家を建てるのは節分の後にしたほうがいいと言われることがあります。節分は「鬼は外、福は内」の豆撒きをするとか、恵方巻きを食べることを思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、家を建てる時期とどのような関係があるのでしょうか?ここでは節分の意味、家を建てるときのタイミングがなぜ節分の後がよいとされるのか、節分に関する風習や慣わしについてご紹介します。
節分とは?
節分とはそもそも何のことを言うのでしょうか?節分は彼岸や入梅といった雑節(ざっせつ)と呼ばれる季節の移り変わりを表した暦日の一つで、季節の始まりの前日を指します。各季節の始まりは立春、立夏、立秋、立冬。その前日が節分となり年に4回節分があることになりますが、一般的に節分と言えば豆撒きをする日として知られている立春の前日を指すことが多いようです。
節分はどういう日なのか?
旧暦では立春が元旦とされていたことから、立春の前日の節分が大晦日とされていました。季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると信じられていたため、邪気を追い払うための儀式の一つが鬼払いである「豆撒き」です。立春の時期は寒い上に、季節の変わり目であるため風邪などで体調を崩しやすくなります。深刻な病気を招くことを恐れ、大病を鬼になぞらえて追い払う風習が生まれたのです。
家を建てるのは節分の後がいいとされるのはなぜ?
ではなぜ「家を建てる」場合には節分の後が良いとされているのでしょうか?これは年回り(厄年)を気にする人がいるからです。今年は年回りが悪いので建築をしないほうがよい、と考える人は節分の後に建築を考えたり、着工したがります。年回りを気にしない方にとってはあまり関係のない話ではありますが、風習として気にする人がいるのは事実です。建築に携わる業者の方々も気にする場合があり、どちらが良い、悪い、という単純な話ではなさそうです。
家を建てるときの日付を気にする行事や儀式は?
家を建てる際に節分を気にする理由は年回りでしたが、家を建てることは大イベントなため節分以外にも気にする行事や儀式があります。まず思いつくのは地鎮祭と上棟式。地鎮祭は建築を始める前に行い、その土地の守護神を祀り、土地を利用させてもらう許しをもらうイベント。上棟式は棟上げとも呼ばれて建物の柱や棟、梁などの基本構造が完成したのち、その後の工事が無事に行われるように祈る儀式です。どの施行業者も縁起のいい日取りを選んで執り行うようにするのが一般的で、建築をするの際に縁起が良い日が分かる建築カレンダーが用意されています。
地鎮祭や上棟式の詳しい内容や段取りは関連記事をご覧ください。
節分に行う行事や風習は?
家を建てる以外に節分で行う行事や風習をここでは3つ取り上げます。1つ目が「豆撒き」。邪気を追い払うために行われるもので室町時代には武家や公家の間で既に行われていたと言われています。豆を撒く理由は穀物には生命力と魔除けの力が備わっていると考えられたこと、豆を鬼の目(魔目)に投げつけて鬼を滅するという「魔滅」に通じているからだと言われています。鬼に豆をぶつけることにより邪気を追い払い、一年の無病息災を願います。豆を撒くときには「鬼は外、福は内」という掛け声をかけます。神社や地域によっては鬼を悪いものとしてではなく紙として祭っているところもあるため、「鬼も内」というような掛け声もあるようです。豆を撒いた後、撒かれた豆を拾い自分の年齢(数え年)の数だけ食べるということを知っている人も多いのではないでしょうか。2つ目が「鰯」です。鰯の臭みを鬼が嫌がると言うことから鰯を食べて鬼を追い払う、という理由で食されているようです。
最後が「恵方巻」です。恵方巻は節分の夜に恵方に向かって願い事を思いながら丸かじりすると願いが叶う、といわれています。ただし、恵方巻は企業のマーケティング戦略で全国に広がったという説、大阪の花街の遊びが起源という説などがあり、昔から行われているという記録はないようです。
今年の節分は何日?
2021年の節分の日は2月2日。節分は2月3日ではないの?と思われる方もいるでしょう。1985年~2020年までは2月3日が節分でしたが、2021年~2057年までのうるう年の翌年だけが2月2日になるようです。
まとめ
いかがでしょうか。節分の意味、家を建てるときに節分を気にする理由、家を建てるときに気にする日付、節分の行事の概要、節分の日付についてご紹介しました。豆撒きで覚えていた節分にも由来と人々の願いが込められていることがお分かりいただけたと思います。家を建てる時期の参考にしてみてください。