地震に於ける地盤の液状化を防ぐ、砕石パイル工法

最新・最先端の地盤改良技術が光る。
住宅の耐震性能を高めるために、躯体構造の他に重要な要素があります。それは地耐力と基礎です。地耐力とは地盤そのものの強さのこと。軟らかい地盤では、どんな強い基礎や躯体を作り上げても十分な耐震性を発揮できません。東新住建では地盤調査の後、その土地に合った最適の工法でしっかりとした地盤改良をおこないます。なかでも最新の「砕石パイル工法」は地震の揺れや液状化に強く、安全で工事の省エネ化も実現する先端技術です。天然素材の砕石を柱状に詰め込むことで砕石パイル(杭)を形成し支持力を増すことで地盤を強固にする画期的な地盤改良工事です。地震時では砕石パイル自体の隙間が水圧を吸収し、土粒子の液状化を未然に防ぎます。
他の地盤改良工法と比較して特に地盤の液状化に強いのが特徴で、東日本大震災に於いてもその強さが実際に証明され高い評価を受けました。
東海・東南海地震連動による液状化危険度
液状化危険度分布 「過去地震最大モデル」による想定

- ※危険度判定には地盤改良等の液状化対策効果は見込んでいない。
- ※過去地震最大モデルとは南海トラフで繰り返し発生している地震のうち、宝永、安政東海、安政南海、昭和東南海、昭和南海の5地震を重ね合わせたモデル
- ■出典:平成23年度~25年度 愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等 被害予測調査結果 愛知県防災会議地震部会 平成26年5月
人・環境にやさしい省エネルギー先端技術
水はけのよい砕石を地面に空けた縦穴に詰めてパイルを形成する「砕石パイル工法」は、大地震による被害で最も多い地盤の液状化に威力を発揮します。パイル形成時の加圧作業により軟弱な土壌もしっかりと締め固められ、何十本もの摩擦抵抗の高い丈夫な砕石柱が建物の基礎を支えます。さらに新開発の「ピストンバルブ」装置搭載の重機により、今までの砕石杭工事より必要な機材を大幅に削減。工事全体の省エネルギー化を実現しました。また天然石の砕石パイルは再建築の際にも撤去不要で、将来的に環境汚染問題を起こしません。改良された土地は現状のまま100%リサイクルが可能。地震の揺れに強い安全な地盤は半永久的に保たれます。


当社では、2000年当初から地盤補強の際に「砕石パイル工法」の前身である砕石・水・空気といった自然素材のみを使う「安心造工法」を採用していました。
液状化を防止するドレーン効果(排水効果)
砕石パイルはそれ自体が水を通すため、水圧を逃がす効果(ドレーン効果)があります。何十本ものパイルの排水効果は絶大で、さらに砕石パイルを造る段階で、その周辺地盤も強く締め固められ液状化の起りにくい状態になっています。

地震時の液状化と地盤沈下
地盤の一部が地震の揺れを受けて液体のようになる現象を液状化といいます。通常、地盤の土は土粒子が繋がることで支持力を発揮しています。土粒子間には隙間があり、地下水位より深い場所では隙間は水で満たされています。地震が発生すると地盤が変形し土粒子の隙間が狭くなり水圧が高まることで、繋がっていた土粒子が外れ水に浮いたような状態になります。水は地盤の弱い部分を通って地表に噴出。水が排出された分だけ土粒子の隙間が小さくなり地盤が沈下します。
液状化発生メカニズム(略図)軟弱砂層

地盤改良工法の種類と特徴
地盤改良とは家を建てる前に地盤調査を行い、建物が不等沈下しないよう地盤を強化する工事のことです。表層改良工法はセメント系固化材と現地の土を混合し版状の個結体を造る工法です。軟弱層が浅い場合に適しています。鋼管杭工法は軟弱層が深い場合、支持地盤まで一般構造用炭素鋼鋼管を打ち込み建物の荷重を支える支持杭工法です。柱状改良工法は軟弱地盤に柱状の改良体(現場作成セメント杭)を形成し、その摩擦で支持力を得る工法です。「砕石パイル工法」は柱状改良工法の最新技術で、東新住建は積極的に採用しています。

施工の流れ

※地盤の状態により、「砕石パイル工法」を採用しない場合もあります。詳しくはお問い合せください。