人通りだけで決めちゃダメ?業種別テナント探しのガイドライン

事業を始めようとした時、人通りや交通量が多い場所を選べば集客は容易だと思いがちかもしれませんが、業種によって最適な場所は大きく異なります。今回は業種別のテナントの探し方を解説していきます。

テナントを借りるときに必要な費用

アパートを借りるために賃貸借契約をする人は多いかもしれませんが、テナントとなると今まで借りた経験のある人を探すのは難しいかもしれません。部屋を借りるという行為は同じですから、アパートを借りるときと同じこともありますしテナント特有のルールがあり違うこともあります。テナントを借りる際の費用について説明していきます。

敷金・保証金

貸主に預けるお金として敷金・保証金があり、賃料の6か月~10か月分の金額を預けることがあります。人気エリアの場合、敷金として「15か月分」納めなければならないこともあるようです。アパートを借りる場合、敷金や保証金は家賃の1か月程度ですみますが、テナントを借りるときは敷金をアパートよりも多く預けなければいけないことが多いようです。その理由は滞納リスクが高いことと、室内を改造して退去後にスケルトン戻しにしなければならない契約なのに、借主によって解体工事が行われなかったといったいざというときの保険のためにです。なお、償却として敷金や保証金の一部が返還されないこともありますので、契約時にしっかりと確認して置くとよいでしょう。

仲介手数料

不動産仲介業者に支払う手数料で、賃料1か月分が相場です。

礼金

貸主に支払うお金です。人気エリアになると礼金が高くなる傾向があります。

前家賃

アパートを借りるときと同様、家賃は前払いのため、契約時に家賃を納めなければなりません。

造作譲渡料

居抜き物件に残されている内装や厨房設備などを買い取るときに必要な費用です。

造作譲渡に関わる手数料

造作譲渡を買い取るときに、紹介業者へ支払う手数料です。

テナントの探し方

開業することを決めたら、条件にあった物件を見つける必要があります。物件を探す方法は、「インターネットで探す」「出店エリアにある不動産会社へ直接行く」「友人などに紹介してもらう」の3つです。

インターネットで物件を探す場合、現地へ行く手間がかからないことと、飲食業や美容業などに特化したサイトがあるため、物件が探しやすいことがメリットです。

出店エリアにある不動産会社へ直接行くメリットは、インターネットで紹介されていない物件を紹介してもらえる場合があることです。

友人に紹介してもらうには、どのような条件の物件を探しているのか伝えておく必要があります。ひょっとしたらお店が繁盛しているにもかかわらず、高齢になったため店を閉めたいと考えている人からといった不動産屋さんが把握していないお店を譲ってもらえるかもしれません。

カフェを開業する場合は立地ごとに客層が変わることを念頭に

出店エリアは大きく分けると3つあり、オフィス街、住宅地、繁華街です。もちろんオフィス街に近い繁華街など、混在しているような場所もあります。

オフィス街の場合、ランチタイムに需要は見込めるものの、会社が休日のときや終業時間後の売上はあまり伸びません。

住宅街に出店した場合、住宅街の年齢構成にも影響があるため、しっかりとした下調べが必要です。子育て世帯が中心の住宅街なら主婦層がターゲットになりますし、高齢者が中心の住宅街なら高齢者がターゲットです。その場合は、開店時間を早めにした方がリピートしてもらえる可能性が高くなります。

繁華街でカフェを開いた場合、さまざまな場所からお客様が集まってもらえるものの、固定客が付きにくかったり、競合店との競争が激しかったりします。賃料は他の2つのエリアよりも高額になる傾向があります。

あなたがどのようなカフェを開きたいかによって、出店エリアを決めるようにしてください。

塾を開校するなら人の目が多い場所に

通りを歩いていたり自動車で移動していたりすると、有名高校や有名大学に〇〇名合格といった張り紙を見たことがある人は多いはずです。塾を開くのであれば人通りの多い場所や、学校から徒歩圏内のテナントを探してください。なぜなら人通りが多ければ人目につきやすく、学校から近ければ両親も安心して塾に通わせることができるため、多くの生徒を集めやすくなるからです。子供を送り迎えするための駐車場を確保できるようなテナントを見つければ、近所からのクレームも減らすことができます。なお避けたほうが良い場所は繁華街です。その理由は、子供がトラブルに巻き込まれるリスクが高い場所だからです。

美容室を開業するときには人口動態や年齢構成の確認を

美容技術で差別化がしにくくなっているため、お客様にとって利便性の高い立地であることが条件になりやすいです。たとえば大型スーパーの近くや、駅の周辺にテナントが借りられるといいでしょう。ここでポイントになるのが、テナント周辺の人口動態や年齢構成です。子育て世代をターゲットにするのか、高齢者をターゲットにするかでテナントを借りる場所も変わってきます。駐車場が必須の立地もあるはずです。もし駅周辺で美容室を開業するなら、急いでいるお客様が多いはずですから、待ち時間を少なくできるような工夫が必要です。

テナントを借りるときにはお店のコンセプトを明確に

物件を探す前に、どのようなお店を持ちたいのか決める必要があります。資金力があれば人気エリアでテナントを借りることを考えてもいいかもしれませんが、そのような人は多くはないはずです。コンセプトを決めて出店エリアが決まったら、実際に現地調査を行ったり競合店に入ってみたりしてから、テナントの契約を進めていくといいでしょう。今後、テナントを借りるときには本記事をぜひ参考にしてください。