年齢とともに最適な住まいも変わります。
子育てが終わった50代、60代の方で、住まいを変えることを検討するタイミングが来ているという人も多いのではないでしょうか?
実は近年、50代・60代の方が住み替えでマンションから平屋に引っ越すケースが増えてきました。
その背景と、平屋のメリットについてお伝えします。
家族の人数によって、必要な家のサイズは異なります。
国土交通省の住生活基本計画によれば、
4人世帯で望ましい住宅の広さは、95㎡〜125㎡。
それに対して、2人世帯の場合に望ましい広さは55㎡〜75㎡となっており、
2人世帯では、4人世帯の約6割程度の広さで十分とされています。
50代〜60代で子供が自立するようになると、それまでにぎやかだった家の中が急に静かになるといいます。
そして、「人生100年時代」と言われるように、夫婦2人の生活は20年、30年と続いていきます。
子供を含めた家族で住んでいた家から、夫婦2人に住み替えるのは自然な流れと言えます。
統計的にも、世帯数は増えていますが、1世帯あたりの構成人数は年々減っていることが明らかになっています。
これは、一度巣立っていった子どもたちが、その後実家に帰ってこず、
親世代二人の世帯が増えていることのあらわれです。
ふたり暮らしにちょうどいい広さは55㎡〜75㎡。
実はこれは平屋にちょうどいいサイズでもあります。
このような理由から、子育てが終えた後、平屋に住み替える人が増えています。
50~60代の二人暮らしにとって平屋のメリットは、段差が少なくフラットであること。
キッチン、リビング、お風呂、トイレなど、家の中の設備がすべて同じフロアにあり、
2階建ての家と違って、生活のために階段を上り下りする必要がありません。
掃除などお手入れが楽なのはもちろん、家族が別の部屋にいてもすぐに声掛けができます。
また、50代~60代ではまだ実感が無いかもしれませんが、
後期高齢者である75歳を超えると、要支援・要介護の認定者の割合が急に増加します。
足腰が不自由になってからは、やはり段差の少ないフラットな家に住みたいもの。
セカンドライフを通じて長く住める家を探したい、という場合、安心・安全な平屋の家がおすすめです。
セカンドライフの充実を求めて住み替えをされる方の中には、マンションからの住み替えの方も多くいらっしゃいます。
駅近のファミリータイプのマンションは、家族で住むには色々といい条件が揃っています。
一方で、通勤・通学などで人の出入りが激しいという側面もあり、
シニアの求める落ち着いた住環境とは少し異なる部分もあります。
平屋のような戸建住宅なら、マンションのような共同住宅とは異なり、
玄関も建物も独立していますので、他の方の出入りが気になることはありません。
マンションとの大きな違いは他にも。
平屋の場合、必ず地面に密着した1階部分に部屋があります。
物件によっては広い庭があったり、大きなウッドデッキを設置したりすることもできます。
好きな植物を育てる、生け垣越しにお隣の方と会話をする。
そんな自然なかたちで地域のコミュニティに交わることで、日々の生活にも楽しみやゆとりが生まれるでしょう。
子供が巣立っていったあと、夫婦でペットを飼われる方も多くいらっしゃいます。
そういった場合にも、庭のある平屋はマンションよりも気兼ねなく飼うことができ、伸び伸びとペットを育てることができます。
平屋の家は災害に強いのもメリット。
地震があったときに2階建て、3階建ての場合、上階が崩れる恐れがありますが
それ比べて平屋の倒壊のリスクは低くなっています。
平屋は断面積も小さいので、台風や暴風も耐えることができます。
停電や断水などがあったときにも、マンションと違い、
水や生活物資を運ぶために階段を昇るといった、縦方向の移動はほとんどありません。
老後の生活になってからは、災害から逃れるために避難所などに行くのも大変。
災害に強い平屋に住むことは、離れて住む家族にとっても安心です。
「2階のない平屋では垂直避難ができないのでは?」という疑問もあるかもしれませんが、垂直避難というのは本当に最後の手段。
平屋でも2階建てでも3階建てでも、動けるうちに避難をしておくのが災害対策の鉄則です。
垂直避難のできない平屋だからこそ、避難行動を一歩早く動く、という効果もあるかもしれません。
入手するコストの点からも、平屋にはメリットがあります。
2階建てに比べて、施工のコストを安く抑えることができます。
同じコストをかけるなら、内装や設備にこだわることができるので、
充実したセカンドライフを楽しむために最適な間取りや設備を実現することができます。
また、借地であっても平屋を建てることはできます。
「定期借地権」などを利用すれば、土地は借りて建物だけを購入する仕組みなので、安価に戸建ての平屋を手に入れることができます。
さらに、太陽光発電などを併用することで、土地代や維持管理費を発電量で補填することも可能に。
入手も維持管理もリーズナブルに済ませることができる平屋暮らし。
充実したセカンドライフに平屋を選ぶ方が増えているのも頷けます。