名古屋の中古マンション市場は、近年ゆるやかな上昇基調が続いており、2024年〜2025年にかけても価格・取引件数ともに堅調な動きが確認されています。
特に中部レインズや民間調査機関の公表データでは、成約価格・在庫価格がともに高い水準を維持しており、需給バランスの崩れは見られません。
一方で、金利環境の変化や新築価格の高止まりなど、購入タイミングを判断するうえで気になる外部要因も存在します。
この記事では、公開済みの一次データに基づいて「名古屋の中古マンション価格の最新動向」をまとめているので、今買うべきか、年明けを待つべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
名古屋市中古マンション価格の「現状」
過去10年の価格推移(2015〜2024年)
名古屋市の中古マンション価格は、2015年以降、緩やかな上昇基調が続いています。
複数の民間調査によると、70㎡換算の平均価格が2015年には2,000万円台前半だったのに対し、2024年には2,700万円前後へ上昇したというデータが示されています。
この期間に大きな価格下落は見られず、名古屋の中古マンション市場は安定した右肩上がりの推移を辿ってきました。
最近の(2023〜2025年)動き
最新の市場動向については、中部レインズが公表する成約データ・在庫データをもとに整理できます。
| 成約価格 | ・2024年〜2025年にかけては、前年同月比でプラスとなる月が多い・成約単価は全体として高い水準を維持しており、大幅な下落は確認されていない |
| 在庫(売出)価格 | ・売出段階の価格も高止まり傾向が続いている・市場全体として、価格を押し下げる大きな要因は現在のところ見られない |
| 成約件数 | ・中部レインズの速報では、2025年春に前年同月比2〜3割増となった月があるなど、取引が活発化した時期も確認できる |
これらのデータを総合すると、名古屋の中古マンション市場は「価格・取引量ともに堅調」な状態を維持しているといえるでしょう。
区(エリア)による価格差
最新の民間調査では、名古屋市内の区ごとに明確な価格帯の違いが見られます。
| 都心エリア (中区・東区・千種区) | ・市内で最も高い価格帯に位置・アクセス性や生活利便性が高く、築年数が進んでも価格が下がりにくい傾向 |
| 文教・住宅エリア (昭和区・名東区・瑞穂区) | ・教育環境の良さなどから人気が高く、価格の振れ幅が小さい・成約単価も比較的安定している。 |
| 郊外エリア (港区・中川区・守山区など) | ・市内では比較的価格が低いゾーン・立地条件や築年数の違いによって、価格の変動幅が大きくなりやすい |
名古屋市内は「都心」「文教」「郊外」という3つのゾーンが明確で、エリア特性がそのまま価格に反映されやすい構造だといえるでしょう。
購入を考える上で抑えておきたい「市場の特徴」
名古屋の中古マンション市場は、価格の推移や成約動向だけでなく、周辺環境や市場全体の構造によっても判断材料が変わります。
ここでは、購入タイミングを考えるうえで知っておきたい主要ポイントを整理しながら見ていきましょう。
名古屋は「急落しにくい」市場構造を持つ
複数の民間調査によると、名古屋の中古マンション価格は短期間で大きく下落する局面が少ないとされています。
背景としては、以下のような地域特性が挙げられるでしょう。
- 新築マンションの供給量が全国的に見てもあまり多くない
- 土地の過度な高騰が少なく、市場が過熱しにくい
- 賃貸需要が安定しやすい
このため名古屋のマンション市場は、東京や大阪と比べて価格の振れ幅が小さく、比較的「緩やかな変動」が続く傾向があるといえるでしょう。
供給・取引件数・在庫の動き
直近の市場動向は、中部レインズの成約・在庫データから読み取ることができます。
- 成約数は2024〜2025年にかけて一部期間で増加
- 在庫数が大きく増えたり減ったりするということがなく、極端な供給過多にはなっていない
- 成約単価と在庫単価がどちらも高めの水準を維持
これらの傾向から、名古屋の中古マンション市場は需給が安定しており、価格が荒れにくい状態にあるといえるでしょう。
新築価格の高止まりが中古価格を支えている
複数の民間統計では、新築マンションの価格が上昇傾向にあることが示されています。
これによって以下のような流れが生まれるため、結果として新築価格の高止まりは中古市場の底堅さを支える一因になっているといえるでしょう。
- 中古マンションとの価格差が縮まりにくい
- 中古側の価格が押し下げられにくい
- 築浅中古の需要が高まる
築年数・立地・管理状態が価格に与える影響
名古屋の中古マンション価格は、次の3点によって大きく変わります。
| 築年数 | ・築年数が進むにつれて価格は下がりやすくなるものの、都心部の場合は築古でも下落幅が小さい |
| 立地(駅距離・商業集積) | ・駅徒歩10分以内の主要エリア(中区・東区・千種区)は価格が安定・郊外は立地条件で価格差が大きく出やすい。 |
| 管理状態 | ・管理費や修繕積立金の設定が適正かどうか・修繕履歴がしっかりしているか・管理会社の評価 |
これらは中部レインズなどの価格データだけでは読み取ることができないため、購入者が物件を見る際に個別でチェックするべき重要なポイントといえます。
今「買うべきか」、それとも「年明けを待つべきか」
名古屋の中古マンション市場は、直近の価格推移・成約件数・在庫数の動きを見る限り、急激な価格下落が起きやすい状況にはないといえるでしょう。
ここでは、実際のデータから判断できる「今買う場合」と「年明けを待つ場合」の根拠を整理します。
今買うメリット・デメリット
メリット①価格が大きく下がる兆候が見られない
中部レインズの成約・在庫データでは、2024〜2025年にかけて価格水準が維持されており、「下落局面」のサインは確認されていません。
そのため価格が底打ちしている可能性があり、値下がり待ちの合理性は低い状況といえるでしょう。
メリット②良立地の物件は供給が少なく早期に売れる
民間調査でも、駅近や都心エリアの物件は売却期間が短く、流通量自体が多くないことが示されています。
そのため条件の良い物件を狙うなら、選択肢が見つかった時点で早めに動く方が有利だといえるでしょう。
デメリット①金利上昇のリスクを受けやすい
購入時期を早めるほど現在の金利が長期間適用されることになります。
もし今後の金利が上昇した場合、変動金利では返済額が増える可能性があり、固定金利でも借り換えを検討する際に不利になる恐れがあります。
このように、将来の金利動向によっては返済負担が増えやすくなるという点が、早期購入のデメリットといえるでしょう。
デメリット②年明けの供給増のタイミングを逃す可能性
例年、年度末から春にかけて住み替え需要が増えるため、年明けのほうが市場に新規物件が出やすい傾向があります。
現時点で選択肢が限られている場合は、年明けまで待つことで物件数が増える可能性があるでしょう。
年明けを待つメリット・デメリット
メリット①新規供給が増える時期と重なる可能性
一般的に1〜3月は売却が増える時期になるため、新着物件数が増えやすい傾向にあります。
選択肢を広げたい場合は、年明けを待つ価値があるといえるでしょう。
メリット②比較検討しやすいタイミング
選択肢が多くなることで、「立地」「築年数」「管理状態」の違いを比較しやすくなり、購入判断の精度が高まります。
デメリット①市場価格が下がる根拠は現時点で見られない
中部レインズのデータや民間調査の価格動向を見る限り、2024〜2025年にかけて価格が下落する材料は確認されていません。
下落を期待して待つことは、合理的な判断材料に乏しい状況といえるでしょう。
デメリット②良い物件が他の購入者に先に買われるリスク
条件の良い物件は年間を通じて早期に成約しやすく、タイミングを逃すと機会損失が生じる可能性があります。
タイミングの判断に使えるチェックポイント
物件購入のタイミングは「相場」だけでなく、個別物件の条件によっても大きく変わります。
以下の項目を確認すると判断しやすくなるでしょう。
- 駅徒歩10分以内かどうか
- 築年数は20年前後までか(市場で売れやすく価格が安定しやすい)
- 管理状態が良好か(修繕履歴・積立金の妥当性)
- 周辺の過去5年の価格推移(民間データで確認可能)
- 早期売却が多いエリアかどうか(都心・文教エリアは動きが速い)
結論としての見解
中部レインズの成約・在庫データや民間調査の価格動向などを踏まえると、“年明けを待つことで価格が大きく下がる”といえる根拠は現時点では確認されていません。
そのため、基本的には条件の良い物件に出会えた段階で早めに判断するという選択がおすすめです。
もし希望する条件に合う物件が見つからない場合は、年明けの新規供給を待つというのもひとつの選択になるでしょう。
まとめ
- 名古屋の中古マンション市場は、2024〜2025年にかけて価格・取引量ともに安定した動きが続いている
- 中部レインズの成約・在庫データからは、価格が下落しやすい要因は現時点で確認されていない
- 購入タイミングは、相場よりも「立地・築年数・管理状態」など個別物件の条件が判断材料になりやすい
名古屋の中古マンションは急激な値動きが起こりにくく、価格の振れ幅が比較的小さい市場です。
そのため、良い条件の物件が見つかった場合は早めに動く選択肢も十分に合理的といえます。
購入時期に迷う際は相場全体だけでなく、物件ごとの条件と自身の優先度などを照らし合わせて判断することが大切です。



















