近隣住民からネット上で誹謗中傷の書き込みをされたときの解決策

近隣の人とトラブルにあった際、直接的な嫌がらせはもちろんのこと、SNSを通じてあることないことを書き込まれたりして、悩んでしまうこともあるかもしれません。今回はネット上で近隣住民から誹謗中傷を書き込まれた際の解決方法を解説していきます。

誹謗中傷とは?

Severely distraught young woman sitting in front of a computer with a judgemental hand pointing at her from within the computer monitor being cyber bullied.

どのような条件を満たすと誹謗中傷になるのでしょうか。大きく分けて3つあります。1つ目は個人が特定されること、つまり誹謗中傷の対象があなたのことだと分かるような時です。2つ目は社会的な評価が低下する恐れがある時。仮に配偶者が不倫をしていたとしても、それを罰するためにSNSに書き込みをすることは誹謗中傷になり、名誉棄損になりますから注意してください。3つ目は法律を違反しているような事情がない時。たとえば公務員が賄賂を受け取っていると、証拠もなくSNSに投稿するのは誹謗中傷に当たります。

誹謗中傷の相手を調べる方法

ネット上での書き込みは匿名でできるため、誹謗中傷を受けた際は相手を特定する必要があります。たとえばTwitterなどに誹謗中傷を書かれた際に行う第一歩が、IPアドレスの開示を請求することです。IPアドレスとはインターネット上の住所のようなものです。このIPアドレスが分かったとしても、使っている人の名前や住所が分かるわけではありません。

IPアドレスやタイムスタンプといったものを開示請求するときに、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)に則って進めていく必要があります。

開示請求をしたとしても、簡単に請求に応じてくれることはまずありません。なぜなら、誹謗中傷を行っている人の表現の自由を侵害されたと訴えられる可能性もあるからです。そのためサイトの管理者やプロバイダは、投稿やコメントの削除の有無にかかわらず、そのリスクを回避できるようにプロバイダ責任制限法は作られています。

相手のIPアドレスを開示するための手順

誹謗中傷に値する投稿やコメントだと判断できれば、サイト管理者やプロバイダなどに投稿者のIPアドレスの開示請求を行います。なお開示請求の書式は、一般社団法人テレコムサービス協会(TELESA)が提供してくれている書式を利用すると便利です。

発信者情報開示請求書: http://www.isplaw.jp/d_form.pdf

しかし開示請求をしただけでは、情報を提供してくれることはありません。そのため裁判所に発信者情報開示仮処分命令申立を行い、裁判所からサイト管理者に対して情報提供するように、仮処分の命令を出してもらう必要があります。なおIPアドレスの開示に要する期間は、おおむね1~2カ月です。IPアドレスを入手した後、その情報を元にインターネットプロバイダを見つけ、そのプロバイダに対し個人情報を開示するように求めていきます。

ネット上で誹謗中傷している相手が近隣住人だとわかった時の対応

近所に住んでいる人からの誹謗中傷が分かった場合、直接ご自身が相手のところへ行き、話し合いを行うことは避けてください。たとえばママ友同士で行き違いがあり、恨まれてしまったことで、知らない間にSNS上で不倫をしていると嘘の情報を投稿されてしまった場合です。SNSの投稿も共通の友達から書き込みがあったことを知らされたようなときは、当事者同士で話し合いをするのは危険です。なぜなら当事者同士が話し合ったとしても、かえって逆上してしまい、収拾がつかなくなってしまう恐れがあるからです。ですから、弁護士と相談をして、誹謗中傷されている証拠を集めて、対処してもらうようにしましょう。弁護士に任せることで、誹謗中傷をした近所の人に二度と同じようなことをしないように約束をさせたり、名誉の回復を図ってくれたりしてもらえます。

費用はいくらくらいかかるのか

Woman calculate the cost in her work in the office.

書き込みの削除請求や、誹謗中傷を行った個人を特定するための開示請求、投稿者に賠償請求をする場合、個人では対応が難しいため弁護士に任せる必要があります。

サイト管理者に対して投稿の削除請求や、誹謗中傷を行った個人を特定するための情報開示請求は、どちらの場合でも着手金は5万円程度からです。報酬金に関しては前者が5万円からで、後者は15万円程度からです。裁判を起こす場合、どちらでも着手金は20万円程度で、報酬金は15万円以上かかります。なお誹謗中傷を行った個人を特定するための情報開示請求をする場合、サイト管理者にIPアドレスの開示請求を行い、インターネットプロバイダに対しては個人情報を開示する手続きを行う必要があるため、2回は弁護士に立ち会ってもらわなければなりません。

誹謗中傷を行った個人に対して賠償請求を行う場合、投稿者本人に直接交渉したときは着手金は10万円程度からで、成功報酬は回収代金の16%程度です。裁判を起こした場合は、着手金は20万円程度で、成功報酬は先ほどと同じで16%程度です。

弁護士にさまざまな手続きを行ってもらう場合、上記の費用のほかに着手前の相談料や事務的な手数料、印紙代や交通費などの実費や裁判や交渉時の日当を支払わなければなりません。なお相談料は1時間当たり1万円程度、弁護士の日当は1日当たり5万~10万円です。

ネット上で誹謗中傷の書き込みをされたら専門家の意見を聞いて

現状では匿名のネットの世界で誹謗中傷にあってしまったら、弁護士などの専門家と相談する方が精神的なストレスも軽くて済むはずです。誹謗中傷の書き込みをSNSでされた際には、本記事を参考にしてください。

 

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