に向けた学校マネジメントの推進
  • 部活動指導に関わる負担の軽減
  • 業務改善と環境整備に向けた取り組み

詳しい取り組み内容はコチラをご覧ください。

働き方改革によって子ども・保護者への影響はある?

中央教育審議会による働き方改革に対する答申の中で、「子どものためであれば長時間労働も良しとするという働き方は子どもにためにならない」と書かれている部分があります。
これまでの働き方を見直し、自身の生活の質を豊かにすることで、子どもたちに対しても効果的な教育活動ができるようになるという考え方です。
つまり、教員の働き方改革は教員のためだけでなく、子どもたちへの教育の質を高めるためにも進められているのです。

一方で、保護者や地域住民への負担が増えるという点ではまだまだ課題も残されています。
これまで教員が抱えてきた業務を減らすためには、一部を学校外の人材へ委託したり、保護者に協力してもらったりする必要があります。
しかし、全ての保護者が協力的であるとは限らず、今後は相互理解を深めていくことが需要なポイントになっていくでしょう。

まとめ

名古屋市では、教育現場の働き方改革として、様々な角度からの取り組みが実施されています。
教師の勤務環境が改善されれば、子どもたちへの教育もより良いものへと発展していくことが期待できるでしょう。
保護者の方や地域の方も、ぜひこの機会に一度「教育環境の改善に向けて自分ができること」を考えてみてはいかがでしょうか。

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