「一緒に暮らす方が幸せ」と気が付いて
奥さま:
みんなレイタのおかげ!
わたしも、子どもたちも、母も、いつもそう言っています。
彼がいなかったらいまの生活はありませんでした。
ご主人:
いやそんなことは……(笑)
奥さま:
彼はいわゆるトランスジェンダーで、
女性として生まれたけれど
本来の自分であるためにずっと戦ってきた人です。
初めて出会ったのは4年近く前。
しばらく付き合い、一緒に暮らしてみようという話になったものの、
わたしは子ども3人と実母を抱えるシングルマザーですから、
うまくいくのか不安でした。
そこでためしにお泊りを開始。
当時の狭~い2LDK賃貸に泊まりに来てもらうようになり……
そこから自然と、みんなで暮らせる家探しを始めました。
ご主人:
お母さんや子どもたちとワイワイ過ごすうち、
一緒に暮らす方が幸せだと気付かされたんです。
でもまだ真剣に探しているわけではなかったので、
ネットで物件をチェックするぐらいでした。
この家を逃がしたら絶対後悔する
奥さま:
子どもたちが転校せずに済む立地は絶対条件。
しかも資金面でも余裕はまったくありません。
1年近く情報を見てもこれという物件がみつからず……
そんなとき「ちょうどいい場所に戸建てが建ったらしいよ」と
母が情報をくれました。
さっそく見に行ったところ、
少し狭いけれど場所がよくて価格も手ごろ!!
こんなにいい家には二度とめぐりあえない。
そう思いました。
ご主人:
けれどちょうど年末のあわただしい時期で……
奥さま:
年を越せばこの家を逃がすかもしれません。
年内に契約するなら、
いますぐ決断しなきゃ間に合わない。
ものすごく焦りました。
もし他の人に買われたら後悔するに決まっています。
でも一番心配だったのは、
家を買えばレイタひとりにローン負担がかかってしまうことでした。
若い彼に家族6人分を背負わせていいのか?
奥さま:
わたしたちは結婚していません。
地元にはそういう制度がまだないからです。
しかもわたしはパートで、母は定年退職後の再雇用。
この家を買うには正社員である彼が単独ローンを組むことになります。
……実はレイタはわたしよりずっと年下で、
息子との方が近いぐらい。
そんな若い人に6人分の人生を背負わせていいのか、すごく悩みました。
でもわたし以上に彼のことを心配してくれたのは母でした。
ご主人:
家を見学してから購入を決めるまでほんの数日。
3人で顔を合わせる時間もとれなかったので、
急いでお義母さんと面談(笑)
お母さま:
真正面から聞きました。
うちには小中高と3人の子どもがいる。
家族を持てば責任がついてくる。
あなたもやりたいことがあるだろうに、
大黒柱として我慢しなきゃいけない場面も出てくるはず。
それでもいいの?
こんなコブつきババつきで本当にいいの?
そうしたら「一緒になれた方が幸せ」だと言ってくれて……
じゃあよろしくね。それで決まりました。
息子に待望の個室。同僚とのホームパーティも
奥さま:
東新住建が明日から年末休みというギリギリで契約。
うわー本当に買っちゃったーと(笑)
2階の間仕切り工事を追加してもらい、引越しは翌年2月の末。
片付けはめっちゃ大変でしたが、
決まった以上やるしかありません。
ご主人:
1階のLDKと2階の3部屋。
ここで家族6人が暮らせるよう工夫しました。
高校生と中学生の息子には待望の個室をあげて、
一番広い主寝室でわたしたちと末娘、お義母さんが眠ることにしました。
奥さま:
母は最初1階で寝ると言っていたんですが、
リビングに寝具を持ち込みたくなかったので
2階に3段ベッドを置きました。
おかげで快適に過ごしています。
いずれお兄ちゃんが自立したら空いた部屋に末娘が入ることになります。
ご主人:
考えてみれば窮屈だと思ったことはないですね。
リビングもゆったりしていて、
先日は会社の同僚たちを招いてホームパーティを開いたほど。
大人子ども合わせて10人ほどがのびのびと過ごせました。
前の賃貸ではとてもできなかった贅沢です。
家族それぞれがパワーをもらって
ご主人:
家がきれいで設備も新しく快適ですから
本当に暮らしやすいですよ。
奥さま:
うちでは母が調理でわたしが後片付けの係。
キッチンが広くて使いやすいのがうれしいですね。
お風呂も広くて気持ちがいい。
ご主人:
ちょうどいい場所に窓が設けられているので
風通しもいいんですよ。
奥さま:
この家に越してから暮らしが変わりました。
彼だけに責任を負わせてはいけないと、わたしも勇気を出して転職。
事務の正社員になることができました。
長男はいま大学進学をめざして親が驚くほどがんばっています。
息子も言っています「レイタには感謝しかない」って(笑)